肥前町の入野から出ているローカル線の一つ、星賀線。海岸の崖に沿って走る絶景区間を抜けると、急坂を駆け下り、バスが通れるのかどうかもわからないようなほぼ直角の曲がり角を突破し、最後は岸壁の真横でバスが止まりました。玄界灘に面した小さな漁村の終点にバスがたたずむ景色は、のどかでほのぼのする光景です。実はここからまだ旅を続けることができ、星賀から一日三回、向島という人口50人ほどの小さな島へ行くフェリーが発着していて、時間が合えば長く待つことなくバスとフェリーの乗り継ぎも行えます。と言いたいところですが、もうそれもおしまいです。星賀線はこの春をもって朝の星賀始発の二本を除いて運行がなくなり、予約制交通へ変更されます。バスで星賀へ到達できるのもあと数日です。この景色がなくなってしまうのは、大きな損失でしょう。

2023年4月7日撮影 昭和バス星賀線