特殊といわれる
中学受験の算数は、
後々の「数学力」に
生きるのだろうか?

中学受験ブームが過熱する中、
あえて小学校のうちから
高校受験でトップ公立高校や
早慶付属校を見据えて
勉強を進めていくという
勢力が近年台頭している

今回はあえて
中学受験は避けて
高校受験するメリットを

お伝えしたい

 

よく言われている

中学受験の弊害として、

算数の問題が

数学とあまりリンクしていない

クイズのような難問に

なってしまっており、

数学的思考力に

良い影響を与えないのではないか

という論点がある
 

中学受験の算数は
一般的な公立小学校で習う
簡単な算数とは異なり、
中学以降で学んでいく
数学とも性質が異なる
「中学受験算数」という
きわめて独特な分野として
確立されている
 

その中でも代表的な
中学受験の算数の分野に
「つるかめ算」と
言われているものがある。

これは
「足が2本のつると、
足が4本のかめが合わせて
15匹います。
足の数は合わせて42本です。
つるとかめはそれぞれ
何匹いるでしょう」
といった問題だ
 

中学範囲の連立方程式を
学んだあとであれば、
つるの数をx、かめの数をyと置き、
「x+y=15」「2x+4y=42」と
2つの方程式を用意することで、
加減法や代入法を用いて
x=9、y=6と導き出すことができる
 

しかし小学校範囲では
中学範囲の方程式を
教えないことになっているので、
xやyといった文字を使わない
解法が採用されている

例えば次のように考える

 

「つるの数を15匹、
かめの数を0匹と仮定すると、
足の数は15×2=30本となり、
合わせて42本という条件に対して
12本足りません。

つるとかめを
1匹ずつ交換していくと、
1匹交換するごとに足は
4−2=2本ずつ増えていくので、
12本増やすには
12÷2=6匹交換する必要があります。

最初につるは15匹、
かめは0匹と仮定していたので、

つるは15−6=9匹、
かめは0+6=6匹が正解になります」

いかがだろうか?

 

自分で書いてみて思ったが

「よくわからん」

という方も多いのではないだろうか?

しかし塾では

これが当たり前なのだ
 

他にも面積図や表を使って

考えていく方法や、

 

方程式のxやyの代わりに

「△」や「□」といった

記号を用いて解く方法など、

中学範囲の連立方程式を

理解している人にとっては

遠回りと思えるような解法が

様々ある

 

これは、

文科省の学習指導要領により

方程式は中学から習う内容と

なっているため、

小学生を対象とした

中学受験では

出題できないという事情がある。
 

頭の体操になったり、
順を追って物事を整理していく力は
付きそうだが、

この解き方をひたすら
演習するくらいなら、

中学範囲の数学を
少しでも先取っていった方が
後々の「数学力」に
生きてくる気もするだろう

ただ、就活における
「SPI」などの数的分野で
出題される問題が、
こちらの「中学受験算数」と
酷似しているため、
中学受験の経験者は
ここでは面目躍如することになる。

6年後の大学受験数学には
あまり結びつかないかもしれないが、
10年後の就職試験の際に
ちょっと役立つことはありそうだ

 

中学受験組で
大学受験に苦労する人には、
英語の勉強をおろそかにした
という共通点がある。

これは中学受験組の
最大の弱点と言っても
過言ではないだろう。


現状では中学受験では
英語が受験科目にないため、

中学受験に専念するためには

英語を勉強する余裕が

なくなる。

幼少期から
英会話教室に通っていたような
家庭でも、
中学受験対策を理由に
教室を諦め、
中学受験対策塾に
シフトするようになる
 

語学習得のためには
幼少期からその言語に
触れておくのがいいのは定説だが、

中学受験に挑むために
英語の勉強をストップする家庭も
少なくない

ただ、近年は中学入試でも
英語を導入するところも
出てきている

 

また高校受験では

英語が受験科目になるため、

高校受験対策を経験した人は

その段階で英語力が強化されるが、

中学受験組は

高校受験を経験しないため、

英語の対策が

どうしてもおろそかになりがちだ

 

優秀な中高一貫校に

入った人より、

そこそこの公立高校に

入った人の方が英語力が高い

という話もよく聞きくが、

 

たしかに高校受験を

突破するために本気で

英語を勉強する経験は

英語力向上に

大きな影響を与えるだろう

 

ちなみに開成高校や
筑波大附属駒場高校、
日比谷高校といった
最難関クラスの学校に
合格する高校受験組の英語力は、
すでに英検2級〜準1級クラスであり、
日東駒専
(日本、東洋、駒沢、専修大学)
〜GMARCH
(学習院、明治、青山学院、
  立教、中央、法政)
の大学受験生並の
英語力を身につけているとも
言われている

中学卒業時点で
これだけの下地があれば、
3年後の大学受験では
かなり有利に働くだろう

 

ということで、

中学受験のために

小学生の間に英語を学習せず、

その後も受験としての英語学習を

おろそかにしてしまった

中高一貫の生徒は、

大学受験で重要科目となる英語に

苦しめられることになる

 

実際、御三家や筑駒、灘

といった最難関中学の生徒の

下位1割は、GMARCHや

地方国公立も厳しい学力となっており

 

彼らは「深海魚」と呼ばれている。

 

彼らは12歳時点では

全国トップクラスの

算数や国語の力があったので、

その貯金で数学や国語は

そこそこできることも多いが、

やはり英語はどうにもならない

 

中学入試でも触れず、

最重要受験科目である英語を

サボり倒してきた彼らは、

小学校時代に

缶蹴りや鬼ごっこに明け暮れていた、

公立のちょっとできる生徒たちに

大学受験で敗北することになる

 

大学受験やその後の

語学を生かした就職などを

見据えた場合、

中学受験に充てる労力で

英語を先取り学習したり、

英会話スクールに通うなどした方が

効率が良いのかもしれない

 

ここは僕の中でも

賛否が分かれているため

次回は敢えて

「中学受験のメリット」

という真逆の視点で

考察してみたい