ダム沿いにあるトンネルでの出来事。

噂はあったのだが、悪ふざけで検証をした事がある。
トンネル内はライトが無く昼間でも真っ暗で、湿気が多く、交通量も少ない、いかにもね場所。

噂というのは…
「トンネル内で車を止めてエンジンを切ると何かが起こる」

時間は深夜2時ぐらいだったと思う。
「ヤバイからやめない」
「ここまで来たからやろっ」
こんな感じでやってしまった。

エンジンを切る。
車のガラスが一瞬で白く曇る。
車内静まり帰る。

「トン…トン…」

水滴が落ちているのか、外から人が叩いているのか、わからない様な音が聞こえる。

「はよ出よう!」

セルを回す……。
セルは回るがエンジンはかからない。
まさかね…皆んなそう思った。
2回目…かからず…
3回目…4回目…5回目…エンジンかかった!!

「出せ!出せ!」

皆んな一斉に叫んだ。
ギヤをDレンジに入れ、アクセルを踏み込む。

「コン…」

まさかのエンスト!
ATですよ?
なんで⁈

今度はニュートラルに入れてエンジンをかける。
エンジンかかった!
一人が気付く。
計器類が全部動いて無い…。

とりあえず、アクセルふかす。
その状態で、一気にDレンジに、ぶち込む!
また…エンスト。

何度やっても同じ事の繰り返しで、やれと言った本人は泣き始め、完全にお手上げ状態。

JAF呼ぶか相談、携帯無い時代、誰か歩いて行かんといけんのだが、残るのも嫌、行くのも嫌、どうすればええのやら…

車内で揉めてると、前方から明かりが見えた。
意を決して、外に飛び出し、車を止めてもらい、エンジンがかからない!と説明した。

そのおじさんは、無言で車に行き、セルを回した。

「かかった!」

計器類も正常!
おじさんにお礼を言おうと振り返る。
車は遥か遠くを走っていた。

とりあえず、この場から出て、帰路につく。
帰りの車内では、あのおじさんの事が話題に。
誰も声を聞いて無い。
誰も顔を見ていない。

みなさんはどう思いますか?