【第十一話】
前回のあらすじ
ネルセンの叫び声を聞き駆けつけてみると、何と可愛らしい生き物に、襲われている?
ミンシアとヒューラがどちらが可愛がるかで言い争う中、ふと何かの気配に身を隠す可愛い生き物。
その気配に身構える三人の下に現れたものは・・・
「ヴァイト?」
ネルセンが茂みの向こうに声をかける。
「あんた、男なんだからちょっと行って見てきなさいよ」
「そうだ、そうだー」
「こんな時だけ・・・まあ、いいですよ。行ってきますよ。行って来ればいいんでしょ」
恐る恐るネルセンが茂みに近づいていく。
「あのー、申し訳ありません。どなた様でしょうか?」
霧をかき分けるように進んで行くが、意味はない。木と一体化するように、うっすらとその姿が見えてくる。鎧兜に身を包んでいる様だが、返事はない。
「あのー、すみません」
ネルセンが肩に手をかけたその時!
兜が揺れて頭がゴロンと床に転げ落ちた。
「うわあああぁぁぁ!」
「え? どうしたの! 何があったの!」
「骨、骨・・・」
ネルセンの弱弱しい声だけが聞こえてきた。
「あんた、骨ぐらいで何女みたいな悲鳴あげてんのよ。情けない」
「でも、いきなり来ると・・・」
「ネルセンは怖がりだなぁ」
ミンシアとヒューラがあきれた表情で近づいてくる。
ぐああああぁぁぁ!!!
「うわぁあああ!!」
突然の獣の咆哮に、三人同時に悲鳴を上げて地面に崩れ落ちた。完全に不意を突かれて腰が立たない。
これはやばいぞと思っていると・・・
「なんだお前らか」
「ヴァイト!」
「やめてよもう。びっくりするじゃない」
「えーと・・・何者?」
ネルセンとミンシアがホッと胸をなでおろす中、きょとんとした表情のヒューラにヴァイトのことを紹介する。
「うーんと、こちらは獣人族のヴァイト。で、こっちは私の親友のヒューラね」
「脅かしてしまったようですまん。ヴァイトだ。よろしくたのむ」
「私はヒューラ。よろしくね」
「なんかうやむやになっちゃったけど、俺はネルセ・・・」
「じゃ、そういう事でみんな再会できたことだし、ヴァイトの村へレッツラゴー!」
「なんか俺の扱い酷くない?」
「ミンシアもひよっ子の扱いに慣れてきたみたいだな」
「ヴァイトまで酷い!」
くすくすとヒューラが笑っている。納得できない表情のネルセンをよそに、ミンシアが元気よく踏み出そうとしたその時。
「あいつはどうするんだ?」
ヴァイトが見る視線の先には、先ほどの白い生き物がちらちらとこちらの様子をうかがっている。
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