36.ヤマクロ醤油(香川県) | 全国いろいろ発酵食品

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全国の発酵食品を発掘してみたいと思います!

香川県小豆島は醤油のまちとも言われています。

なぜ醤油のまち?

今では減ってしまった木桶作りを未だ続けているのも特徴です。

香川県は醤油生産量5位ですが、香川県の約半数が小豆島で作られています。小豆島はそのほかにもオリーブ・素麺・佃煮なども有名ですね。

 

小豆島は瀬戸内海に浮かぶ島で、人口2万6194人(2019年度推計)ほどです。2つの町からなる大きとは言えない島で香川県の半数の醤油が生産されているのは注目すべき事ですね。

 

ヤマロク醤油では、創業当初より150年は経過しているといわれる約6000リットルの大杉樽を使い、昔ながらの醤油造りが今も行われています。現在では少なくなってきている木桶作りの味は古くから木桶に生息している乳酸菌や酵母が働きをしてくれます。この自然の環境を大切にしているのですね。

 

鶴醤(つるびしお)はヤマクロ醤油の代表作です。

「再仕込み製法」を用いて造るこの醤油は約2年の熟成期間を経て完成した生醤油を、もう一度樽に戻し、再び原料(塩以外)を加えて、もう2年ほど仕込む二度仕込みます。

 

何と長い年月をかけて熟成・仕込みがおこなわれているのでしょう。深いコクとまろやかさがある醤油です。

 

醤油は発酵食品の一つですが、発酵食品とはその名の通り発酵している食品になります。

 

ではそもそも発酵とは何か?

「基本的には嫌気的条件下で微生物の活動によって有機物が分解されて他の有機物になり人間によって有益な物質になること」とあります。

 

それに対して腐敗とは何か?

微生物の関わりで出来る有機物には変わりありません。

そう、文化と風土とそこに住む人々の価値観で変わってくるのです。同じものでも腐敗にもなれば発酵にもなります。

 

発酵というとからだに良いイメージを持つ人も多いかもしれません。発酵は微生物の働きです。これに関わる微生物は大きく分けて3つ(+1)。

●カビ

●細菌(バクテリア)

●酵母(イースト)

●麹菌

 

細菌は主に乳酸菌・酢酸菌・納豆菌・酪酸菌などがあります。

乳酸菌ひとくちに言っても数百種類があるといわれています。

酵母菌は主にパン・ビール・日本酒・味噌・醤油の酵母です。

 

酵母にはサッカロミセス属が有名ですが、サッカロミセス・セレビシエはアルコール発酵を行う酵母で、清酒・ワイン・パン・ワインなどに使用されます。それに対しサッカロミセス・ルーキシは耐アルコール性がありません。耐塩性があるため味噌や醤油の製造に使われます。醤油が発酵過程でお酒にならないのはこのためです。

 

醤油に発酵に必要な種類は乳酸菌・醤油酵母・醤油麹菌ですが、これのどれが抜けても醤油にはなりません。

微生物が活動によってできるものが発酵ですが、微生物がすみやすく活動できる環境は決まっているのですね。