きみ風45【事を急ぐ幸子】 | 大人の引きこもり・子供の不登校相談https://r.goope.jp/kubo-counseling/

思い切って言ってしまうけど・・一緒に住んでもいいですか?


優太は思わずベッドから立ち上がった。


えぇぇ、四月から学校があるよね。

せっかく学校入ったのだから卒業した方が良いのではないかな・・



幸子の声色も変わった。


学校やめてもいいんだ!

東京に行ったのは、優くんの気持ちを確かめたかったからだよ。

私の迷いは消えました。今すぐにでも行きたいです


――。


「そんなに急がないで。



少し冷静になってさ、考えた方がいいかも知れないよ


それでも幸子は続けた。


すごい冷静だよ〝どんな時も傍に居てくれるって言っていたじゃない〟


優太はそんな言葉を幸子に言った覚えは無かったのだが・・


少し考えて思い出した。〝ひなたとのメールの内容だ〟


言葉を選びながら話した。


言ったけど、あれはひなたとのメールで言ったものだよ


幸子は受話器の向こうで黙り込んでいる。


優くん ひどいよ。私を抱いたよね


「ひなたはもういないんだよ、私を見て」


そんな言葉を聞いて優太は少し〝いらだっていた〟


「幸子、そんな言い方良くないよ!お姉さんだろ」


幸子は珍しく感情的になっていた。


「だから昔のメールなんて送りたくなかったのに!」と幸子が叫ぶ。


 ~


電話の向こうで涙を啜る音が聴こえた。



しばらくして優太は諭しながら幸子に言った



「とにかく、しっかり学校に行くんだ。また夏休みになったら遊びにおいで」


 ~


受話器を切る向こうに


「どうして・」と微かに聴こえた。















 三月末頃。