【第七話】


前回までのあらすじ



近衛兵に見つかるミンシア御一行。

あいつらは何だ? 

と問われるミンシアがおどけてみせる所に、

矢が突き刺さる



「ふおおぉぉ! あっぶな!」



「見つけたぞー!」



「ミンシア、嘘はもっと上手につけってさ」



 ネルセンがミンシアを後ろ背に守りながらニヤリと笑いかける。



「そんなんじゃ・・・」



「やられたな。来るぞ! もう一波!」



 思わず伏せるミンシアとネルセン。ヴァイトの声と共に、カカカッ! と先ほどまで2人がいた地面に続けざまに3本の矢が突き刺さる。



「狙撃兵か。厄介だな!」



 そう吐き捨てて、ヴァイトが茂みに姿を消した。



「ヴァイト!」



「放っとけ! おっさんは大丈夫だ。それより走るぞ! 射程圏内に居ても、ただやられるのを待つだけだ!」



ストッ! ストッ! ストッ! 足元に矢が突き刺さる。馬のいななきと共に先ほどの近衛兵が猛然とこちらに突き進んでくる。



「ヤッバッ!」



足場の悪い森の中を、倒木をくぐり、邪魔な小枝をかき分けながら、一心不乱に駆け回る。



「きゃ!」



短い悲鳴と共にミンシアが石につまずいて倒れた。



「ミンシア!」



駆け戻りミンシアを助け起こすネルセンに向かって、追いついてきた近衛兵の剣が襲い掛かる。



「くあっ!」



ミンシアを包み込むように抱えながら力いっぱい飛び、何とか剣をかわす。が、倒れた二人の見上げた先には、剣を振りかぶり、力いっぱいに振り下ろさんとするもう一人の近衛兵の姿が!



(間に合わない! ミンシアだけは守らねば!)



ミンシアを抱えてうずくまるネルセンの下に、容赦なく剣が振り下ろされる!



ガッ! 鈍い音が周りに響いた。



「ネルセン!」



近衛兵が立っていた場所には、獣人化したヴァイトが立っていた。



「ヴァイト!」



「こんな時に何いちゃついてんだ、お前ら?」



「そ、そんなんじゃないよ!」



「だ、誰がこんな奴!」



思わず飛び退くミンシアとネルセン。



「思った以上に敵の数が多い。本気で逃げねぇと、これはやべぇぞ」



「さっきから結構本気なんですけどね」



「近衛兵二人は俺に任せて、お前らはさっさと先に行け!」



「ヴァイトは?!」



「お前らの臭い匂いでも、嗅ぎ付けて後を追うから気にすんな。ほら、また新手が来るぞ!」



「絶対だよ! 絶対追いついてきてね!」



「うっさいな! さっさと行かねぇと、オレも逃げれねぇだろうが! この馬鹿どもが!」



「ほら、おっさんの血管がぶち切れ無いうちに行くよ」



「おっさん言うな!」



 ミンシアとネルセンが駆けだす。その姿をしっかりと見送ってヴァイトが一声吠える。



「うおおおおぉぉぉぉ! 来いやてめぇら! まとめて俺が相手してやる」


ヴァイトが近衛兵に向かって突進して行く。



「大丈夫かな? 1人で」



「そう簡単にあのおっさんをねじ伏せられるような人なんていないでしょ」



「そうだけどさ・・・」


・・・つづく


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