私が日ごろ仕事で愛用している道具の一つに裁鋏(タチバサミ)というのがあります。
今使っているのはもう10年以上愛用の鋏。
鋏はとても繊細で、人に貸すと癖がつく、落としたら調節が狂う、空バサミなんてもってのほか
それに気をつけ、さび止めの袋にいれていたものの10年という歳月はそれを越して鋏をきれなくしてしまう。
以前から「職人」という言葉に弱い私。
そうだ!10年がんばってくれた鋏を研ぎに出そう
そういえば前にとぎに出したのはもう5年も前・・・。
そして10年の記念にもう一本鋏を購入しよう
出来るなら近場でいい鍛冶屋さんなんかがいたら最高
お茶でもすすりながら、職人さんの話が聞けたらこんな素敵なことはない。
職人堅気のおじいさんとかに研いでもらっている間、その職場の空気も目一杯吸い込んでこよう!
そんな妄想で一杯になり、色々と探しては見たものの、近くでは信頼できる鍛冶屋はない。
やっぱり下町の鍛冶屋にいくしかないかな~。
下町といえば夏がいい。
町の軒先には風鈴なんかがついてて・・・
あ~ほおずきもあったりしてさ~。
ステテコ姿のおじさんが歩いていてもそれも風流。
暑い中で職人さんが働いている姿を考えるだけで・・・
と、私の勝手な妄想は広がっていきます
ネットで調べてみると、欲しいと思った鋏は一丁60000円以上。15万円以上するものもある。
予算的にはかなりのオーバー・・・
うーん・・今はまだ手が届かないかな・・・。
とりあえず少しランクを落として次の10年の記念にとっておこうと思います。
でもそのうち・・いつか手に入れたい一品です。
とりあえずは今使っている正三郎と、長十郎(どちらも鋏を作った人のお名前です)に骨休めをしていただき
よみがえってもらおう。
こうやって長く長くお付き合いしていきながら自分の手にしっかりとつく鋏になっていくんでしょうね。
あ、そうそう鋏は最近寿命がとても短くなってるそうです。
理由は化学繊維が増えたということらしい。
シルクなんかには天然の油が入っているから鋏がさびにくかったり、天然繊維だと静電気もおきず歯が痛みにくかったんでしょうね。
そういえば昔、付き合っていた彼に
「誕生日、何が欲しい??」と、甘い声で聞かれ
「アイロン」
と、答えてかなり引かれたのを思い出します・・・。
もし、今だったら・・・
迷わず 「鋏。あ、26センチ 総火造でお願いします」
と答えそうだ・・。
私の色気はどこに行ってしまったのでしょう・・・