年末に
パソコンの壁紙を
娘のウエディングドレスの
写真にした
休暇中だけのつもり
だったのだが、
未だそのままである
ファイルを
開けたり閉じたり
するたびに、
デスクトップの
まぶしい娘の姿が
目にはいる
きれいだ
本当に
きれいだ
なんてきれいなんだろう
これが
私の娘だ
あの日は
本当にあったんだね
今でも
夢だったような
気がする
きれいな一日だった
きれいな娘だった
写真を拡大してみる
瞳が輝いている
肌が輝いている
髪が輝いている
笑顔が輝いている
全身が輝いている
きれいだ
本当にきれいだ
でも、
もう二度と
みられないんだな
この日の姿は
もうみられないんだ
本物は
もう
見られないんだ
もっと
見ておけばよかった
見ていたんだけど
見ていたつもり
だったんだけど
足りなかった
もっと見ておけばよかった
もっと見ておきたかった
お料理も食べないで
誰とも
おしゃべりもしないで
ただただ
見ていればよかった
もっともっと
見ておけばよかった
そう思う
…
出張先のホテルで
デスクトップで微笑む
娘をみながら
ひとり
…
そう思う
そんな夜
ひとりの夜