【第十八話】
前回のあらすじ
マーラとすっかり仲良くなったミンシア。ミンシアに触発されて、外の世界へと興味を持ち始めたマーラを悪気なく誘うミンシアだったが、里の掟との間に板挟みにしてしまう事に・・・
次の日の朝、マーラはいつものように森の泉へと水を汲みに出かけた。いつもの通いなれた道だ。迷うはずなどない。・・・が、この日はいつの間にか、周りには見慣れぬ景色が広がっていた。
(ここは? メンデルの森じゃない・・・どこ?)
急に不安に駆られて足取りが早くなる。いつの間にかマーラは駆け出していた。
(え? なに!? 兄さま! 助けて!)
誰かの声がした気がして、ふと身を隠す。その声はだんだんとこちらに近づいてきている様だ。幸いなことにまだこちらに気がついている気配はない。二つの影が姿を現す。その姿を見て思わず声を上げそうになった口を必死に塞ぐ。
(人間の子供!?)
「大人たちは絶対にこの森には入っちゃいけないよって言っていたけど、きっとすごい宝物があるんだよ。」
「だけど二人で森に入るなんて無茶だよ。あとでお父さんお母さんに絶対怒られるよ。」
「そんなことが怖くて冒険なんてできるか!」
「ねえ、もう帰ろうよ。どんな怪物が出てくるかわからないよ? 今ならまだ間に合う。ね? ハーバント。」
「怪物なんて怖くない! 帰りたきゃ一人で帰れよ。エミリオが行かなくても、僕は一人でも行くからね。」
ハーバントと呼ばれた子供は力強い足取りでひたすら前に進んで行く。
「そんな、待ってよ。置いてかないで。」
エミリオがきょろきょろと周りを見回しながら、ハーバントの後を必死に追いかけていく。
(この辺にそんな宝物なんて・・・。男の子って、獣人族も人間も、どうしてこうお馬鹿なのかしら?)
少しあきれつつも、この小さな男の子たちの冒険をちょっとだけ見届けてみたい。という湧き上がる衝動をマーラは抑えきれなかった。
(それにしてもどこに行く気なのかしら?)
「本当にこの道で合ってる?」
エミリオが恐る恐る尋ねた。
「間違いないよ。この宝の地図によればもう少し先に大きな木があって、その先にバツ印がしてある。」
キラキラと目を輝かせて胸を張りながら、ハーバントが自信ありげに鼻息荒く地図を握りしめている。
(そんなアバウトな!)
確かにこの先に大きな木はあるだろうが、モノによっては何本も生えている。果たしてこの子達はどのくらいの木のことを想像しているのだろうか? 気になったマーラはちょっと先回りをしてみることにした。
それなりに大きな木を見つけはしたが、違うような気がしないでもない。それにその先に何があるという訳でもない・・・あの子達は面白半分に友達にでも騙されたんじゃないのか? そんなことを思って歩いていたマーラの視界が開けた先に、マーラが手を広げた何十人分かもありそうな大きな木の幹が見えてきた。
「どう考えても・・・これですよね?」
その先に進んでみると、小さな小屋? があるのが見える。人が作った物だろうか? 音がしないように忍び足で小屋へと近づいて行き、そっと中を覗いてみる。人の姿が3人。どう見ても普通の街の人などではなく、ガラの悪そうな人間たちだ。自然と顔が歪んでしまう。
パキッ!
しまった! 小枝を踏んでしまった! 中が何やらザワザワしている声が聞こえてくる。どうしよう、このままでは見つかってしまう! ああー! もう! どうしよう! どうしたらいいの! 私のドジ! 天然! ええい! ままよ! 兄さまー、私をお守りください!
「みゃーご。みゃーご。ふみゃー! シャーッ!」
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皆様の人生が笑顔の華で彩られますように(*^ー^)ノ