関西のあるホテルに勤める、ここでは仮にAくんとしておこうか。

Aくんから所用で上京するので、「前日の夜にお会いしませんか」と連絡が来たのが先日のこと。


そこで堂上は、最近熱心に通っている渋谷のある居酒屋ビルで、Aくんと久々に飲んだのである。


Aくんは現在、結婚準備中である。

奥さんが京都のゲストハウスで結婚式をしたいというので、京都のゲストハウスめぐりをしたそうだ。


その話は、リアル新郎新婦の体験談だけに、とても興味深く拝聴したし、時には専門家としての突っ込みも入れさせていただいた(笑)。


聞いていてぶっ飛んだのが、ある京都の和風ゲストハウスのプランナーのトーク。

「料理はどこに行っても一緒ですから」(重要視しなくても良い)と営業トークで話したそうである。

いやいや、違いますから(笑)。


おもてなしの最重要事項である料理に対して、そんな説明をする会場がいまどきあると聞いて、ガビョーンとぶっ飛んだ。

ロープレなどもやっているはずなのに、肝心のプランナーがその状態では、質があまりに低いとしか言いようがない。


当然ながらAくんは、その会場をバッサリと候補から消した。

“芸能人は歯が命、結婚式は料理が命”と、カップルの皆さんには覚えておいていただきたい。


別のゲストハウスでは、「ハードなどの雰囲気は良い(アンティークが多い)ですが…、見積書の宛名に【上様】と書かれていまして(笑)」

「【上様】って、暴れん坊将軍かっ!!」と、堂上が突っ込ませていただいたのは言うまでもない。


いまではその日に下見に訪れるカップルの名前をウェルカムボードに張って、あるいは席札まで用意して出迎える会場が多いというのに、大切な大切な見積もり書が【上様】では、レベルが低いという以前に、「ウエディングをまともにやる気があるのか」という話になる。

きちんと「○○さま・○○さま」としておくべきだ。


その他、京都らしい和のサービスを行なう会場や、和と洋が見事に融合した会場など、魅力的なところはいろいろとあったようだが、Aくんは、

「試食で食べたケーキのおいしさや、プランナーさん自体の感じの良さ」を判断材料に、あとは自分たちの予算と相談して決めたらしい。

さすがAくん、堂上がいつも言っていることを見事に実践してくれたのだ。


つまり、

応対してくれたプランナーが優秀、かつ感じの良い人であったか?

料理はおいしいか?

建物は大切なゲストをお迎えするのにふさわしいか?

自分たちの予算内の会場か?

極論を言えば、この4つの判断基準さえしっかり持っていれば、きちんとした会場に最短距離で決まるのである。