薄暗い静かな診察室の中。
まるで、夢の中にいるような。
でも、時折襲ってくる余震が、現実を突きつけ。
23時を過ぎる頃、当時小学6年だった娘は
眠気に耐えられず、待合室のソファーをお借りして、仮眠。
大変な、一日。
疲れたよね・・・。
小康状態が続く中、ダンナと二人で見守ります。
ラッキー、頑張れ。
願いを込めて、体をさすりながら呟いて。
そして、日付が変わる頃、ラッキーに異変が。
突然、当てていた酸素マスクを鼻先で外そうと、
首を左右に振るラッキー。
思いのほか強い力に、ダンナもマスクを当てられず。
異変に気付いた先生が、そばに来た時には
もう瞳孔が開きかけていた気がします。
心臓マッサージを始めた先生を見て、
慌てて娘を起こしに行き。
意識も無かったラッキーが、酸素マスクを外したのは
『私には、もうこれは必要ないよ。』
『もう、私は逝くよ』
そんなメッセージに感じて。
最後は、マスク越しではなく、ちゃんと顔を見て
お別れをして欲しかったのかな、と。
そんな彼女の意思を感じ、先生にお願いを。
『先生、もうラッキーを逝かせてあげてください。』
こんな状況の中、最後まで、手を尽くして下さった先生には
感謝してもしきれないくらいです。
最後に治療を施すことが出来たこと。
これが、どれほど私達家族の救いとなったでしょう。
本当にありがとうございました。
そして、ラッキー。
一番大好きだった人の腕の中で旅立てるなんて
こんな幸せな最期はないよね。
最期も苦しまず、ワンとも鳴かず、まるで眠るようだったね。
診察室に入ってから、きっかり3時間。
ダンナと、娘と、私と。
それぞれが、それぞれにラッキーと心で会話をしていた
そんな貴重な時間。
ちゃんとお別れが出来るように、心の準備をする為の時間。
ラッキーが私達家族に与えてくれた、最後のプレゼント。
今、思い返しても、素晴らしい最期の迎え方。
きっかり3時間で、『もう、私は逝くよ』って。
それもラッキーらしくて、何だか可笑しくて。
