はじめに――FXって、なんだか難しそう?
「FX」という言葉を聞いたことはありますか?
ニュースや大人の会話の中で出てくることがあるけれど、なんだか難しそうで近づきにくい、そんなイメージを持っている人も多いかもしれません。
実は、FXの基本的な仕組みはとてもシンプルで、一度理解してしまえば「なんだ、そういうことか!」とスッキリするはずです。
この記事では、むずかしい言葉をできるだけ使わずに、FXがどんなものなのかをわかりやすく説明していきます。
お父さんやお母さんがスマートフォンで何かを調べながら「円高だ」「ドルが上がった」と話しているのを聞いたことがある人も、この記事を読み終わる頃には「あ、あれってそういう意味だったんだ」と理解できるようになるはずです。
難しい数式も、専門的な言葉も出てきません。
身近なたとえ話を使いながら、FXの世界をゆっくり一緒に歩いていきましょう。
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まず「お金にも種類がある」ことを知ろう
FXを理解するために、まず最初に知っておきたいことがあります。
それは「世界にはたくさんの種類のお金がある」ということです。
日本では「円(えん)」というお金を使っていますね。
100円玉や1000円札がそれです。でも、アメリカでは「ドル」というお金を使います。
ヨーロッパの多くの国では「ユーロ」というお金が使われていますし、イギリスでは「ポンド」というお金が使われています。
世界には200近くの国があり、それぞれが自分たちのお金を持っています。
日本に住んでいると円だけを使っていれば生活できるので、他の国のお金のことをあまり考えませんね。
でも、もし海外旅行に行くとなったら、日本円を相手の国のお金に「交換」しなければなりません。
この「お金を別の国のお金に交換する」という行為が、FXの出発点になっています。
たとえば、アメリカに旅行するとき、日本の空港にある両替所で「1万円をドルに換えてください」とお願いしたことがある人もいるかもしれません。
そのとき、1万円が何ドルになるかは、その日その瞬間の「交換レート」によって変わります。
ある日は1万円が65ドルになることもあれば、別の日には70ドルになることもある。
この交換レートが毎日、毎時間、毎分変化しているということが、FXのカギになっています。
FXって何の略?まずは言葉の意味から
FXというのは「Foreign Exchange」という英語の略です。
「フォーリン・エクスチェンジ」と読み、日本語にすると「外国為替(がいこくかわせ)」という意味になります。
「外国」のお金を「交換(エクスチェンジ)する」、そのままの意味ですね。
日本では「外国為替証拠金取引」という正式な名前がついていますが、これも難しそうに聞こえるだけで、要するに「外国のお金の値段の変化を使って利益を出す取引」のことです。
「証拠金」という部分については後で説明しますので、今は「FX=外国のお金を売り買いして利益を目指す仕組み」とだけ覚えておいてください。
レートが変わると何が起きる?たこ焼きで考えてみよう
ここで、わかりやすいたとえ話をしましょう。
あなたが「たこ焼き屋さんごっこ」をしているとします。
今日は「たこ焼き1パック=100円」という値段で売っています。
ところが明日になったら、たこ焼きが人気になって「たこ焼き1パック=150円」に値段が上がりました。
もし昨日のうちに100円でたこ焼きをたくさん買っておいて、今日150円で売ったとしたら、1パックにつき50円の儲けになりますね。
FXの仕組みはこれとまったく同じです。
ただし、たこ焼きの代わりに「外国のお金(通貨)」を売り買いします。
たとえば、今日「1ドル=150円」のときにドルを買っておいて、後日「1ドル=155円」になったときに売れば、1ドルにつき5円の利益が出ます。
逆に「1ドル=150円」のときに買って「1ドル=145円」になってしまったら、1ドルにつき5円の損失になります。
このように、FXとは「外国のお金の値段(レート)が変化することを利用して、安く買って高く売る(または高く売って安く買い戻す)」という取引です。たこ焼きごっこと同じ原理ですね。
「円高」「円安」って何?新聞でよく見る言葉の意味
ニュースや新聞でよく「円高」「円安」という言葉が出てきます。
お父さんやお母さんが「最近円安だから海外旅行が高くつく」と言っているのを聞いたことがある人もいるかもしれません。
これはFXを理解するうえでも大切な言葉なので、ここでしっかり説明します。
「円高」とは、円の価値が上がることです。
たとえば「1ドル=150円」だったのが「1ドル=130円」になった場合、同じ1ドルを手に入れるのに以前は150円必要だったのに、今は130円で済むようになりました。
つまり円の力が強くなった、円の価値が上がったということで、これを「円高」と言います。
逆に「円安」とは、円の価値が下がることです。
「1ドル=150円」だったのが「1ドル=170円」になった場合、同じ1ドルを買うのに以前より多くの円が必要になりました。
円の力が弱くなったということで、これを「円安」と言います。
海外旅行に行くとき、円高だと少ない円でたくさんのドルやユーロに換えられるのでお得です。
逆に円安だと、同じ金額の旅行費用でも換えられる外国のお金が少なくなるため、旅行の費用が割高に感じられます。
お父さんやお母さんが「円安だから旅行が高い」と言っていたのは、このことだったんですね。
FXで利益が出る仕組みをもっと具体的に見てみよう
では、FXで実際にどうやって利益を出すのかを、もう少し具体的に見ていきましょう。
まず「買う」場合から説明します。
今「1ドル=150円」だとします。
あなたは「これから円安が進んでドルの値段が上がるだろう」と予想したので、1万ドルを購入しました。
このとき、150万円分のドルを買ったことになります。
しばらくして「1ドル=160円」になったとき、そのドルを売ります。
すると1万ドルが160万円に換わりますので、150万円との差額10万円が利益になります。
次に「売る」場合の説明です。
FXでは「持っていないものを先に売る」という、一見不思議な取引もできます。
今「1ドル=150円」のとき「これから円高が進んでドルの値段が下がるだろう」と予想して1万ドルを「売り」ます。
その後「1ドル=140円」になったところで「買い戻す」と、最初に150万円分で売ったドルを140万円で買い戻せるので、差額の10万円が利益になります。
このように、FXでは「値段が上がっても下がっても」、正しい方向に予想できれば利益を出せる仕組みになっています。
株の場合、基本的には「買って値段が上がれば利益」という一方向だけですが、FXは上がると予想しても下がると予想しても、どちら方向でも取引できる点が特徴のひとつです。
「レバレッジ」って何?小さな力で大きなものを動かす魔法
FXの話題になると必ず出てくる「レバレッジ」という言葉を、わかりやすく説明します。
「レバレッジ」というのは英語で「てこの力」という意味です。
理科の授業で「てこの原理」を習ったことがあるかもしれません。
小さな力で重い石を動かせる、あの「てこ」です。FXにおけるレバレッジも、これと同じイメージで理解できます。
たとえば、あなたが100円しか持っていないとします。
普通に考えれば、100円分のドルしか買えませんね。
でもFXでは「レバレッジ」という仕組みを使うことで、100円の元手で何倍もの金額の取引ができます。
レバレッジが10倍なら100円で1000円分の取引ができ、25倍なら2500円分の取引ができます。
これだけ聞くと「すごく得な仕組みだ」と思うかもしれません。
しかし、ここが非常に大切なポイントなのですが、レバレッジは利益も損失も同じ倍率で大きくなります。
10倍のレバレッジで10万円分の取引をした場合、うまくいけば普通の10倍の利益が出ますが、予想が外れれば普通の10倍の損失が出ます。
元手よりも多くの損失が出てしまうこともあり得るため、レバレッジは諸刃の剣です。
特に初めてFXをやる場合は、レバレッジをできるだけ低く設定することが大切です。
為替レートはなぜ毎日変わるの?
「なぜ外国のお金の値段は毎日変わるの?」という疑問を持った人もいると思います。
これは実はとても深い問いで、世界中の経済の動きが複雑に絡み合って為替レートを動かしています。
難しい話を抜きにして、いくつかわかりやすい理由を紹介します。
まず「その国の経済が元気かどうか」で変わります。
日本経済が元気で、日本の会社がたくさん利益を出し、日本の製品が世界中でよく売れているとき、外国の人は「日本円を持っておきたい」と思います。
円の需要が高まれば円の価値が上がり、円高になります。
次に「金利の高さ」も大きな影響を与えます。
銀行にお金を預けると利息がもらえますが、金利が高い国の銀行に預けた方がたくさん利息がもらえます。
そのため、金利が高い国の通貨は人気が出やすく、価値が上がりやすくなります。
さらに「世界の出来事やニュース」も為替レートを動かします。
どこかの国で大きな事件が起きたり、選挙の結果が予想外だったり、自然災害が起きたりすると、投資家たちが
「安全なお金を持っておこう」と動くことで、為替レートが大きく変動することがあります。
このように、為替レートは世界中のあらゆる出来事を反映しながら、24時間365日(土日祝日を除く)動き続けています。
世界のどこかで必ず市場が開いているため、FXは株と違って夜中でも取引できるという特徴があります。
FXをやるときに気をつけること
ここまでFXの楽しい仕組みの部分を説明してきましたが、大切なことをしっかり伝えておかなければなりません。
FXには「お金を失うリスク」が必ず存在します。
どんなにしっかり考えて予想を立てても、相場は必ずしも予想通りには動きません。
プロのトレーダーでも間違えることはたくさんあります。
レバレッジを高くかけた状態で予想が外れると、最初に用意したお金以上の損失が出ることもあります。
「絶対に儲かる方法」というものは存在しないということを、最初にしっかり理解しておく必要があります。
また、FXはとても刺激的な世界なので、一度始めるとやめられなくなってしまう人もいます。
まるでゲームのような感覚になって、生活費まで使い込んでしまうという危険もあります。
FXを始めるなら「失っても生活に困らない余裕のあるお金だけを使う」という鉄則を守ることがとても大切です。
日本ではFXを始めるときに証券会社やFX会社に口座を開設する必要があり、18歳未満は取引できないルールになっています。
小学生や中学生が今すぐFXをやることはできませんが、仕組みを理解しておくことは将来きっと役に立ちます。
FXと株の違いって何?
「FXって株と何が違うの?」と思った人もいるかもしれませんので、簡単に比べてみましょう。
株とは、会社の「オーナー権利の一部」を売り買いするものです。
ある会社の株を買うということは、その会社の小さなオーナーになることを意味します。
会社が成長して利益を出せば株の値段が上がり、業績が悪化すれば値段が下がります。
一方FXは「お金とお金を交換する」ものです。
特定の会社を応援したり、会社のオーナーになったりするわけではなく、純粋にお金の値段の変化だけを相手にします。
取引できる時間も違います。
日本の株式市場は平日の昼間しか取引できませんが、FXは月曜日の朝から土曜日の朝まで、ほぼ24時間取引可能です。
夜中や早朝でも取引できるため、働いている大人が仕事終わりに取引するのに向いているとも言われています。
レバレッジの使い方も違います。
株でもレバレッジを使った取引はできますが、FXの方がレバレッジを使った取引が一般的に広く普及しています。
そのぶんリスクも大きいことは忘れてはいけません。
世界のお金の動きが、私たちの生活にもつながっている
最後に、少し視野を広げた話をしましょう。FXや為替レートの変化は、実はわたしたちの日常生活にも深く関係しています。
円安が進むと、海外から輸入される食べ物や日用品の値段が上がります。
日本はエネルギーや食料の多くを輸入に頼っているため、円安になると電気代やガス代、スーパーで売っている食材の値段も上がりやすくなります。
最近「物価が上がった」と感じている人が多いのも、円安が一因になっています。
逆に円高になると、輸入品が安くなりやすい一方で、日本の輸出企業は海外で稼いだドルやユーロを円に換えたとき受け取れる金額が減るため、業績に悪影響が出ることがあります。
トヨタや任天堂のような世界に製品を売っている日本の大企業は、為替レートの変化に常に敏感に反応しています。
このように考えると、FXや為替レートは「投資をする人だけの話」ではなく、私たちの生活全体に影響を与えているものだとわかります。
ニュースで「今日の為替は1ドル155円です」と聞いたとき、「ああ、これはこういう意味なんだな」と理解できるようになるだけで、世の中の動きがぐっと身近に感じられるようになります。
おわりに――難しそうに見えて、意外とシンプルな世界
FXの仕組みを最初から最後まで読んでいただきました。
最初は難しそうに感じていた「FX」という言葉も、基本的な仕組みはとてもシンプルだということが伝わったでしょうか。
「お金にも値段がある」「その値段が毎日変わる」「安く買って高く売れば利益が出る」。
これだけが、FXの根本にある考え方です。
もちろん実際に取引を始めれば、今日紹介した以外にもたくさんの知識が必要になります。
でも、どんなに複雑な理論も、この基本の上に積み上げられているものです。
お金の仕組みを知ることは、将来の自分を守るための大切な力になります。
学校では教えてくれないお金の知識を、少しずつ積み上げていきましょう。
世界の経済の動きに興味を持ち、ニュースを見る目が変わってくると、毎日がもっと面白くなるはずです。
✨初心者でもわかりやすい✨

