日本のウエディングプロデューサーの草分けであり、日本のオリジナルウエディングのパイオニアでもある、オフィース・マリアージュの安部トシ子先生が、新しい著書を上梓された。
堂上のもとにも一冊、ご恵贈いただいたので拝読させていただくと、これまでの新郎新婦に向けたウエディングブックが取り上げなかった、心の問題をテーマにした花嫁サポートの本になっている。
たとえば、両親の離婚によって、家庭関係が複雑な新郎新婦、あるいはマリッジブルー、マタニティウエディングなど、それぞれのカップルの置かれた状況によって、ウエディングは否応なくその影響を受けてしまう。
ウエディングプロデュースの会社で、日常的にカップルの相談に応じている安部先生は、プランニング前のヒアリングの段階で、お客さまである新郎新婦の家庭環境や、これまでの人生によって積み上げられてきた人生観や趣味趣向などにも踏み込んで会話を持たれている。
そのことによって、より素晴らしい感動のウエディングプランニングが可能になるのだが、ある程度踏み込むため、悩み相談も兼ねるケースが多いようだ。
それらの体験から、ウエディングでは、「結婚式に向かう花嫁の心構え」や「なぜ結婚するのか?」など、心の準備、マインドの持ち方こそ大切と考えられて、この本を執筆されたのだろう。
会場選びもドレスも大切だし、招待したゲストを楽しませることも大事だ。しかし結婚する本人たちの「心」が幸せでなければ、その結婚式は成功とはいえない。
そのことを気づかせ、「心の結婚式」の準備を進めましょう! ということだ。
また、新郎新婦向けの本だが、新米プランナーにとっても良い教科書となりそうだ。
ふたりのマインドを大切にした打ち合わせ。すべてのプランナーがそうあろうとして努力しているのだろうけれど、時間的な余裕が持てず機械的にスケジュールを埋めていくだけの打ち合わせになりがちな現状。それは、ひいては自らのプランニングの壁を打破できない理由のひとつともなっている。
そういう意味で、プランナーの皆さんにも一読してほしい本ともいえそうだ。
「安部トシ子の結婚のバイブル」(アシェット婦人画報社)
セプンアンドワイなどネット書店でも発売中