
西シベリアのタイガ
西シベリアのアガン川流域に
狩猟・魚撈・トナカイ飼育をしてくらす民の
ハンティという人々がいます。
西シベリアは、
古きシャーマニズムの揺籃の地とも言われている場所であり、
彼らハンティは、
その古き伝統を口承で伝える人々でもあります。
彼らの行うダンスの中には、
石器時代からの痕跡を残していると
そう言われているものもあるようです。
現在西シベリアは油田の採掘と
豊富な天然ガスの採掘により
世界中の投資家の耳目を集めてはいますが
自然は破壊されていき
自然とともに生きた彼らハンティも
最早かつてのような生活を続ける事が難しくなってしまいました。
焚火をするとき私らは火が森に広がらないように気をつける。
斧の刃が地面を傷つけないように気を付ける。
土地って言うのは私らにとっちゃ
傷つけたり皮をむいたりするもんじゃない。
自分の皮膚と同じだもんな。
この言葉を読んだとき
彼らがどのように土地と暮らしてきたのか
想像が出来る気がします。
文字を持たないハンティの
いつかは失われてしまうかもしれない唄を
ここに記しておきましょう。
あなたは、まさに火打石
あなたは、まさに火打石
あなたの父は、全能のトールミ
あなたは、父と母とともに歩む
あなたは、父母に清められ
父母より火となることを教えてもらい
父母より動物たることを教えてもらう
森を行き、他の動物と共に生きることを教えてもらう
もし、トールミがあなたを見捨てれば
森で生きる道はなく、動物として生きる道もない
たとえ道の途中で人の足跡見かけても
あるいは人に鉢ち合せしても
決して恐れることはありません
人はあなたの姉妹であり、兄弟なのだから
トールミの思召しにより出会うのだから
夢ゆめ姉妹、兄弟に闘い挑むことがないように
あなたは気高き神なのだから、
決して見間違うことはないでしょう
あなたが微笑めば、人は皆笑います
あなたがくつろけば、人皆同じようにくつろぐでしょう
人は皆、こぞってあなたを誉めたたえるでしょう
人は皆、こぞってあなたを崇めるでしょう
あなたは、家の腹についている眼から出てきました
家の中に留まることなく、眼を外に向けてください
夜の帳が上がる頃、あなたはここを立ち去ってください
終わりなき、務めの終わりの時が来たようです
※TOORUMI POJADより
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