いつもありがとうございます。
※この物語は、当時の家族の視点で振り返った実話です。ここから先には、心に負担がかかる可能性のある内容が含まれます。
手術を控えている方や、不安が強い方は、
ご自身の心を最優先にしてください。
それでも、読み進めると決めた方へ👇
面会に行くと、
今日は少し自分で目を開けたり、閉じたりしていた。
顔は、だいぶむくんでいた。
昨夜、私達が帰宅したあと、
心臓があまり休まっていないとのことで、
追加の処置が行われたと伝えられた。
『(急変が)夜間だったら、もしかしたら助かっていなかったかもしれない。』
医師はそう告げた。
運良く救われたんだ…。
万が一、夜だったら…
それを考えると、息が止まる気がした。
でも、それを聞いて安心…なんてことは到底できなかった。
こんなにも変わり果てた姿で苦しんでいるのに。
そばでずっと手をつないでいたいのに。
それすらも叶わず。
こんなにも無力で。
ママはあーちゃんを護りたくて。
ただ、それだけなのに。
そのことが、
くやしくて、苦しくて、
この、どうにもならない感情に、
この、どこにもぶつけられない想いに、
ただただ、
無抵抗に押しつぶされることしかできなかった。
本当に何かできることはないの?
必死だった。
とにかく命を護りたい一心だった。
心臓移植とか、人工心臓とか…。
"どれも現実的じゃない。"
医師は首を縦に振らなかった。
それでも、
『回復の余地はある。』
この危機的な状況の中、医師はそう伝え続けてくれていた。
私はその言葉を希望に祈り続けた。
原因は相変わらず分からないままだった。
それは、
"手を施す手段も分からない"
ということでもあった。
残されたのは、
"本人の生きる力を信じること。"
それだけだった。
少ない面会時間にはできる限り声をかけ、
家ではとにかく必死で祈り続けた。
刺繍も、ただひたすらに続けた。
けれど、状況は思うようには進まず、
白血球の数値が上がって感染症の心配が出たり、
人工心肺を長時間つけることにより血栓の心配もあった。
毎日、毎日、
いろんな形に変えながら現れる"リスク"。
この瞬間も、
次の瞬間も、
いつどうなるか分からない恐怖。
そして、
祈れども、願えども、
現実はそう簡単には変わらず。
心臓は、
元気になるどころか、
日々弱っていく一方だった。
そして、最初は前向きだった医師の言葉も、
日に日に影を落とし始め、
目も伏目がちになっていった。
次の日も、またその次の日も、
綱渡り状態が続いていた。
そして医師はついに告げた。
