肥前町の路線バスの拠点、入野バス停です。バス停は肥前市民センターに隣接していますが、その規模の大きさに大変驚きました。三階建ての大きな庁舎に、立派なホール。肥前の町内は大きな集落も見当たらず、人口も佐賀の自治体の中では少ないように感じましたが、あの規模の街でこれだけの公共施設があるのは驚きです。近隣に原発があるのでその補助金等の関係もあるのかもしれませんが。

 入野にはつい最近まで多くのローカル線が乗り入れ、夕方のラッシュ時間帯にはたくさんのバスが発着していました。乗客の姿は全くありませんでしたが、近年まれになった「バスが集う景色」を眺めることができました。

 延岡市街地から南下すること40分、国道を離れて漁村の中に入り込み、外浦の終点に到着しました。遠見半島の先っちょ外浦の終点は、これまで訪れた中でも、ダントツで寂しい雰囲気の漂う終点だったと思います。手前の赤水や鯛名は民家も多く、人々の暮らしがしっかりとあるように感じましたが、外浦は大学か何かの研究施設とさびれた漁港があるだけで、人気はほとんど感じられませんでした。

2017年1月21日撮影 宮崎交通外浦線

 福岡県行橋市を走る超地域密着型路線バス事業者の太陽交通。西鉄帝国支配下の福岡県にあって、数少ない西鉄の営業エリアでない行橋市を走っています。乗合バス事業だけではなく、貸切バス、タクシー、自動車整備、なんと交通関係だけでなく草取りや片付けまでやってくれる便利屋さんもやっているという超超地域密着型企業です。そんな太陽交通は路線網も超地域密着。小さな団地に乗り入れたり、街中をぐるぐる回ったり、西鉄バスが走っていたころにはカバーできなかった地域も走っています。ゆめタウン行橋への乗り入れもそんな路線再編の一環で誕生しました。行橋市で一番大きな小売店、ゆめタウンへの乗り入れは、地域住民にとってはとても便利なものでしょう。しかもエントランス前にバス停があるのでかなり使いやすいこと間違いなし。滞在した数十分の間にもバスに乗り降りする人の姿が多くみられました。

2022年7月30日撮影 太陽交通豊津線など

 朝7時半、霧立ち込める久万営業所でバスが出庫の準備をしています。久万営業所は久万高原を走る伊予鉄の拠点です。とはいっても、小さな田舎の営業所なので平日11本、土日祝2本しか発車便がありません・・・。久万高原は標高が高いために大変涼しく、この時も真夏でありながら20度を下回る気温で、涼しさを越えて肌寒さを感じるほどでした。

2022年8月20日撮影 伊予鉄南予バス面河線・直瀬線・富重線

 今にも日が暮れようとする午後五時半の広滝に、周回を終えた背振山麓線のバスがやってきました。数年前まで中型車で運行していたこの路線も、乗客の減少によって今ではハイエースが走っています。佐賀の深い山の中にも、確かに路線バス網は張り巡らされているのです。

2023年12月27日撮影 ジョイックス交通背振山麓線