相手の目を見て

話を聞きながら、

話を心地よく促進させる

リアクションをすることで、

相手は

「もっと話せる、もっと話そう」

という気持ちになる

 

よい「受け身」をすることで、

焚火(たきび)に

薪(まき)をくべるように

対話の温度が上がり、

対話の中身が

本質へと深まっていく

 

逆に、

「リアクションなし」の

聞き方は相手を

緊張させることになる

 

いくら話を真剣に

聞いていても、

微動だにせず

ずっと固まっていると、

相手は

「怒っているのかな」

「私の話、つまらない?」と

ドキドキしてしまう。

 

相手に伝わるように、

能動的に

「リアクションをする」と

意識づけることが大切だ

 

リアクションには

いくつか種類があるので、

できそうなものから

意識的に取り入れて、

体に染み込ませたい

 

対話のスキルは

才能ではない

 

トレーニング次第で

でも身につけられるものだ。

 

対話の場面で

繰り返し練習していれば、

いつの間にか無意識に

できるようになる

 

 

○レベル1 相づち

 

言葉を発しなくても、

相手の目を見て

話を聞きながら

首を縦に振るだけで

「あなたの話を聞いていますよ」

というメッセージになる。

 

安心して話を続けられる。

ただし、

相づちの打ちすぎは

軽い印象を与えて

逆効果なので、

適度なペースを守る必要がある

 

 

○レベル2 短いつぶやき

 

「はい」「ふむふむ」「なるほど」など、

受容・肯定のニュアンスの

短い一言を返すことで、

「あなたの話をちゃんと

理解しながら聞いていますよ」

というメッセージを伝えられる。

 

ただし、

あまり頻繁に発すると

うるさく感じさせてしまうので、

相づちと同様に

頻度はほどほどにしたい

 

僕は「そうだったのかぁ」「えっ」など、

気づきや驚きを表す

つぶやきも多用している

 

 

○レベル3 短い質問

 

リアクションの延長で

「短い質問」ができると、

話の深掘りにつながる。

 

例えば、

「なぜですか?」

「いつからですか?」

「どんなふうにやるんですか?」

「具体的には?」

「何がきっかけだったんですか?」

など。

 

事前に用意した質問ではなく、

相手が言ったことに対して

即座に反応する質問だ

 

間髪入れずに

短い言葉で返すことで、

対話のリズムを崩さずに

相手の話を盛り上げる

効果がある

 

特にレベル3の「短い質問」は、

話のポイントを逃さない集中力と

瞬発力が問われるので、

やや難易度が高い技術にはなるが、

意識的に磨くことで

対話力のレベルは

確実に上がる

 

対話がスムーズに展開し、

相手も自然と深い話が

できるようになるので、

「本音の交換」に近づく

 

「短いつぶやき」を

程よく差し挟む

リアクションについて、

もう少し詳しく説明すると

 

相手の話の内容に応じて、

「へぇー!」

「そうなんですか」

「それは意外ですね」などと

短く反応する言葉を

こまめに返していく。

 

あたりまえに

感じるかもしれないが、

案外、会話中の

リアクションワードを

おざなりにしている人は多い。

 

自分では反応しているつもりでも、

心の中にとどまってしまって、

言葉や表情などで

表に出ていなければ、

相手には伝わらない

 

すると、相手は

「あれ? 反応薄いな……。

あまり興味がないのかな」と

受け取って、

それ以上深い話をしなくなる

 

自分が思っているほど

感情は表に出ていないと心得て、

ちょっと大袈裟に

リアクションをするくらいで

ちょうどいいのだ

 

「リアクションといわれても、

カッコいい言葉が

とっさに出てこないよ」と

戸惑う人もいるかもしれないが、

難しく考えなくて大丈夫だ

 

超がつくほどシンプルに、

感じたことを口にすればよし。

 

イメージするならば、

情報番組で人気の

「食レポの第一声」が

よいお手本になる

 

食レポ、つまり、

食べ物を実際に口にして、

味や香り、食感を

紹介するレポートの第一声は、

「うまっ」

「美味しい〜」

「新感覚です!」など、

驚きや感動を表すシンプルで

短い言葉がほとんどだ。

 

しかし、この短い一言が

あることで、

その後の会話が

どんどん促進されていく

 

普段の会話においても

この食レポ感覚での

リアクションを取り入れると、

お互いの興味関心を

交換する熱の温度は

上昇間違いなし。

 

一つのお手本として

参考にしてみてほしい

 

「短いつぶやき」の

リアクションを

実践するときは表情豊かに。

 

イメージは「喜怒哀楽」

ならぬ「喜『驚』哀楽」だ

 

 

「喜」は、

話を聞いている途中や最後に、

「今日お会いして、

この話を聞けてよかったです」と

喜びを伝えることだ

 

「楽」は、

対話を楽しんでいる気持ち。

「すごいなぁ」

「いいですね!」

「聞いていてワクワクします」など、

ポジティブな感想は

どんどん口にしたい

 

「哀」は、

本気で悲しんでいるのではなく、

場を盛り上げるための

演出に近い表現だ。

 

「自分は全然できていませんでした」

「もっと早く知りたかったなぁ」

といった、

相手の話の価値の高さを

間接的に伝える

実はポジティブな

意味合いなのだ

 

そして、「驚」

僕が特に積極的に

口にしているのが、

「驚き」を表す

リアクションだ

 

たった一語の

「え!」だけでもいいのだ。

 

相手の話を聞きながら、

初めて知る情報に

触れたときに、

ぜひ声に出してみてほしい

 

「それは知らなかった!」

という驚き、

感嘆の気持ちを

そのまま外に表すだけでも、

相手にとっては

ポジティブな反応になる

 

「おや、この情報について

柊は知らなかったのか。

ならばもう少し丁寧に

話してあげよう」と

解説モードへと転換し、

さらなる「え!」や「へぇ〜」に

発展していく

 

もちろん、

既知の情報に対して

知らなかったように

振る舞う必要はないが、

少しでも興味の

アンテナが立ったら

「驚き」のサインを送るのが

おすすめだ

 

そこで初めて

出会う事実や価値観、

ものの見方を、

生身の人から聞けるチャンス、

つまり「学び」につながる

 

ちなみに、「え!」にも、

小さくつぶやくように発する「え」や、

目を見開いて大きな声で言う「えぇ!!」、

低いトーンの声と真顔の表情で放つ

「えっ!」など、

いろいろなバリエーションがあるので、

僕は状況に応じて

使い分けている

 

リアクションそのものを

単調にしない、

というのも大事なポイントだ。

 

シンプルで短い感情表現を

こまめに口にするよう、

心がけてみてはどうだろう

 

僕はどちらかというと

素の自分は

人見知りで

コミュニケーションが苦手だが

自分の仕事上

クロージング率をあげなければ

仕事は増えない

 

そんな時学んだのが

「聞くプロ」がさりげなく

実践しているこの3つだった

 

ビジネスにおいては勿論

普段の生活の中でも

この3つを押さえておけば

会話が弾み

家族との

心の距離も近づくと思う