サンブンノイチ、誕生秘話。
単純に金がなかったから。笑
15年前、大阪で劇団をやっていたんだけれど、美術セットを作る予算がない。役者の数も足りない。
じゃあ、どうする?
て、ことで、セットもなしで上演できる三人芝居を書いた。
初演の舞台設定は、山小屋。
キャバクラになったのは、東京に出てからなんだよね。
銀行強盗を終え、山小屋に逃げ込んできた三人の騙し合いの会話劇。
シンプルだけれど、妙な力強さがあった。
ただ、そんなに評判はよくなかったのを覚えている。
舞台監督をしていた女の子が、『何、これ?』って眉をひそめてたっけ。
だけど、少数の人は、おれと同じでサンブンノイチに可能性を感じてくれていた。
中でと、関西で有名なデザイナーの人が、『この作品をハリウッドの俳優たちがやるのが見えた』と言ってくれたのをおれは忘れない。
そのサンブンノイチを洋画が好きな、しかもタランティーノを敬愛している品川監督が撮るなんて、運命としか思えない。
夢は大きくハリウッド!