脳を訓練して思いやりを育むことは可能であると研究で示される、その2 | 真実と幸せ、科学をサポートする ラエリアンハニーリーです

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同情心を身につけることが出来たかどうかを実際に確かめるテストは、彼らが 
一度も会ったことのない人々を助けるなど、人々がさらに利他主義になること 
を望むかどうかを確かめるものだった。参加者たちにあるゲーム(「再分配ゲー 
ム」と呼ぶ)をやってもらい、その中で彼らには、必要としている誰かに応答 
し、自身のお金を使う機会が与えられた。2名の匿名プレイヤーが「独裁者」 
と「犠牲者」に分かれ、インターネットでゲームを行う。彼らは、独裁者が不 
公平な金額(10ドルの中から1ドルだけ)を犠牲者に山分けするのを観察した。 
それから彼らは、不公平な分配を平等にし、独裁者から犠牲者へ資金を再分配 
するために、(5ドルの中から)どのくらいの所持金を投じるから決めてもらっ 
た。 

「同情心の訓練を受けた人々は、認知の再評価の訓練を受けた人々よりも、不 
公平な扱いを受けた誰かを助けるため、自身のお金を利他的に使う傾向が高かっ 
たです」と話すウェンさんは、さらにこう続ける。 

「必要としている誰かにさらに多くを与える人々の脳の中では、何が変わって 
いるのかを私たちは見たかったのです。彼らは苦しみに対して、今やどのよう 
に違った反応を示していると思いますか?」とウェンさんは尋ねる。研究では 
訓練の前後で、機能的磁気共鳴画像法(fMRI) を用いて脳の反応の変化が計測 
された。MRIスキャナーの中で参加者たちは、泣いている子供やヤケドをした 
犠牲者などの、人が苦しんでいる様子を描いた画像を見せられた。そして、練 
習したスキルを用い、人々に向けて同情心を引き起こしてもらった。対照群に 
も同じ画像が見せられ、再評価としてさらに前向きにイメージを組み立て直す 
よう求められた。 

研究者たちは、訓練の最初から最後までを通じて脳活動がどのくらい変化した 
かを計測し、思いやりの訓練の後にもっとも利他的になった人々は、人が苦し 
んでいる様子を見た際に、脳がもっとも大きな変化を示した人たちであること 
を発見した。他者への共感と理解に関係する部位である、下部頭骨頭頂部皮質 
の活動が高まっていることを彼らは見出したのだ。また同情の訓練によって、 
前頭前野背外側部の活動も増加し、感情の制御やポジティブな感情と関係して 
いる脳領域の中隔側座核と情報交換を行うまで活動が拡大していた。 

人々は他の人達の苦しみに対してさらに繊細になるように思われますが、こ 
のことは感情的な能力が試されてもいるのです。顔を背けるよりも、気遣いや 
助けたいと望む気持ちで人々の苦しみに接しようと、彼らは自身の感情を整え 
ることを学ぶのです」とウェンさんは説明する。 

思いやりというものは決められたものではなく、身体的、学問的な能力のよう 
に、むしろ訓練と練習で高めることが可能なもののようだ。「わずか計7時間 
の訓練で、脳機能の改変という事実が観察されたのは注目すべきことです」と 
説明するのは、ウィスコンシン大学マディソン校で心理学と精神医学の教授を 
務めるRichard J. Davidson氏だ。(心の健康研究所の創設者で所長も務め、 
論文の第一著者でもある) 

「この種のトレーニングには数多くの応用範囲があります」とするDavidson氏 
はさらにこう話す。「学校で思いやりや親切のトレーニングを行えば、他者の 
感情のみならず、自身の感情にも調和することを子供たちが学ぶのに役立ち得 
ますし、イジメも減るでしょう。また思いやりのトレーニングは、社会不安や 
反社会行動などのような社会逃避を抱える人々にも、恩恵をもたらす可能性が 
あります」 

またウェンさんは、思いやりのトレーニングがいかに一般集団に役立ち得るか、 
ということについて興奮して次のように話す。「健康的な参加者たちを対象に 
私たちは訓練の効果を研究しましたが、これは平均的な人にも役立ち得るとい 
うことが証明されました。さらに多くの皆さんがこのトレーニングを利用し、 
1~2週間にわたって挑戦できるようにしたいと思っています。彼らの人生で 
どんな変化が訪れるのでしょうね」 

同情および再評価のいずれのトレーニングも、心の健康研究所のウェブサイト 
でアクセス可能になっている。「私が思うに、私たちはただ同情心が人々の人 
生をどれほど変容させ得るのか、と上っ面をなでているに過ぎないのだと思い 
ます」とウェンさんは語る。 


Source: http://www.sciencedaily.com/releases/2013/05/130522160352.htm