スタッフブログを訪れていただいた皆さん、こんばんは。
月曜日担当のまえだです。
今日は、ウチのアイ子のコトを書こうな、って思います。
アイ子は、女性に年齢のことを言うのは失礼なので、詳細な年齢は伏せておきますが、まぁ、年齢に比べて大変お元気な方です。
彼女は、むかしむかし、上方の粋筋でいた人で、これまでの人生にとーってもたくさんの“こだわり”を持って生きてきているように私からは見えます。
彼女が使う香水は、いつもGERAN。
彼女が吸う煙草は、いつもGAULOISES。
彼女が好きなブランドは、いつもHELMES。
……。
彼女のワードローブを見ると、香水も煙草もスカーフも後、後5年は間に合うだろうというくらいのストックがされています。
そのこだわりぶりは、徹底です。「時には他にも……」と私が違うものを贈ってみてもやはり、自分の主義があるようです。
“あるようです”と言ったのは、これまでそのアイ子のこだわり部分の真髄に私は触れることもなく過ごしてきたからです。触れることは彼女の生きてきた芯の部分を聞いてしまいそうで。
今年のお正月、久方ぶりにアイ子の家に顔を出すと、ふたりで京都まで飲みに行こうということになりました。
これまで、私なんか絶対に連れて行ってくれなかった花街にあるバーです。京都のお店には良く言われる「一見さんお断り」という良い習慣があるのですが、こちらのお店もそんなひとつです。
こういう場所でのアイ子は、マネできないものがあります。GAULOISES独特の煙を燻らせながら、ウイスキーを背筋を伸ばして一気に飲むのです。男らしいっ!
バーカウンターで隣りに座ったアイ子の横顔を見ながら聞いた彼女ならではの“こだわり”。やっぱりそこには、これまで70年以上培ってきた彼女ならではのフィロソフィーがありました。その内容は、またの機会に。
最後の最後に聞いてみました。
「おばあちゃん、人に対してのこだわりもあるのかな?」
アイ子は
「半世紀以上一緒にいられる人がいはった人しか答えられへんのちゃいますか」。
アイ子の横顔は、煙草の煙の中で揺らいでいました。