何の種?  2話 | 描きたい放題 !

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「鬼ごっこする人 この指 止~まれ!」



何人かの子供達が 公園に集まっていた





「ジャンケン ポン」



「や~い  神楽の負けな」




「ムムゥ」



「みんな 鬼は 神楽だぞ  早く逃げろォォォ」




「1.2.3.4.  ...... 10」



「待つ アル!」



「わー」  「きゃ~」



子供達は 神楽に 捕まるまいと 必死で逃げ回る



しかし 足の速い神楽は


今にも 友達を捕まえそうだった




その時



(いた いた)



「おーい チャイナ!」


「うん? 誰アルか  呼んでるのは・・・   あっ・・・」




「何アルか  サド」



「お前に 任務を言い与えらァ」


「はぁ?」



「ここに 植物の種がある  これを お前が育てろィ」




神楽は 怪訝な顔をして


「何 言ってるアルか お前」



「いいから  これを育てろィ」


「何で 私が」



「万事屋だろ」


「報酬くれるアルか?」



「・・・・ どうせ 暇なんだろィ」


「・・・ 暇なのは 私のせいじゃないアル」



「・・・・・」


「・・・・・」





「とにかく  それ 姉上から貰った 大事な物だから


  しっかり育てろよォ」




そう言い残すと 沖田は 神楽に 種を押し付け去って行った






(大事な物なら  自分で育てればいいアル・・・・)








神楽は 家へ帰ると


さっそく 貰った種を プランターに埋めた




「一体 これは何の種アル?」




自分が 何を埋めたのかも わからないまま


その日が過ぎていった





次の日   朝目覚めると


一番に 水やりをしようと プランターの所までやって来た







  !?!   「なっ 何アルか!」


  思わず 叫んでしまう




プランターは ひっくり返り  土は はみ出していた




  その側には・・・



  手足が 泥だらけの定春が



「 むかっ  定春ぅぅ・・・  むかっ


    何やってるアルかァァァ  むかっ



どうやら 定春は 何を思ったのか


プランターに 手足を突っ込み 土をかき出してしまったらしい




「もう  また埋め直しアル」



埋め直しながら 神楽は 定春に向かい



「今度やったら  ご飯抜きアル」



神楽の怒っていることが  わかったのか


それから 定春は 大人しくしていた





 何日も 水やりをし  発芽するのを心待ちにした




  やっとのことで 芽が出て来た



「これ 何の植物アルか?」


考え込んでいると  そこへ銀時がやって来た





「何してんだ?」


「あっ 銀ちゃん  やっと芽が出たアルよ


  しかし 何の芽か わからないアル」



「これって・・・」


「知ってるアルか!」



「・・・いや  見覚えはあるんだが・・・  わからねぇ」



「一体 何アルか・・・」


「まぁ もうちょっと育てれば わかるんじゃねーの」


「そうアルな」




それから 植物は どんどん育っていった



花が咲き始めた頃


やっと 何の種だったのかが わかった




「苺の種だったアルか」



たくさん咲いた 花の中で


一つだけ 大きな花があった



「この花が 一番に実を結びそうアルな」



神楽は 早く実がなることを祈った





実を結び  赤く色づいた頃



「おっ!  苺なってるじゃねーか  (≡^∇^≡)」


「さっそく いただきま~す」




銀時が お先にとばかり


第一号の苺に 手をかけようとした




「だめアルゥゥゥ  むかっ



「うぉ!」



いきなりの大声に 驚く



「何だよ神楽  これから たくさんなるんだから


一つくらい 貰ったっていいだろ


俺が 苺好きなの 知ってるだろ」




「・・・ 銀ちゃんも 食べてはいいアルが・・・」



「?  いいけど・・・何だ?」



不思議そうな顔で 神楽を見る銀時



「その・・・  最初に出来たのは 食べないでほしいネ・・・」


「何で?」




「・・・・渡し・・・・    ゴニョ ゴニョ」




「あの・・・・神楽


  そんな 口ごもったら  何なのか わかんねーんだけど」



「とにかく その苺はだめアル!」



「あ~  わーったよ」


つまらなさそうな顔をして  銀時は消えて行った




神楽は  苺を摘むと


優しく袋に入れ  どこかへ出掛けて行く












真選組屯所



   中を覗き込む 女の子が一人





  !  「あれ  万事屋の所の・・」


山崎が 門の前にいる神楽に気付いた




「どうしたの?  何か用事?」


「・・・ あいつ  いるアルか・・・」


「え?  あいつって?」



「あいつって言ったら   あいつネ  むかっ



「・・・ あっ  もしかして沖田隊長のこと」



「ここに連れて来るアル」



「・・・・うん  ちょっと待ってて」






「沖田隊長ォ~」


「何でィ ザキ」



「門の所に  あの子が来てますよ」



「あの子?」



沖田は 門の方に目を向けた



「何でィ   チャイナ」



神楽の側まで  やって来た



持って来た袋を 沖田に差し出し




「任務完了したアルからな」



と  一言だけ残して


神楽は 帰って行った




「何でィ アイツ?」


訳がわからないと思いつつ


袋を開けて見る



「苺・・・   任務・・・・」



(そうか あの種は 苺だったんかィ



 しかし 何故に一粒?)



沖田は その一粒を 口に放り込むと


「甘めェ」


と 微笑みながら言った




神楽が 最初に出来た苺は


沖田へと 思って 持って来たことは 気づいていないようだが



苺の甘さが  神楽の頑張りを物語っていた





             終