洗濯物を取りこんだ
あ…
風が優しい
ふと
祖母ん家で過ごした
幼き日の
お風呂上がりを
思い出した
五右衛門風呂の釜
蒔を焚べる
あの香りが
時間旅行にいざなう
涼しげな布地で
作られた
祖母お手製の寝間着
首のあたりが
天花粉で真っ白な
わたし
わたしがいることを知って
訪ねてきてくれた従姉妹
一緒に花火しよ♡
ワクワクしながら
暗くなるのを待った
広い祖母の家の中で
従姉妹と
かくれんぼや
鬼ごっこをした
走り回って
汗をかいた
もう一回
お湯
もらわんといかんねぇ
祖母が呆れたように笑った
懐かしいあの頃の
幼いわたしは
笑っていた
いつも
愛されていた
覚えていないだけ
いつも
愛されていた
あたりまえになっていただけ
ありがとう
宇宙は
いつも優しい
そこから
目を逸らしていただけ
愛しています
愛されています
ありがとう
夏の優しい風は
わたしを
ノスタルジックな時間旅行に
招待してくれた様です
愛されている歴史
ただそれを
確かめるために