堂上が手持ちのデジカメで撮った画像とくらべると、プロは違うというのがはっきりとわかるカメラマンKさんの写真だが、

この5番目の画像が、なぜそれほどまでに素晴らしいのか?




婚礼ジャーナリスト  堂上昌幸BLOG-bossw-3


これは、その前段階の写真。

パーティーの余興として、クイズで正解を答えるまでバルーンが膨らみ続け、やがてそれが割れるという演出が行われていた。


と、突然、前回のカメラマンKさんの5番目の写真のシーンが訪れる。

堂上は会場の隅からこの光景を見ていたが、隣で見ていた島田社長に尋ねた。

「これは見事なサプライズですね」と。


何が起こったかというと、バルーンクイズの決勝戦で、もうバルーンが割れてしまうかという刹那、突如、新郎のお父さんが“乱入”し(笑)、パンチでバルーンを割ってしまったのだ。

会場は一瞬ざわめいたが、いかにも予定通りという風な(笑)落ち着いた語りで司会の桃井お姉さんが「あらあら、新郎のお父さまがバルーンを割ってしまいました。したがいまして、優勝者はなし、ということで商品は決勝に残った2組に贈呈します」とアナウンスしたため、すぐに静かになり、そのあと拍手が巻き起こった。


あとでBOSSに確認すると、ハプニングだったという。

新郎の結婚式まで酒断ちをしていたお父さんは、この日を迎えられた喜びと、最後にやってくる両家代表謝辞のスピーチからくる緊張感をやわらげようと、パーティー開始と同時に急ピッチで飲んでいた。

そして完全に、酔っぱらってしまったのである(笑)。


にもかかわらず、桃井お姉さんが手回しよく、2組に商品を贈呈といったものだから、会場のゲストたちも「サプライズか。最初から2組分の商品を用意していたのか」と思って拍手したのだ。


桃井お姉さんのこの冷静沈着で、なおかつ瞬時の判断。素晴らしい、ウエディングの司会者とは、こうありたいものだ。おそらくBOSSとアイコンタクトか何かで善後策を一瞬で協議したに違いない。


そして、このような想定外のハプニングにも対応し、きっちりと画像を収めているカメラマンKさん。こちらも素晴らしい。こんな時、ボヤボヤしているカメラマンは、テーブル装花などの小物撮影などに気を取られてたり、あるいは目撃していても、思考停止して瞬時にシャッターを切れなかったりするものだ。


そして、この写真は、新郎新婦やお父さん、ご家族にとってしばらくは思い出したくないシーンかもしれないが(笑)、きっと2年3年、5年10年経った時には、愉快で楽しい思い出となっているに違いない。時間とともに「あの時、オトーサン酔っ払っちゃって~」みたいな家族の記念写真と化してしまうのだ。


BOSSは語る。

「結婚式にハプニングはつきものです。事前にその芽を摘むのは当然ですが、百数十人の団体が酒が入ってしまえば、何か起こるだろうと考えて、それに心を備えることが大事です。そして、ハプニングこそ、実は最高のサプライズ演出にもなるのです。以前、ルミファンタジアの液体をキャプテンが誤って頭からかぶってしまったことがありましたが、瞬時に『そのまま出てルミファンの演出をしてくれ』と指示しました。光輝く宴会キャプテンが登場しただけで会場はおお受けですよ(笑)。ハプニングにより流れがかわったら、瞬時にその流れに沿う。そういう姿勢があれば、ハプニングまでも演出の一部として取り込めるということです」


このハプニングにおける演出論についても、いずれBOSSの連載でその基本構造や取り込み方などが明かされることだろう。


ともあれ、こうした瞬時の判断力なども含めたスタッフ力とチームポテンシャルの高さ。ライブで進行するウエディングパーティーには、それらのスキルが必要不可欠だが、それらを兼ね備えたスタッフを1つの会場ですべて揃えるのには無理がある。そこでパーティープロデュースのアウトソーシング化というプランも選択肢に入ってくるのだ。



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スタッフの打ち上げ会にて。左から島田社長、Oマネージャー、BOSS、Cooさん


(この項終わり)