

脳卒中・脳梗塞ランキング
‐年齢と筋肉の関係と入院中の筋肉の萎縮・減少
筋力は加齢とともに低下し、筋肉量や筋力の減少は「サルコペニア」と呼ばれます。サルコペニアは高齢者の活動能力低下を招く大きな原因として注目されています。

参考図→サルコペニアとは‐健康長寿ネット
⑴ 筋力低下が進行する仕組み
① 30歳以降は年間約1%の割合で筋肉量が減少する
② 65歳以降(女性)、70歳以降(男性)は筋力の低下がより顕著になる
③ 70歳以降は筋肉量の減少が年間3〜5%に加速する
④ 加齢とともにタンパク質を合成する機能が低下し、筋肉の量が減少しやすくなる
参考例‐18~39歳の数値を100%としたとき、65歳以上では、男性も女性も体重はほぼ横ばいだが、筋肉量は10%以上減っています。
年齢が上がるにつれて筋肉量が減りやすいため、若いうちに筋肉量を高めておくことと、40代以降は筋肉量をできるだけ減らさなようにすることが大切です。

参考図・文→タニタ・筋肉量の低下スピードを落とそう・フレイル博士のコラム

参考図→市原市議会議員ますも誠二の救命ブログ‐1

⑵ サルコペニア(筋肉量や筋力の減少)による影響
① 日常生活の基本的な動作に影響が生じる
② 介護が必要になったり、転倒しやすくなったりする
③ 各種疾患の重症化や生存期間にも影響するとされ
⑶ サルコペニアの予防・改善方法
① 抗重力筋のような日常生活で使われる筋肉を普段からトレーニングしておく
② レジスタンス運動やスロートレーニングが効果的
●レジスタンス運動→筋肉に負荷をかける動きを繰り返し行う運動→レジスタンス(Resistance)は和訳で「抵抗」を意味します。
レジスタンス運動の種類→自重(自分の体重)トレーニング、マシントレーニング、ゴムチューブを利用したトレーニング、 腹筋、ダンベルなど負荷量を調整して行う
参考図→レジスタンス運動・ASPトレーナースクール
●●スロートレーニング(スロトレ)→ゆっくりとした動作で筋肉に負荷をかけるトレーニング方法→筋発揮張力維持法とも呼ばれ、ウエイトトレーニングの一種です。比較的軽めの負荷であっても、ゆっくりと動作することで大きな筋肥大・筋力増強効果を得ることができます。関節や筋肉にかかる負荷が小さいことから、安全に行える効果的なレジスタンス運動でもあります。動作中に力を抜くことなく、終始力を入れっぱなしで動作をするということです。これを筋発揮張力維持法と言います。分かりやすいイメージとしては、何もないところに椅子に座っている姿勢をとって維持する「空気椅子」というものがありますが、この空気椅子に座った状態を維持しながらトレーニング動作を繰り返すような感じになります。
スロートレーニングではいろいろな動作方法が提唱されている。「3~5秒程度かけてあげて、3~5秒かけて下げる」という動作が一般的です。
③ 緑黄色野菜や大豆製品をほぼ毎日摂取する
参考文→グーグルAI
⭕️この加齢による筋肉量の減少に付け加えると、脳卒中(脳出血・脳梗塞)経験者は入院中に筋肉の量が減少してしまいます。
①上腕部→麻痺側18% 健側(非麻痺側)10%
②太もも→麻痺側13% 健側(非麻痺側)12%
③背筋→麻痺側9%
④腹筋→3%
⑤腸腰筋(脚を振り出す筋肉) →6%
参考図→YouTube【2週間でこれだけ減る!】入院中の脳卒中患者様107名から明らかになった筋肉の萎縮度合い・脳と脊髄リハチャンネル
だそうです。
私が何度も言うように、
脳卒中(脳出血・脳梗塞)の後遺症の運動障害を完全回復に導くためには、
【線維化・拘縮+老化】 VS 【筋肉を解し柔らかくすること】
との競争であり、戦いといった意識で臨まないと脳卒中の後遺症の運動障害からの完全回復は困難だと考えています。入院中にも筋肉の量が減少していますから尚更です。
目指すはアスリート並みのしなやかな筋肉です。
「普通に元に戻るように頑張る」という意識レベルでは無理だと言うことです。
まとめると、
入院生活・老化・加齢が脳卒中後遺症の運動障害からの回復を邪魔をしています。
最初からある程度動く脳卒中経験者の軽度〜中程度(=脳からの運動指令が出て最初から動く)の人は、脳からの指令が出ない期間が短い、又はないので痙縮は軽く・拘縮は殆ど無いに等しいでしょう。よって、現行のリハビリで回復すると思います。
You Tubeで回復した動画などがありますが、殆どの症例は発症直後から、ある程度麻痺側の手足が動く軽度〜中程度の脳卒中経験者だと思われます。
一方、最初は全く手足が動かすことが出来ない車椅子状態の完全片麻痺の私のような人は、脳からの指令が出ない期間が長いので痙縮・拘縮が進行して麻痺側の手足を動かすことが出来なくなってしまいます。
先ずは筋肉を徹底的に解し柔らかくすることで、麻痺側の手足が動き易い環境にすることが脳の可塑性を引き出して、その後に反復動作訓練や歩行分析による歩行訓練を行うと良いと思われます。