【第20話】

 

ブログでも見たいとの声があったので追加記事(笑)

 

http://www.alphapolis.co.jp/content/cover/949096011/

 

先を知りたい方はこちらへw

 

 

前回のあらすじ

一時は猫の鳴き真似でやり過ごしたマーラだったが、人間の子供を逃がすために自分が犠牲になってしまう。男たちが見守る中意識を失ったマーラ。

 

 

「マーラ、遅いね。」

 

 ミンシアが窓の外に目をやりながら、唇を尖らせる。

 

「そんな危険があるわけじゃないが、泉の水を汲むにしては遅いな。」

 

 ヴァイトも顎に手をやりさすりながら、少し気にかけている様だ。

 

「気になるんだったら迎えに行けばいいじゃない。」

 

ヒューラがソワソワしだしたヴァイトの姿を見かねて声をかける。

 

「そうだな。そうしよう。」

 

 机の上にあった飲みかけの水を飲みほしてヴァイトが扉に向かうと、ネルセンが頭に手を当てながらとぼけた表情で扉を開けて入ってきた。

 

「どしたの? ネルセン? 変な顔して。」

 

「変な顔って! ああ、それより、ポント。見なかった?」

 

「ポント?」

 

「見て無いけど?」

 

「今朝から姿が見えないんだよね? 飯も食わずにどこ行ったんだろ? あいつ。」

 

「ポントもいないのか?」

 

「も、って?」

 

「マーラも帰りが遅いんだ。」

 

「そうなんだ。一緒だったりするのかな?」

 

「とりあえず俺はマーラを迎えに行く」

 

「じゃあ俺もついて行っていい?」

 

「ああ、人数が多い方が見つけやすいしな。」

 

「私は帰ってきた時のために残っておくわね。」

 

「僕も一緒に行く!」

 

 ヴァイト、ネルセン、ミンシアの3人が颯爽と扉へと向かった時。

 

「シッ! ちょっと待って! 静に!」

 

 ヒューラが急に声を荒げて叫んだ。

 

「うるさいのはヒューラで・・・」

 

「シッ!」

 

 バシッ! ネルセンがヒューラに叩かれる。その剣幕にみなが押し黙ったまま静かにしていると。

 

キュー

 

弱弱しくその声は聞こえてきた。

 

キュー

 

「ポント!」

 

 思わずネルセンが扉から飛び出して、バタバタと慌ただしく駆け回りながら声の主を探す。

 

「ポント。ポント!」

 

 キュー

 

「ポント!」

 

 山積みにされた木材の片隅で横たわるように、ポントが弱弱しく鳴いていた。

 

「ポント! どうしたんだ、ポント!」

 

 ネルセンがバーッと一目散に駆け寄って、優しくそっとポントを抱き上げた。

 

「ポント・・・」

 

 ヴァイトが近づいて来て、そっとネルセンの肩に手を置きポントの様子を伺う。

 

「かなり傷が深そうだな。ファーミラの所に行って回復魔法をかけてもらった方がいいだろう。」

 

 ミンシアが虚空を眺めながら独り言をつぶやいている。

 

「ミンシア! 俺はネルセンとポントをフォーミラの所へ連れていく。ちょっと待っててくれ。」

 

「あ、ああ・・・うん」

 

 何か言いたげな様子で言葉を飲み込んだミンシアを置いて、ヴァイトはポントを抱いたネルセンと共にフォーミラの所へ向かった。

 

「どうしたの?」

 

2人と1匹を見送るミンシアの背中に向かって、ヒューラが優しく声をかけた。

 

「うん。今はまだ言わない方がいいと思ったんだ。今は。」

 

「そう。じゃあ、中に入って待ってましょ。こんがり日に焼けちゃうぞ?」

 

「・・・うん。」

 

ヒューラが家の中に戻っていく。ミンシアが扉をしめながらふと手を止めて、またヴァイト達の方をぼんやりと眺めながらふうと一息吐いて扉を閉めた。

 

最後までご覧いただきありがとうございます♪

 

皆様の人生が笑顔の華で彩られますように(*^ー^)ノ