カウンセリングに初めて行った。

 

いつだったかは覚えていないけど、パニック障害だと知り服薬を始めて、しばらく経ってからだったと思う。

 

一回8000円とかするのね。

カウンセラーは何人かいて、受付もいて、外観は病院ではなく一軒家。

一軒家がカウンセリングの場所で、おしゃれで室内も居心地は良い。

一回目は面接みたいなやつで、現在の状況だったり経歴だったり家族構成を話したりした。その後担当が決まり二回目にカウンセリングが始まる。

女性の方だった。

優しくてお綺麗な方だった。なんでも話を聞いてくれた。

三回目、四回目、五回目・・・

なかなか話が前に進まない。

二回目の時に思ってしまったのは、

「え?この前話した事をもう一回話しただけだったよね・・・?」

それでも8,000円払う。

そうか、カウンセリングって保険使えないとはきていたけど、なんだろう、私来る必要あるのかな?

 

そこで得たものは、自分を落ち着かせることが出来るものを見つけることが回復につながるのではということ。

読書、音楽、カラオケ、映画などなど。

私には何があるか分からなかった。

そんなこんなである時、インスタグラムでパニック障害だということを、ふと思い立って公表した。そしたら、当時はまだ二人でも遊んだ事もない友達の友達だった、現在の親友からメッセージが届いた。それをきっかけに私は彼女と会うようになり、色々と話すことも増えた。自分を落ち着かせられるものに出会わせてくれたのは彼女だった。

 

それが何かはまたの機会に。

 

そして夢中になれるものを見つけた私は、少しずつ落ち着いてきたのと同時に、高いお金を払って通っていたカウンセリングに、不快感や不満を抱くようになってしまった。

多分話を聞いてもらうだけで他にメリットがなかったから。

ここに来ている人達は、これでもここに来て話をしていかないと辛いんだろうなって思った。私はもう平気なんだろうなって思った。だから思い切って通うことをやめることにした。

 

それからどれくらいだったんだろう。最初に通ってた心療内科の先生が、突然の他界。

他の心療内科は受付の対応にブチギレて診察前に終了。

次になんとか通うことになった心療内科の医者とは、相性が悪く?ぼったくりみたいなところだったからやめて。

怒りに任せて断薬したものの、2、3日で耐えきれず・・・

紹介してもらったとあるメンタルクリニックへ通うことになった。

 

これが、過去の私の忘れていた記憶を思い出すきっかけになった。

 

 

診察前にカウンセリングを行うクリニックで、院長の他にもカウンセラーや医者がいる。

受付の方の対応もすごく良い。

心療内科ってこうだよね・・って思った。

カウンセリングの先生は男性だった。

ここでも家族構成やら、小さい頃のことなど話をする。

前回行っていたカウンセリングよりも、圧倒的に引き出し方が上手い。

私はなんでも話した。

一つ一つゆっくり、振り返りながら、思い出しながら。そしたらさ、思い出したくなくて忘れていたこととかも出てくるのね。びっくりした。

 

その中から一つ。

 

男性に対する恐怖心や軽蔑の気持ち。

 

それは幼少期の経験がやっぱり大人になっても引きずること。

思い出してしまったことによって、自分のことすら気持ち悪くなった。

「それでも男性とお付き合いすることは、平気だったんだね?」

って先生が一言。私は結婚もしてたし、子供も二人いたから。

 

え?そっか、よく考えたら気持ち悪いよな・・

でも私にとってそこまでのことでもなかったのかな・・

いや、でも、、

 

 

 

小さい頃、近所にいつも優しくていつも遊んでくれるお兄ちゃんがいた。

たくさんのチビたち相手に遊んでくれる。

私あの時何歳だったんだろう?

まだ未就学児だったんじゃないかな。

抱っこしてもらって嬉しかったの。だけど私はその時性的いたずらにあっていた。

そんなこと、分かるわけもないんだけど、不快だったことはすごく覚えてる。

正確に言うと思い出したんだよね。

だけど不思議なことに、そのお兄ちゃんの事を中学生になった私は「好き」とか「かっこいい」とか、思うようになっていた。大学生のお兄ちゃんに憧れていた。

どういう流れだったかは覚えてないけど、お兄ちゃんの家に行き、お兄ちゃんの部屋に二人になることがあった。その時今で言う、バックハグをされた。まあ、かっこよく言えばだけど。きっとそのお兄ちゃんは、子どもの時から変わってなかった。というか、どこかで何かを間違えて、性的ないたずらをするようになったのかもしれない。

それは家庭環境だったのかもしれないし、変に知識だけが手に入り誰でもいいから触ってみたりしたかったのかもしれない。どんな理由にしろ、これを打ってるだけで吐き気がしてくる。

流石に、何も免疫もなければ知識もない私は、怖いと思い、嬉しいとかキュンとかそんな感情は一切出てくるわけもなく。離れた。

お兄ちゃんも焦ったのかもしれない。「ごめん、ごめんね」って何回も言ってたけど、何も考えられず帰った。

親にも友達にも誰にも言ったことはない。

お兄ちゃんが捕まるかも。怒られるよね。パパは殴りに行くかも。

私が騒げばそうなる。中学生の私は色々思っていた。誰にも言わなかった。

お兄ちゃんにはもう関わらないと決めた。その後会った記憶はない。

近所なんだけどね。ありがたいことに生活リズムも全く違ったんだろうね。子どもと大人だから。

 

 

ここまでのことはカウンセラーには言えなかったけど、全部はっきりと思い出したんだ。

 

これを思い出したのは痴漢にあったことがあることを話したから。

 

痴漢にあったのは小学生の頃。

スーパーの洋服売り場で、グチャグチャになってる洋服を定員さんの真似をしてたたみ直していた。近くには視界に入る距離で、弟も母もいた。

そこに怪しい男が来て、そいつが痴漢だった。

なんでだろうね、言えなかったんだよ。お母さんにも。騒ぐこともできなかったんだよ。

それからというもの、私はただひたすらに痴漢から母を守った。

電車でも混雑する場所でも、目を光らせ、変な奴が近付いてこないか見張っていた。

 

コートを開いて見せてくる奴や、車から窓を開けて見せてくる奴にも出くわした。

小学生の頃は恐怖だったけど、高校生になった時には、不思議と幼少期のこの記憶はあまりなく、スカート覗きの気持ち悪いオヤジがいても、またいるよーキモって話したりして、笑ったりして誤魔化してた。

それから彼氏もできたし、結婚出産まで、男性恐怖症とかにはならずに過ごしていた。

 

 

でもね、大人になってさ、30過ぎてさ思い出したらもう忘れられない。

それに私も私で気持ち悪い。

いろんなことが気持ち悪い。旦那のことも気持ち悪い。

汚らわしいし、何の為とかも分からない。

理解できない。

そしたらもう、旦那のことも拒否するしかなくなった。

吐き気がするし、匂いも嫌だし、男という存在が嫌になった。

 

幼少期とは、本当に大切な時期なんだ。

記憶はどんどん薄れていくけど、完全には忘れてない。

大人になってそれがきっかけで、メンタルに支障をきたすこともあるんだと。

 

カウンセリングは人を癒すし助けとなるけど、時として出てきて欲しくなかった記憶までも出させてしまう。カウンセラーには感謝している。今ここで私はこんなに赤裸々に話せるようにまで回復した。性に対しても受け入れられるようになっていている。正しい性教育が日本にはもっと必要であること。決して汚らわしいことではないこと。少しずつ私も勉強していかないとなと思うし、きちんと伝えていきたいと思う。

自分の感情にももっと素直になり、ありのままの自分を生きていきたいと思う。