こんにちはおねがい今日も由希絵の『歴史の窓』へようこそ!

今回も前回の続きで、源氏物語を描いた漫画「あさきゆめみし」を読んだ感想を思うがままに語りたいと思いますニコニコ

 

私はこの源氏物語の中で『紫の上』というキャラクターが一番好きで、読みながらずっと彼女に感情移入していましたラブラブ

特別な理由はなかったのですが、読んでいるうちに自然と彼女に一番惹かれていったのですラブラブ

 

彼女はとても美しく、ちょっと甘えん坊ですが愛らしく、子供好きで聡明な女性で、源氏の理想の妻として光源氏から最も寵愛され、葵の上という正妻が亡くなった後はほぼ正妻という扱いで、光源氏から最も大切にされた女性でしたおねがい

 

一時は光源氏が明石に流刑にされたときに知り合い、彼との間に子まで成して都に呼び寄せた「明石の君」にとても嫉妬するのですが、やがて明石の君の姫君を養母として自分の手元で育てるようになってからは明石の君の哀しみを理解し、よい友人としてお付き合いできるようになり、だいぶ女性遍歴もおちついてきた光源氏とこのまま幸せに暮らせるものと思っていました。

 

ところが彼女はいつのころからか、自分は光源氏が思い焦がれる女性の身代わりではないか?とうすうす気づくようになっていきます。自分がその方に似てるゆえ・・・それは自分の叔母にあたる「藤壺の宮」ということは知らないのですが・・・。本気で光源氏を愛するがゆえ、苦悩が深まっていくのです・・・ショボーン

 

そして決定的だったのが、光源氏が朱雀帝の第三皇女だった女三の宮を、帝の頼みを断り切れず、承諾してしまったのですムキー

 

これを承諾してしまったのには理由があって、女三の宮と藤壺の宮は紫の上同様、血縁関係があったのです!「もう一度、あの藤壺の宮の面影を・・・」そう思って、無意識の上に光源氏の心がさまよってしまった結果でしたえーん

 

紫の上も高官の娘でしたが、何せ帝の皇女の方が格としては断然上のため、実質上の正妻の座も紫の上は女三の宮に奪われてしまうことになってしまいましたえーん

これに紫の上は深く深く絶望してしまいます・・・「いままで積み上げてきた光源氏との絆は何だっんだろうか・・・」とガーン(今の世でもこういうことはよくありますよね・・・例えば、歌手とかプロ野球選手とかで売れなかったり苦労してきた時代を支えてきた糟糠の妻を売れ出した途端捨てて、新しい人に走るとか・・・)

 

しかも女三の宮は精神的にも幼く、張り合うには全然物足りない様子で・・・ますます紫の上としては哀しくなっていきますショボーン

 

一方の光源氏も少しでも藤壺の宮の面影を感じられる・・と思ったのに、全くそれが感じられず、あまりにも幼すぎてがっかりします・・・(本当、自分勝手な男ですね・・・勝手に期待して勝手にがっかりするなど・・・ムキー

まぁ、この時代は結婚するまで対面できないから、仕方ないといえば仕方ないのですが・・・。

光源氏は改めて紫の上の素晴らしさと偉大さを再認識し、彼女を今まで以上に寵愛するのですが、

一度失われた信頼は取り戻すことができませんでした・・・(そりゃそうでしょうよ・・・えー

紫の上は今までのような気持ちで光源氏に接することができなくなり、以前よりも冷たい態度を取るようになるのです。それを光源氏も敏感に感じて一生懸命彼女の心を取り戻そうとするのですが、それがかえって紫の上を苦しめることになりますショボーン

 

そしてついに紫の上は病にかかってしまい、生死をさまようことになってしまいますえーん

光源氏は必死に祈祷し、紫の上を助けようとあらゆる手段を使います。

そしてついに、それは亡き六条御息所がとりついていたことだと判明しますガーン

恨みのある光源氏には神仏の力に護られていて取憑けなかったから、代わりに紫の上に取り憑いたとのこと・・・その物の怪を取り払い、光源氏の必死の祈りも通じて、紫の上は息をふき返したのでしたキラキラ

 

それにしても六条御息所の怨念はすごすぎます・・・かなり以前、光源氏の正妻であった葵の上も怨霊で殺したし・・・でもそうさせたのは光源氏が高貴な六条御息所を粗雑に扱った上、捨てた形になったからで・・・本当に人の恨みは怖いです・・・ショボーン

 

紫の上はこの大病は乗り越えましたが、その後はだんだんと体は弱っていき、出家を源氏に願いますが、そばにいてほしい源氏は決して紫の上の出家を許すことはありませんでしたショボーン彼女としては俗世の苦しみから逃れたかったのに、源氏は本当自分のことしか考えていない身勝手な男です・・・ムキー

 

そして紫の上の最期は光源氏ではなく、養女として実の子同様に愛情こめて育てた明石の姫君に看取られて静かに息を引き取りましたえーん光源氏はそばに控えてはいたのですが、彼よりも娘に看取られたいという紫の上の一種の意地だったのかもしれませんショボーン

 

紫の上は世間の人達からみたら光源氏の「一番の想い人」として幸せな人生だったように見えますが、本当に幸せだったかどうかは微妙だったのかもしれません。

 

紫の上が亡くなったあと、はじめて光源氏は藤壺の宮の身代わりではなく、紫の上自身を愛していたことに気づきます(遅すぎるっつーのびっくりマークムキー

彼女がいなくなって初めて唯一無二の存在であったこと、そして女三の宮を正妻として迎えて紫の上の心をズタズタにした後悔を実感し、哀しみのどん底に落ちたあと、ついに出家を決心するのです。

(因果応報ですな・・・)

 

なんだかこの源氏物語を読んでいると、誰も幸せになっていないような「もののあわれ」を感じます。でも現代にも通じる、「人の心や恋愛」が描かれていて、だからこそ人の心をうつ物語になっているような気がします。

 

まず「忘れられない人」という観点でみると

○桐壺帝→桐壺の更衣に似た藤壺の宮を妃にして大切にするが桐壺の更衣を忘れられない。→死ぬ時も「桐壺の更衣」に会えると思って旅立つ

 

○光源氏→藤壺の宮に似た紫の上を妻にして大切にするが藤壺の宮を忘れられない。→藤壺の宮との間に不義の子冷泉帝をもうける→藤壺の宮は罪の意識にさいなまれ、やがて源氏から逃れるため出家→紫の上の死後紫の上自身を愛していたことに気づく

 

○光源氏→藤壺の宮の面影を求めて、六条御息所と関係をもち、女三の宮を妻とする。→六条御息所は源氏の心が離れて粗雑な扱いを受けたことにより怨霊となって、葵の上を殺し、紫の上も殺しかける。女三の宮は流されるまま柏木と関係をもち、不義の子薫(第3部の主人公)を産んだのち出家。光源氏に因果応報を思い知らせる役割。

 

という構図が読み取れます。結局、この二人の父子の「忘れられない気持ち」が沢山の女人たちを傷つけていくわけです・・・。

現代でもそうですが、昔の恋人ってどうしても思い出が美化されがちで、今、まわりにいる大切な人のありがたみに気づかないことが多いと思います。あまりにも昔の「忘れられない人」に固執すると

今、周りにいる大切な人の貴重さに気づかず、その人たちを失ってしまうことにもなりかねないこと・・・そういうことをこの「源氏物語」や紫式部は現代の私達に教えてくれているのかもしれません

 

また次回も源氏物語について語りたいと思いますニコニコ

 

今日も記事をお読み頂き、ありがとうございましたハートまた次回、お逢いしましょうおねがい