多忙のためしばらく更新できないでいるうちに、

芸能レポーターの大御所、梨元勝さんが亡くなった。


堂上は編集長時代に梨さんにお世話になった。

雑誌の企画でインタビューさせていただいて、それから「堂上さん、結婚式の司会のアルバイトをやってみたいのですが、紹介してください」と頼まれて以来の付き合いだった。


その後、この10数年くらいはほとんど行き来がなかったのだが、テレビや新聞で梨さんのご活躍を見るにつけ、相変わらずお元気でご活躍と喜んでいたのだ。


さて、結婚式の司会に関して、堂上はその後、認識を深くし、いまはこういう方でないとという理想像を持つまでに至っている。

梨さんが司会をされていた時代は、そういう意味で古き良き時代だろう。


ゲストハウスという新しいウエディングスタイルの登場によって、司会者の役割はそれ以前と比べ、大きく変わった。

つまり現場実況型のアナウンサータイプはもう通用しなくなり、大人のゲスト客層をいかにおもてなしするかをテーマに、でしゃばり過ぎないタイプが必要とされる時代となったのだ。


時にはユーモアやウィットに富んだトークも求められ、新郎新婦の良き姉御、兄貴分といったポジションで、温かく進行を司る裏方。

そして演出を理解し、決してムダな実況系の言葉を発しない。


わかりやすく言えば、

「さあ、後ろのドアをご覧ください。新郎新婦のご入場です!」

というのは、大人のゲスト客層相手には不要、いや耳障りですらあるのだ。見ればわかることをいちいち言葉にしない。高単価なゲストハウスや高級ホテルでは、そういう心得が必要である。

これを書き始めると単行本一冊くらいの内容になりそうなので、ここらで留めておく。


わずか数年間のお付き合いだっが、梨さんとの楽しい思い出は、いろいろとある。

麹町にあった時代の日テレ喫茶室で、堂上がこちらも芸能レポーターの大御所、元目黒区議の須藤さんと打ち合わせしていた時、たまたま梨さんが通りかがり、そのままおふたりが芸能界のぶっちゃけ話を始めた。「あのタレントのマンションは港区のどこそこで、張り込んでいるとやってきたのはナント、あの有名女優!」など(笑)、とてもここでは紹介できないコンフィデンシャルなお話ばかりだった。


梨さんはあの世でも突撃レポーターとして活躍されているはずだ。

ジャーナリストとして、どのように取材対象に接するべきかなども教えていただいた。

それを堂上が実践していくことで、供養とさせていただくつもりだ。