読書 ~『言葉が足りないとサルになる』~ | 相澤千咲のブログ ~パンダのしっぼは黒じゃない!~

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アラフォー女子による、(実は)ミーハーな日常

『言葉が足りないとサルになる ~現代ニッポンと言語力~』 岡田憲治・著、亜紀書房・刊、2010.10、\1600+税

著者の専攻は、現代民主主義理論。この本は、“教育現場、会社、メディア、国会など、さまざまな例をあげながら、日本の現状と未来について語り尽くす。言葉の問題をとおして考えた<現代日本論>”という本。「言葉が足りない」「言葉が出ない」「言葉がもたらすもの」の3章で、“すべてを「ウザい」の一言で済ませてしまう大学生。「いまのお気持ちは?」以外に聞くことができないマスメディア。会議の席で言いたいことはあるのに発言できないOL。問題が勃発するたびに口を閉ざす政治家”について書いてある(以上、“”はカバー見返し より)。

付箋紙を貼りながら読んだ。太字になっている箇所以外でも、私にはポイントだと思えるところもあった。

本自体は返却日が来て図書館に返してしまったが、付箋を貼ったところを抜き書きしておいた。たとえば、

“「みなさん! 他者にメッセージを送る際に256文字以内ですませるということ『だけ』をやり続けている人は、全員サル以下のアホになります。覚えておくように」”
“言葉のストックがもともと大してない子供に、「作者の気持ちを想像してみよう」と尋ねてどうしようというのでしょうか。言葉の在庫がないにもかかわらず、子供たちは「言葉の媒介抜きにしてひたすら想像行為をする」という超人的能力を発揮するようにせきたてられているのです。”
“「豊かな内面を言葉にする」のではありません。「豊穣な言葉を使うことで豊かな内面と世界を作り上げる契機が与えられる」のです。”
“言葉なきところには自己決定は存在しません。ということは、言葉を用意していない人は「決定」ができないということです。”
など。


私も、言葉が足りない人間の一人だろう。たとえば入社試験などで、「なぜ弊社を選んだのですか?」と訊かれても、明確な言語で答えられない。入りたいから、入りたいのだ。「御社の将来性が…」とか「私の力で御社を…」などと、嘘か本当か分からないことは、言えない。「決定ができない」のだ。

二十代のころ、小説を書いていたわりに話すのが苦手で、「すごい」くらいしか感想が言えなかった。勤務先の上司が「何がどうすごいか、言わないと」と注意してくれたことを思い出した。

言葉で考える癖をつけないといけない。ちゃんと言えるように。