思い切って言ってしまうけど・・一緒に住んでもいいですか?」
優太は思わずベッドから立ち上がった。
「えぇぇ、四月から学校があるよね。
せっかく学校入ったのだから卒業した方が良いのではないかな・・」
幸子の声色も変わった。
「学校やめてもいいんだ!
東京に行ったのは、優くんの気持ちを確かめたかったからだよ。
私の迷いは消えました。今すぐにでも行きたいです」
――。
「そんなに急がないで。
少し冷静になってさ、考えた方がいいかも知れないよ」
それでも幸子は続けた。
「すごい冷静だよ〝どんな時も傍に居てくれるって言っていたじゃない〟」
優太はそんな言葉を幸子に言った覚えは無かったのだが・・
少し考えて思い出した。〝ひなたとのメールの内容だ〟
言葉を選びながら話した。
「言ったけど、あれはひなたとのメールで言ったものだよ」
幸子は受話器の向こうで黙り込んでいる。
「優くん ひどいよ。私を抱いたよね」
「ひなたはもういないんだよ、私を見て」
そんな言葉を聞いて優太は少し〝いらだっていた〟
「幸子、そんな言い方良くないよ!お姉さんだろ」
幸子は珍しく感情的になっていた。
「だから昔のメールなんて送りたくなかったのに!」と幸子が叫ぶ。
~
電話の向こうで涙を啜る音が聴こえた。
しばらくして優太は諭しながら幸子に言った
「とにかく、しっかり学校に行くんだ。また夏休みになったら遊びにおいで」
~
受話器を切る向こうに
「どうして・」と微かに聴こえた。
三月末頃。