新生児のお世話 | ハーフの赤ちゃん

新生児のお世話

          ハーフの赤ちゃん

                 2週目の娘の寝顔

病院から自宅に帰って来た週(昨年9月)は、その年のヒートウェーブ(1週間程、全く風のない35度前後の猛暑が日夜続く地獄の気候)の週だった。 我が家は2階建てのタウンハウス。 普通の夏の気候であれば、夜になればある程度涼しくなるのだが、このような猛暑の日は2階は熱が篭ってしまって、眠れないくらい暑いのだ。 普段はエアコンなど要らない我家(私は反エアコン派)だが、この週ばかりはエアコンのない自宅が本当に恨めしかった。 特に新生児がいるので、この熱で娘がどうにかなってしまうのではと心配だった。 2階の部屋に熱が逃げていった分、1階はほんの少し涼しかった(それでもかなり暑かったように思うが・・)ので、その週は親子3人で1階のリビングのソファーベッドで寝ることにした。 


さて、病院にいる間は検査と測定以外はずっと母子同室で過ごしていた私たちだが、それでも何かあればナースに頼れる、という心強い環境にあった。 しかし、自宅に着いてからは夫婦二人で全てをやらなければならない。 私の母親を日本から呼び寄せるということも考えたが、まだ働いている上、英語も全くできないので、来てもらっても返って私の仕事が増えるだけだ。 有給休暇もそんなに沢山は取れないようなので、ある程度落ち着いてから初孫を見に来てもらうことにした。 よって、私たちは産後の究極に忙しい時期を誰に頼ることもなく二人で乗り切らなければならなかった。 


家に着いてみると、ホット一息を付くまもなく育児が始まる。 電気屋さんで買って来たコンピューターはプラグを繋いで電源を入れるまでその辺にほって置けるが、新生児の娘をその辺にほっておいてお茶でもするわけには行かないのだ。 赤ちゃんには取扱説明書も保証書も無い。 とにかく授かったその日から手探りで、生きていく必要最低限のお世話をしなければならない。 いざ始まってみるとなんと大変なことか! 相変わらず母乳の吸いが弱く、飲んでいるのかどうかもよくわからない。 オムツを替えているそばからおしっこやウンチをされ、ベビー服も何枚も取り替えなければならなかった。 娘は未熟児並みの小さい体で生まれてきたため、用意していた服が全て大き過ぎたので、夫に小さ目の服と赤ちゃん用のてぶくろ、そして爪切りを買出しに行ってもらうことになった。 


赤ちゃんの爪を切るのは初めてのことだったので、一番最初の時は特に緊張した。 こんなに小さい指にもしっかり爪が生えているんだな~と思うと、とても神秘的な気分に思えたが、そんな悠長なことを考えている場合ではない。 娘の爪はぐんぐん伸びて、すでに何箇所か顔を引っかいてしまっている。 残念ながら夫が買ってきた未熟児用のてぶくろもどうやら大きすぎたようで、はめてもすぐにするっと脱げてしまって意味無しとなってしまった。 こうなったら爪をこまめに切ってあげるしかない。 赤ちゃんの爪はすぐに伸びるので、最初の2週間は狂ったように娘の爪ばかりを気にしていた。 そのお陰で、気が付いてみたら自分の爪が1cm近く伸びていてびっくりだった。 

新生児のお世話は予想以上に大変。 2時間毎の授乳地獄に始まり、お洗濯の山に、睡眠不足ときたもんだ。 普通の状態だったらきっとぶっ倒れていたに違いない。 きっと妊娠後期(臨月)の寝苦しい夜を毎晩のように体験していたので、それがいい予行演習にでもなっていたようだ。 それに出産したという興奮がまだ残っているので、少々眠らなくても気合で乗り切れていたような気がする。 

 

さてさて、育児の大変さの最中赤ちゃんの天使のような寝顔を見れるのは親の特権だと思う。 きっと育児で心身ともに疲れきっている世の親に与えられた神様からのご褒美なのだろう。 ぶつ切りにしか眠れない日が毎日続いて疲れがピークに達し、キーっとなりそうになっても赤ちゃんの寝顔で一気に癒されてしまう。 あ~、この寝顔を見るために約10ヶ月間も妊娠に耐えてきたんだな~と、時々センチメンタルになったものだ。 出産直後はホルモンのバランスが崩れているので涙もろくなるというが、本当にそうだった。 私の場合、母親になった喜びと自分の子供が健康に生まれてきてくれたことが嬉しくて、娘の顏を見てはウルウルしていた。 大袈裟に言えば、人生で一番幸福感に満ちていた時期だったかもしれない。 そしてその幸福がこれからどんどん増えていくことを常に夫と共に祈っている毎日である。 

 

                     

                     寝ながらポーズをとる娘 2週目