傘を見るといつも思い出すことがあります。
私を「小林」と呼ぶ唯一の人たちがいるのですが、
それは高校時代の剣道部。無二の友人とはこの人たちのことだと思っている私ですが、
その中でも仲がいいRuuは、剣道部の主将であり親分肌で人情味のある尊敬すべき友人。
もう4,5年前のことですが、いつも強気なRuuから電話
電話口の声はいつになく元気がなく、弱々しい。
「どうしたの??何があったの??」
と聞くと
「小林・・・私失明する・・・・」
と。
そのときの私の頭の中は色々なケースを考え、ものすごいスピードで回転
事故にあったのか、誰かに薬品でもかけられたか、それとも今まで気付かなかった病が・・・
そして真相は・・・・
彼女は大豆アレルギーだった。
それを知らずに豆腐を食べていた挙句、コンタクトをする前にあらった化粧水のようなもので目がかぶれ、目が開かなくなってしまったとの事。
取りあえず直るものだということで安心
でも、考えてみれば年頃の私達。
親にいえない事情や秘密も・・・・
目が開かなくメールも見れないということになると、まずいことも・・・
これはまずい!!
そう思い立った私はすぐさま彼女の家に
そしてそこで見たのは、無残に晴れたRuuの目。
心配で泣きそうになった私にRuuは
「こんなんじゃないくらい腫れてたんだから!みてよこの写真!」
と、写メールをみせる。
・・・・じ、自慢ですか・・・???そんなに暇だったの??それとも記録??(笑)
とりあえずお風呂に入れたり身の回りの世話をしていると
「あ、小林。犬の散歩もお願い」
そうそして彼女が手渡したものは・・・・一本の傘
雨。。降ってないですけど
「とりあえず棒を持ってれば大丈夫でしょ?念のためもう一本もっていく~??」
・・・・うなずくしかありません。
その言葉に圧倒されながらも傘を構えてみると、なるほど安心する。
コレなら誰か来ても倒せる・・・そんな気がしてきた・・・。
そう思い、夜道に傘を振り回しながら犬の散歩にいったのでした・・。
私にとってRuuは戦国時代で言えば「殿」
殿のためなら何でもできるとおもってしまうのです。
そんな風に思えるほどRuuは魅力的で、思いやりの深い女性なんです。
私が以前入院したときも、真っ先に飛んできてくれたり失恋したときはデート計画を立てて私を連れ出してくれたり。
殿と呼ぶに値する尊敬できる女性。
多分、彼女のために何かできることが嬉しいんですよね。私。
次回彼女に何かあったときは傘を持参で、参戦しようとこころに決めた私は、この季節傘を見るたびその決意を
さらに強くするのでした。