自己肯定感とは、

文字どおり

「自分を肯定する感覚」

のことだ。 

 

この感覚は、

生きていくうえで

揺るぎない自信になる。

 

そして親の声かけ次第で、

子どもの自己肯定感を

高めることも、

低くすることも

できてしまう

 

9歳ぐらいまでに、

親の声かけで

自己肯定感が

高い子どもに育てると、

その後の受験や

困難に直面したときなどに

実力を発揮できる

 

一方、自己肯定感が低く、

自分に自信が持てない人は、

いざというときに

実力を発揮することができない

 

僕が学習塾で教えていたときに、

考えさせられたことがあった。

 

落ち込むことがあったとき、

みんなシュンとして下を向くが、

自己肯定感が高い生徒は

すぐに気分を切り替え、

上を向くことができたのだ。

 

「この違いは何だろう」

と考えたら、

自己肯定感が高い生徒の

お母さんたちは

子どものことを決してけなさず、

幼いときから

 

「あなたなら大丈夫」

「あなただったらできるよ」

と声かけしていた

 

自己肯定感について、

さらに考えるようになったのは

中小企業診断士の資格をとった時。

 

中小企業診断士は1次と2次があり

1次は択一問題で7科目

2次は記述問題で4科目

 

各合格率が2割程度なので

両方合格するのは4%くらいだ

 

合格後、合格者の何人かと

話をする機会があったが

実力がほぼ同じなのに、

1,2回のチャレンジで合格する人と

7,8回受けて合格する人がいた

 

僕が理由を聞くと、

「合格する人は、

根拠のない自信を持っている」と

言っていた。

 

この根拠のない自信こそが

自己肯定感かなと思った

 

試験当日、

わからない問題があると、

誰しもあたふたするが、

 

「自分ならできる」

「自分なら大丈夫」と、

何の根拠もないのに

思える人から

合格していたようだ

 

また自己肯定感が高い人たちは、

小学校6年間の成績が

よかったようだ。

 

彼らが

 

「幼いときに

勉強ができると、

揺るぎない自己肯定感に

なるんだよな」

 

と言っていた

 

たしかによく考えみると

幼いときに成績がよくて、

「自分はできるんだ」と思うと、

自己肯定感が高くなる傾向にある

 

それは自身が学習塾という場所で

子供たちと日々向き合う中で

常に感じていた事だ

 

ある時新聞記事で、

ある一流企業の入社試験では

 

「大学の成績表はいらない。

小学校の成績表を参考にする」と、

小学校の成績表を

面接に持参させていたことを知った

 

「基礎学力を

身につけてきた学生は、

入社後にいくらでも

伸ばすことができる」

 

からだったようだ。

 

その記事を読んで、

「やっぱり、

小学校の基礎学力は

大事なんだな」

 

「子どもが幼いときから、

自己肯定感を高める声かけを

することが必要」

 

だと強く感じた

 

また

「中学受験を経験した子は、伸びる」

という傾向がある

 

中高時代には成績が低迷していても、

中学受験の勉強で基礎学力を

しっかりと身につけていると、

その上に中高の勉強を

積み上げやすく

大学受験には

合格できるということだ

 

僕の教師時代の経験、

入社試験の話、

教え子たちの経験から、

子どもの自己肯定感を

高めるための親の声かけ、

小学校の頃の成績の大切さを

改めて感じた

 

小学生までに得た

自己肯定感は

生涯続く可能性が極めて高い

 

子どもが勉強や運動が

できないときに、

 

「何でできないの?」

「あなたは苦手なのね」

 

などのネガティブな言葉は、

決して言わない方が良い

 

そのような声かけをされると、

呪いにかかったようになり、

自己肯定感を持つことが

できなくなる

 

僕の両親は、

自己肯定感を下げる天才だったが

祖母は、どんな時も

僕を怒ることはほとんどなく、

いつも褒めてくれた。

 

かつてこんなことがあった

 

その子は勉強はよくできたが

体育や運動が大嫌いだった

 

特に、自分の足の遅さを

ことのほか気にしていた

 

僕はその子に

「足の速さなんて

ある程度トレーニングで

早くなるかもしれないが

生まれつきに近いものがあるから

速い子に勝てなくても

気にしなくていい

 

運動は走る事だけではないから

その他で勝てるものを探せばいいし

無ければないで気にする必要はない

 

と声を掛けたが

その子はその呪縛から

逃れる事が出来なかった

 

理由は

その子の両親はともに

足が速かったから、

その両親は遅い子の気持ちが

わからなかったんだろう

 

小学校の運動会で、

徒競走を見た両親からは

「スローモーションを

見ているみたいだった」

と言われ、

同じ学校に子どもを通わせている

その両親の友人からは

「お父さんもお母さんも

メチャクチャ足が速かったのに」

と言われ続けたようだ

 

大人は何気なく言っていた

だけかもしれないが、

走るのが遅いのは

どうしようもないことなのに、

周りからひたすら

そのことを言われ、

だから運動会が

大嫌いだった

 

大学生のとき、

健康教育の授業で

「運動会の想い出」を聞かれて、

その時の話をすると

先生がけげんそうな顔で

 

「その子のご両親は、

日曜日に運動会の練習を

してくださらなかったの?」

 

といった。

 

その言葉を聞いて、

「あの子の両親が

速く走るコツを

教えてくれていたら、

あの子はもう少し

速く走れたかも」

と思った。

 

練習して

少しでも

速く走れるようになったら、

ちょっとは

運動が好きになったかもしれない

 

あの時の生徒は

運動に関しては

自己肯定感を

まったく持てなかったので、

いまだに運動は嫌いだそうだ

 

小学生までの子どもに

何か苦手なものがあるとき、

勉強なら

「一緒に勉強してみようか」と

声をかけて

教えてあげてほしい。

 

運動なら

「一緒に練習してみよう」と

声をかけて

練習につき合ってほしい

 

9歳ぐらいまでの

勉強や運動なら

親も教えられると思う。

 

一緒にやって

少しでもできるようになれば

「できるようになったね」と

褒めてあげてほしい。

 

親の言動で

自己肯定感を持たせることが

大切なのだ

 

なぜなら

子供が最も影響を与えるのは

他でもなく親だからだ