長倉 洋海さんの
きみが微笑む時
から
あとがき
1980年以来、ぼくは世界のさまざまな紛争地を訪れ
戦争、破壊、虐殺……目をそむけたくなるような悲惨なできごとが、数多くあった。が、今ぼくの心に強くよみがえってくるのは、
出会った子供たちが見せてくれた笑顔
いつも僕を不思議な気持ちにさせていた
1980年、ソマリア・エチオピア国境の難民センター。路上のやせ細った少女を撮ろうと近づいた時、少女は僕を見上げ、ニコッと微笑んだ。
いかにも難民らしい悲しげな写真を撮ろうとしていた僕は
はっと虚をつかれる思いがし
自分が恥ずかしくなった
文化や言葉
住む環境が違っても
相手の笑顔をみるとホッとした
同じ人間なんだと感じられたとき
おたがいをへだてていた壁が
すぅーっと消えていった
いくつもの笑顔に出会い
励まされ助けられるうちに
カメラをかまえる僕にも
笑みが自然に湧いていた
微笑みを交わすことは
国境や民族などの違いを
一瞬で超える 最高のコミュニケーションだった
どんな時でも、まっすぐに相手を見つめ、微笑む子供たち
その笑顔を失わないおとながカッコいい
僕もそんなおとなになりたい
と思いながら
これからも写真を撮っていく
少しぎこちないけど
精いっぱいの微笑みとともに
2004年 11月
iPhoneからの投稿






