帝王切開
11月15日
決戦は金曜日
思ったよりは眠れたかな。
しばらく髪の毛も洗えないので、朝シャワーを浴びて、しばらく帰ってこないおうちに別れを告げていざ病院へ
帝王切開は普通前日入院だけど、私の病院は当日。今思えば当日でよかった
いつものベッド、隣にはいびきをかくゆうじ君がいる安心感。
ただ、夜中ひどく喉が渇いたのに何も飲めなくて発狂しそうになって。氷を口の中に含ませて溶かして飲まずに捨てる
ほんときつかった。
病院に朝一で着いたらなんだかバタバタしてる。どうやらお産が立て込んでるらしく、入院する部屋もいっぱいだそう。
まずは最後に赤ちゃんの向きを確認するも、やはり逆子のまま。
そしてゆうじ君を放置し、言われるがままに処置室へ。
って処置室じゃなくて、ここ、分娩台じゃん!!みたいな
陣痛室も空いていなかったらしく、私はなぜか分娩台の上へ。
手術着に着替え、剃毛をしてから浣腸。浣腸ってすごいのね。すぐにお腹が痛くなって、トイレからなかなか出られなかったくらい。
でも下ってるし、スッキリ感はなく、全部出たのか少々不安ですが。
足にはひざまである医療用ストッキングをはかされました。足に血が溜まるのを防止するためのものだそう。
2台あるうちの1台の分娩台でお産が始まる。苦しんでるママさんの声をカーテン一枚ごしに聞くなんて耐えられないです。
というわけで、ようやく陣痛室へ移動。ここでももちろん隣のベッドには陣痛に苦しんでるママさんがいたけど。
点滴の準備をされて、麻酔を効きやすくする飲み薬を2錠飲みました。この薬を飲むと、頭がボーっとしますから、と看護師さん。
またまた部屋を移動して、今度はテレビやソファーもある個室の陣痛室へ。結局、この日私はこの部屋に泊まることになりました。
すこーし眠くなりつつ、部屋にはゆうじ君、お母さん、ゆうじ君のお父さんお母さんまで駆けつけてくれていました。
どんな会話してたかな?
正直あまり覚えてない
でも、呼ばれるのを時計をチラチラ見ながら待ってたんだと思う。
ドキドキしながら。
カバンの中にずーっと入れてた安産お守り。手術前にゆうじ君に渡して持っててもらおうと思ってたのに、忘れちゃった。
そしてお迎えが来る。もうここまで来たら不思議と怖さは消えていたかも。
実はすでにこの時、私の意識は朦朧としていて。手術室までどうやって行ったのか覚えていなかった。ゆうじ君にあとから聞いたら自分の足で歩いて行ったんだって。
「行ってきます。」って言ったらしい。
手術室。ベッドは1台だけ。

まずは肩に注射の麻酔を打たれる。この麻酔すら痛いし。
手術室には院長先生と助産師さんが数名。つけていたメガネを外して預けないといけなかったので、目の悪い私には全然見えなくて。
副院長先生はまだ来てない。12時で午前の診療が終わるはず。すでに12時10分くらいだったかな。
体を思い切り丸めて恐れていた背中に注射をしました。これが痛いって聞いてたの。痛い思いをしたのになぜか針が入らない
頭がボーっとしながらも、「院長先生、しっかりしてよ!」と心の中で思ってた
4回くらい刺され、それでも入らなかったので、新しい注射で試したら一発
5回も痛かった
その後、酸素マスクをつけられ、手術着も脱がされ、私の胸の前にはカーテンのようなもので仕切りがされ、胸より下が見えなくなっていました。
導尿の管を入れられたけど、違和感はあったもののすでに麻酔が効いてたから痛くはなかった。
そしてようやくいつも検診を担当してくれていた副院長先生が到着。
院長先生は、「この部屋暑いね。」って言ってたけど、私は怖いのと、麻酔のせいで震えていたのが自分でも分かりました。
私の右手を握ってくれていた助産師さん。「赤ちゃんが生まれたらね、身長を計ったりしないといけなくて、その時はここを離れるからね。」と。
多分手が離れて私が不安になるといけないから先に言ってくれたんだと思う。
本当だったら普通分娩で、この手を握ってくれるのはゆうじ君だったのにな、って思った。
それでも誰かに手を握ってもらえている安心感はかなり大きかった
目も見えなくて、どの助産師さんだったか結局分からず退院しちゃったけど、ありがとうございました。
その後、院長先生から何度も「これ、痛くないですね?」と麻酔の効きを確認される。多分つねったりひっぱったりしてたんだと思うけど、すでに感覚はなかった。
「痛くないです。」と答える。
もうこの頃には眠くて眠くて意識が本当に朦朧としてきてました。
「それでは始めます。」と、ドラマみたいなことを言われるのかなと思っていたけど、それはなくて気づいたら始まってたみたい。
私としては、宣言されると怖いなぁと思っていたから、何も言われなくてよかったと思った
なんとなくお腹あたりで何かをされている感覚を遠くの方で感じながら、多分10分くらいが過ぎたのかな。
気持ち悪い感覚、とも思えないくらい意識はなかった。
全身麻酔じゃないのに、ほぼ私には全身麻酔並みに効いていたみたいでした。
「お腹ちょっと押しますね。」なんて声も聞こえた気がする。
途中掃除機みたいなウィーンっていう音も聞こえてた。何を吸ってるんだ????
赤ちゃん????
そんなことを考えながら多分一瞬意識が飛んでたと思う。
そんな中、、、、。
ついに、、、、。
オギャーオギャー。
朦朧としていた意識がこの時だけしっかり戻りました。
思っていたよりも小さな泣き声。
あれ、赤ちゃんってもっと大きな声で泣くんじゃないのかな?
でも泣いてる。
息してる。
助産師さんがメガネをつけてくれて、赤ちゃんを見せてくれた。
一瞬だったし、酸素マスクの上にメガネだからズレてたし、あんまり見えなかったけど、でもそこには赤ちゃんがいました。

わぁ。
そう思っただけ。
声もかけられなかった。
初めて見た時、なんて声をかけるかなぁって何度かシミュレーションしてたのに。
見るのが精一杯だった。
見せてもらえた時間も本当に一瞬だったみたい。
この後のことはもうほとんど何も覚えてないのです。
なぜなら全身麻酔に変わったから。
でも覚えていることが一つあって、院長先生が「子宮が薄いね。」と言ってたこと。
多分この時縫合されてたんだと思う。
そして、次に意識が戻った時、ちょうど手術室から担架で運ばれて部屋に戻る時でした。
手術室から出た時に、みんなの顔が見えた。ボーっとしながらも、一安心
みんなこうやって心配でずっと立って待っててくれたんだって。

ありがとう。
赤ちゃんが生まれてから、だいぶ経ってから私が出てきたみたい。
何人かでベッドの上に寝かされた頃に意識がだいぶ戻ってきました。
ゆうじ君のお父さんお母さんは私の無事を見届けてすぐに帰ったそう。
部屋に戻って、足にフットポンプをつけられたり点滴をつけられたりの処置が施された頃、お母さんも帰宅。
ゆうじ君と二人きりになる。
この時何を話したかなぁ。
やっぱりまだ頭がボケーっとしてたような
ゆうじ君もちらっと赤ちゃんを見ることはできてたみたい
でも二人ともまだ抱っこもしてあげられていないし、この場に赤ちゃんはいないし、どこか父親母親になった感じはなくて不思議な感じだったなぁ
その後看護師さんから赤ちゃんが保育器に入ったことを聞かされました。

小さかったから?と思ったけど、そのことは特に触れられず。
看護師さんが言うには、赤ちゃんがたまに呼吸をするのを忘れてしまう時があるから念のため入れておきますね、とのことだった
呼吸忘れるって
でも生まれたての赤ちゃんにはたまにあることだそうで。
肺の機能が一番最後に出来上がるからまだ未熟だったりするみたい
赤ちゃんは二週間早く生まれたわけだし、体の大きさも小さかったからね。
いつ出られるかな?
五体満足かな?
指は5本ずつちゃんとあるかな?
早くまた会いたいなぁ
麻酔が切れたらどれだけの痛みがやってくるんだろう。
怖いなぁ。
でも

赤ちゃんもちゃんと出てきてくれたんだし、手術にも耐えられたんだからもうここまできたらどんな痛みにも耐えられる気がする
大丈夫
あれだけ怖くて仕方なかったのに、手術が終わったらもうこんな気持ち
まだ母親歴数時間だけど、母親って本当に強いなぁと思えました
明日からどんな毎日が待ってるんだろう?
小さいながらも元気に生まれてきてくれてありとう
お腹に出来た15センチの傷は私の勲章だね。
今日の日をいつまでも忘れずに、大切に大切に育てていきます。