ネット上ではいま、ラーメン二郎仙台店さんの話題で盛り上がっている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170310-00005823-bengocom-soci

 

堂上も何度か池袋店で美味しくいただいた経験がある。

ボリュームたっぷりが特徴の店なのだから、最初から小でいいじゃないか(笑)と思うのだが。

 

ひとつ事例を示そう。

その昔、堂上は荻窪の有名ラーメン店に行って、いきなり「ビールください」と言ったら「うちはラーメン屋だ!!」と怒られたことがある(笑)。プロの姿勢とはそういうものだと感心したが、それを「ホスピタリティーサービスに詳しい堂上に何を言うか!」と食ってかかるのはまったくの誤りなのだ。その店のルールに従うこと、そしてラーメン命の店主の意気込みまでをもスパイスに、その渾身のラーメンをたっぷりと賞味することのほうが、より重要だと考える。

 

その一方で、堂上はこの事例から思う、まったく別のこともあるのだ。

たとえば一般論として、700円前後でグランドメニューを提供する飲食サービス店舗に、高いホスピタリティーを期待するのはどうかと思う。それを望むならばホテルや高級レストランに行くべきだ。もちろんラーメン二郎さんにホスピタリティーがないということではない。これは業種ごとのプライスのすみわけ、分類というものだ。100gのスパゲティーでサービス料も含めて3,000円は必要な高級イタリアンと、700円のラーメン店を混在して認識してはならないという意味だ。その認識において、すみわけ・カテゴリーの越境は許されない。

(俺の~シリーズが出てから、一般の方にはそのあたり、以前に増してわかりにくくなっていると思うが、すくなくとも現在のウエディング施設においては越境認識はしてほしくないものだ)

 

そもそも超高級ホテルの館内レストランが、一般のラーメンチェーンやファストフード店と価格の面で張り合わない理由は何か?

それは人材=働くスタッフへの投資額がまったく異なるからだ。

だってホテルや結婚式場が自社の人材教育にいくら投資しているのか、皆さんわかっていないでしょう? わからないからコストパフォーマンスも、当然わからないはずだ。そしてぼったくりなどというネットの書き込みを安易に信じてしまう。

これは極論すれば、人にお金がかかっていて、それが料理単価にオンされているということだ。質の高いサービスを快いと思う人とサービスはまったく必要なく、がさつにお皿をテーブルにどんと置かれてもまったく構わない、安ければいいという人もいる。多様性はあっていいが、やはりホテルや結婚式場のサービスは、それでは許されない。

 

新卒を採用しようと思えば就活媒体に広告を出し、しかもわずかに採用した人員に、今度は1組350万円のお客様からクレームが出ないようにコーディネートできるまでの人材に育てるには、相当額の育成・教育費が投資されているのだ。

 

だから思うのだ。しっかりと質の高い、すくなくとも堂上も納得するサービスパーソンとなるための人材教育に資本投入したうえで、700円程度でラーメンを提供したら、それは早々に潰れてしまいますよ(笑)。どんなにお客さまが多い店でも、たぶん一杯3,500円はいただかないと無理。

つまり高級ホテルや高級レストラン並みの価格となる。

 

一方で、いわゆる「モンスター客」には敢然とNOという姿勢で臨むべきだと、堂上は常々思っている。

その意味で「二度と来ないでくださいね」は、今回の場合に限ってはそれほど行き過ぎた言葉とは思えないと堂上は考えるが、皆さんはどのようにお考えだろうか。