実は、我が家が見送った初めての子は、茶夢ではなく。


その前に、交通事故で別の子とのお別れがありました。


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平成11年の秋。

台風の日の朝、玄関横の植え込みに子猫がチョコンと。

3ヶ月位の、ちょっとビビリな可愛い子猫。

当時は、犬1・猫2の余裕な生活。

そのまま、我が家の子に。


『ビビ』

三毛の美しい女の子でした。

スラリと長い手足としっぽの持ち主。

可憐で、繊細で、控えめで・・・。


2才の秋。ある日の夕方。

偶然開いた玄関のドアから、外に出てしまったビビ。

当時は、自然豊かな、家もまばらな新興住宅街。

そのうちに帰ってくるだろうと、さほど心配もせず・・・。

ところが、夜になっても帰ってこないビビに

初めて不安な気持ちになりました。


翌朝5時。

いつもなら、決して目覚めはしない時間。

窓を開けて、外を見渡すと

少し離れた道路に横たわる1匹の猫の姿。

まさかと思い、慌ててダンナを起こし見に行ってもらうと・・

抱えてきたのは、やっぱりビビ。

車に轢かれたようで、もう、死後硬直していました。


どうして、あの時・・・。

後悔ばかりが、頭の中をぐるぐると。

『どうやったら、時間を巻き戻せるのだろう?』

一瞬、真剣にそう思った自分がいました。

そんなこと、出来るはずもないのにね。


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ビビの体は、美しいままでした。

左目の眼球が、少し損傷していたけれど、

顔も変わらず美しいままで。

でもね、触ると剥製みたいな手触りで。


他人から見たら、ただの猫の轢死体。

でも、そんな姿になっても、愛おしくて愛おしくて。

ずっと、このまま抱っこして、撫でていたい

そんな気持ちでした。


ただ、肉球だけは柔らかくて、

火葬をしてもらうお寺に行く車の中で

ずっと肉球を触っていました。

まるで、そこにだけ、

命のかけらが残っているかのように思えて。


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初めての見送り。

以前、知り合いの人から聞いていたお寺。

ペット用の火葬炉があり、供養をしてくれると。

さほど遠くない所だったので、電話をして向かいました。


お経をあげていただき、火葬炉へ。

簡単な説明を受け、数時間後にお骨を引取りに来ることに。


後から聞いた話ですが、

一旦その場を離れた後、聞き逃したことがあったと戻ったダンナ。

なんと、その場で見た光景は

後ろ足を持たれ、逆さに吊るされたビビの姿。

そして、気まずい空気・・・。

炉に入れる瞬間だったのでしょうがね・・・。


新品のお花のついたフワフワの白いバスタオルにくるんで

大切な宝物のように両手で持って、お渡ししましたよね、私。

それなのに・・・。

他人から見たら、ただの猫の轢死体だろうけれど。


数年後、そのお寺、火事になりました。

火元は、その火葬炉だったとか。


因果応報。


そんな言葉を思い出しました。



そんな事もあり、茶夢の時は、ちゃんと探しました。

泣きながら。

まだ生きているのに・・・と思うと、

とても辛い事ではあったけれど。

心を込めて、お見送りをしてあげること。

それが、茶夢にしてあげられる最期の事だから。


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ビビの時は、

『ビビが、行ってしまった。』というよりも

『私が、取り残された。置いていかれた。』


不思議と、そんな思いにとらわれて、

『どうやったら、ビビの所へ行けるんだろう』

そんな事を考えていました。


と言っても、別に危険な事を考えていたわけではなく

目には見えないけれど、すぐ近くにビビのいる世界があって

どこかにそこに通じるドアのような物があるはず。

そんな感じです。


別に、ゲームとかやっていたわけでもないのですが、

不思議ですね。


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動物の心を感じながら・・・はぴはぴな日常。


初めて迎えた、しっぽのある家族の死。

死ぬって、こういう事なんだね。

小さな骨壷の中の、ビビが教えてくれました。


今、ビビのお骨は、うちに来た時と同じ場所、

玄関横の植え込みのラベンダーの木の下で眠っています。

写真手前のチェリーセージの奥が、そこです。


ビビ、その優雅で美しい姿、忘れないよ。

うちに来てくれて、ありがとう。

今でも、大好きだよ。

いつも、ラベンダーを見るたびに、思い出すよ。

これからも、ずっとね。