こんにちはニコ

note第二章、第11話投稿しました。

正直にいうと、ちょっと今回は書くのに苦しみました絶望

でも、私の娘は信じられないような経験をし、信じられないような奇跡を体験しました。

その記録を少しずつ綴っています。

よければnoteのフォローもよろしくお願いします。


第二章 第11話:先天性心疾患の手術〈グレン術〉を受けた日|まだ誰も知らなかった、世界が突然、色を失うその合図


このnoteは、過去を振り返って綴っている実話です。これからの記事には、

心に負担がかかる可能性のある内容が含まれます。

手術を控えている方や、

不安が強い方は、

どうか無理をせず、

ご自身の心を最優先にしてください。

それでも読み進めると決めた方へ——


霧の向こうの記憶



手術の日の景色は、まるで霧の向こうにあるようだった。

この期間だけ、育児日記も、写真も、一枚もない。


残さなかったんじゃない。


残せなかった。


最初にひとつだけ伝えておきたい。


—手術そのものは成功する—


じゃあ、何が起きたのか?


それは、誰も説明できなかった出来事。

医学でも、確率でも、割り切れない現実。


“なぜ、うちの娘だったのか”

何度問いかけても、答えはどこにも落ちていなかった。


同じ経験をした人を探した。
どれだけ探しても、
私が探せる範囲では誰一人として見つからなかった。


だから書く。

長い間、振り返ることさえできなかったあの瞬間の出来事を。

これは、私たちの人生が音を立てて切り替わった瞬間の記録となる。



手術の日の朝




水分制限もあって、いつも通り…とは言えない朝。

あーちゃんは手術着に着替え、

ただならぬ雰囲気を敏感に察していた。

不安そうな目でママにしがみつく。


抱っこしたまま手術室の入り口まで付き添う。

私たちが一緒にいられるのは、そこまで。

そこからは白衣の人たちに託すしかない。


あーちゃんは泣き叫んだ。


大粒の涙、震える声、その表情——。

全部焼きついたまま、離れない。


まさかこれが、

『人見知りで泣いた最後の日』

になるなんて、あの時の私は知るよしもなかった。


それでも私は信じていた。

この先には明るい未来が待っていると。




手術開始と進まない時計




予定では手術は約8時間。

見送ったのは朝9時、実際の手術開始は11時。

ということは…

だいたい夜の19時くらいには終わるだろうか。

そう計算しながら待った。


待機室には、同じように家族を送り出した人たちがいた。

手術が終われば、待機室の電話が鳴って呼び出される。


泣き叫んでいたあーちゃんに届くように祈りと願いを込めてつぶやく。



『大丈夫。大丈夫。』




自分を保つためにも必要な言葉だった。


季節は暑い時期だったのに、

肌寒ささえ感じる。


でも信じて待つしかない。


何度も何度も時計を見る。

でも、時計は信じられないほど進まなかった。


じっと座っていられず、立ち上がる。

長い、長い病院の廊下を行ったり来たり…。



『大丈夫。大丈夫。』



この言葉を何度も何度も頭の中で繰り返し、

その一歩一歩に祈りを込める。


食欲は完全に消えていた。

昼が過ぎ、夕方が終わり、他の家族は次々と帰っていった。

夜になり、待機室には私たちだけ。


予想していた19時をとっくに過ぎている。


まだ呼ばれない。


お願いだから——

あーちゃんを護って。


胸の奥でまた繰り返す。



『大丈夫。大丈夫。』



その言葉は、

私が立ち続けるための、唯一の足場にもなっていた。


時計の針は21時を回っていた。


まだ鳴らない電話。


病院の廊下は灯りが落ち、音ひとつしない。

そこには、私たち家族だけが取り残されていた。


こんなに1日が長いと感じた日は他にあっただろうか?


そしてようやく手術終了の連絡の電話が鳴ったのは、

22時50分頃だった。


『お待たせしました。無事に手術が終わってICUに戻っていますので来てください。』


全身の力が一気に抜けるような感覚だった。

良かった。良かった。本当に良かった。


安堵の息を大きく吐いてから急ぎ足で私たちはICUへと向かった。


この後、想定外のことが起こります👇


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