網戸越しに  『こんにちは

この子がそう言ったかどうかは
定かではないけれど…。

今月の初旬
窓を開けたら、目が合って。

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窓の外からは、こんな感じ。

じっとして動かないので
そっと触れてみようとしたら…
鎌を振り上げて威嚇されました

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それからは、毎朝毎晩ご挨拶。

寒さが日毎厳しくなっていく中
窓越しに、その姿を見つけるとホッと安堵し
また会えた喜びで心が温かくなりました。

最後にその姿を見たのは
初めて出会ってから5日目の朝。
その日も、寒い朝でした。

この時は、鎌を胸の前でギュッとたたみ
ビクリとも動かなくて。

最初からほぼずっと
網戸の同じ位置にいたカマキリさん。
その日帰宅した時には
もうその姿は、どこにもありませんでした。

通常、カマキリは
11月には寿命を迎えるそうです。

天寿を全うしたのか
より心地よい場所に移動したのか。
それはわからないけれど、やがて
その命が尽きることに変わりはありません。


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今年の8月初めのある朝。
駐車場の車にいた若いカマキリさん。
同じ子かどうかは、わかりません。

カマキリの卵から孵化した幼虫の数は
100から200とか。
その中で成虫になれるのは、ほんの数匹。

肉食のカマキリは、成長する過程で
たくさんの虫を捕食しますが、
同じように、かれらの命も
他の小動物達の命を繋いでいるのですね。

そして、その天寿を全うして地に落ちた後も
他の命の糧となっているのでしょう。

また、来年の春になれば
たくさんの子カマキリ達が
この世に生まれてきて。

こうして、命が巡っていく。
この小さな庭の中で。

そう思うと、この小さな庭は
自分の家のものだけれど
決して自分だけのものでないと気づきます。

ハチやチョウ、バッタにイモムシ
トカゲがいて、小鳥が飛んで来て
近所の猫たちもやってきます。

だから、庭木や草花用の薬品の類を
散布することはありません。

みんなの庭だから。

これが、かれらのために
私が出来るささやかなことのひとつ。


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今日は、時季外れの大雪で。

まだ咲いてくれていたチェリーセージの枝が
雪の重みでしなっています。

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あのカマキリさんも
今頃は、雪に埋もれているのでしょうか。

幸運にも生き延びた、200分の1の貴重な命。

その命への畏敬の念と
最後の数日間に巡り会えた奇跡に
感謝を込めて。

心から、ありがとう




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