いま、ChatGPTという

強力な手段が現れた。

 

これを用いれば、

学校教育で不十分だった点を

補完できる。

 

学校などの教育機関や政府は、

こうした変化をどのように捉え、

対応していくかを、

真剣に考える必要がある。

 

ChatGPTを用いた勉強は、

独学をする場合にとりわけ便利だ。

 

家庭教師に教えてもらうのと

同じようなことになるからだ。

 

独学をする場合に難しいのは

カリキュラムの作成だが、

それを示してもらうことができる。

 

自分が現時点で

どんなことを知っているかを説明し、

目標を指し示す。

そして、

これらの間隙を埋めるには

どのようなことを

勉強すればよいかを教えてもらう。

 

また、標準的な教科書を

教えてもらうこともできるだろう。

ChatGPTの有効性は
教科ごとに大きく異なる

ただし、

どの科目においても

ChatGPTが同じように

有効であるわけではない。

 

ChatGPTの有効性は、

科目によって大きな違いがある。

 

まず、外国語や国語の勉強には

たいへん有効だ。

 

しかし、数学については、

ChatGPTだけでは勉強できない。

 

それは、ChatGPTは

数学の問題に

誤った答えを出す場合が

多いからだ。

 

これは、多くの人々が

ChatGPTについて漠然と抱いている

イメージとは違うものだろう。

 

理科や社会では、

ChatGPTによる誤った答えに

どのように対処して勉強を

進めていくかが

重要なポイントになる。

 

学校での伝統的な教育方法は

一律であり、

すべての学生に

同じ教材や方法で

指導を行なっている。

 

しかし、学生は多様であり、

一律の教育は最適とはいえない。

 

まず、

学生の学習スタイルや

能力に合わせた教材や問題を

作成する必要がある。

 

また、

学生の成績、興味、学習方法などの

情報に基づいて、

個別化された教材や問題を

用意する必要がある。

 

要するに、一人一人の学生が

最も効果的な方法で

学習を進められるように

する必要がある。

 

しかし、これまでは、

そうしたことを実行するのは

難しかった。

 

何よりも、人手が足りない。

ところが、

ChatGPTを利用することによって、

これが可能になる。

 

具体的には、つぎのとおりだ。

ChatGPTが家庭教師になる

まず、学生の学習進度や

理解度に合わせて、

学ぶべき内容や

難易度を調整できる。

 

また、

学生の弱点に合わせて

問題集を生成できる。

 

さらに、

学生の興味や趣味に関連する

情報を取り入れた教材を

提供できるようになる。

 

こうして、

個々の学生のニーズや

ペースに合わせた学習が可能となり、

学習の効果が高まる。

 

個々の学生の興味や

ニーズに対応した教材や問題を

提供することによって、

学習のモチベーションを

向上させられるだろう。

 

この点で、

ChatGPTは強力なツールとしての

潜在能力を持っている。

 

これによって、

教育の手法が変わるだろう。

 

ChatGPTは、

教師というより、

チューター、

つまり家庭教師のような存在になる。

 

現在のところ、

ChatGPTの能力は十分ではないが、

今後、改善されていくだろう。

 

とくに、ChatGPTとの

API接続を利用した

様々な教育アプリが登場するはずだ。

 

API接続とは、

外部のアプリケーションを

APIを使って連携させ、

機能の拡張を図ることだ。

 

開発者は、

ChatGPTが公開している

APIを利用することによって、

自らが開発するアプリや

サービスにChatGPTの機能を

組み込むことができる。

 

これによって、

世界中のすべての子供たちが

家庭教師のような

丁寧な指導を受けることが

可能になる。

 

その効果はきわめて大きい。

 

開発途上国の子供たちも、

この方式で

学べるように

なるかもしれない。

 

また、

日本でも所得による制限がなくなる。

 

こうした新しい教育方式に

適応する社会を

形成できるかどうかが、

問われることになる。

 

また、

学校教育だけでなく、

社会人教育、

リスキリング、

高齢者の生涯学習、

資格試験のための学習

などにも大きな影響を

与えるだろう。

 

政府は、

リスキリングに

補助金を出すのではなく、

むしろ、こういったアプリを

無料で利用できるようにすべきだ。

さてChatGPTの時代に
人間の教師は生き残れるか

ChatGPTが勉強の在り方を

大きく変える時代に、

人間の教師の役割は残るだろうか? 

人間の教師は依然として必要か?

 

この答えは、

教科によってかなり違う。

 

まず外国語については、

基本的にはChatGPTのほうが

優れている。

 

だから、

人間の教師の必要性は

大きく減少するだろう。

 

国語についても

似たことがいえる。

 

しかし

ChatGPTは論理の進め方を

誤ることがある。

 

だから、

正しい論理を教えるのは、

人間の教師の役割だ。

 

 

数学については、

人間の教師の役割は大きい。

 

したがって、

学校での教育も、

これまでと

ほとんど変わらない形で

続くだろう。

 

なぜなら、

数学については、

ChatGPTの能力に

大きな疑問があるからだ。

 

英語や国語は言葉の勉強である。

これらは、細かい方針がなくても、

勉強を進めることができる。

 

文章を書いて、

それをChatGPTに

直してもらうことを

続けていけばよい。

 

そうであっても、

学ぶべき本当に重要なことが

何であるかは、

教師が教えることだ。

 

ChatGPTを用いると

興味が尽きないので、

面白い小説を読むように

どんどん進んでしまうことがある。

 

しかし、

興味のままに

進んでよいというわけではない。

方向づけを誤ってはならない。

 

とりわけ数学や理科がそうだ。

これらは、理論の体系である。

これらを学ぶには、

どうしても教師が必要だ。

 

社会科についても

同じことがいえる。

 

こうしたことがあるので、

どの教科においても、

「何をどのように学ぶか」

というカリキュラムは

教師が作る必要がある。

 

これは、ChatGPTが

準備することもできるが、

最終的には人間の教師が

判断することが必要だ。

 

ただし、

社会人の場合には、

ChatGPTに

学習のカリキュラムを

作ってもらって、

独学することが有効だ。

 

何の指針もなしに

ただChatGPTを与えられても、

生徒や学生は、

何をどうやって

勉強したらよいのか分からず、

途方にくれるだろう。

 

だから

 

「ChatGPTをどう使うか? 

どのような質問をしたらよいのか?」

 

ということを教える必要がある。

 

ある程度ChatGPTに慣れれば、

使い方そのものを

ChatGPTに教えてもらうことができる。

しかし、

少なくとも最初の段階では、

ChatGPTの使い方を教えるのは、

人間の教師の役割だ。

 

どのように質問したらよいのかを

教えることは、とりわけ重要だ。

 

また、

学校教育においては、

個々の生徒や

学生の成績評価をする必要がある。

 

これについても、

ChatGPTにかなりのことができるが、

その範囲は限られている。

 

総合的な判断は、

人間の教師が行なう必要がある。

 

なお、様々な調査によれば、

学校の教師の業務の大半は、

教えることというよりは、

雑務だという結果になっている。

 

こうしたことを

効率的に処理するために、

ChatGPTの果たす役割は大きい。

 

以上で述べたように、

ChatGPTがいくら性能を高めても、

人間の教師がまったく必要なくなる

といった事態は考えられない。

 

ChatGPTの時代における教師の役割は、

カリキュラムを作り、

何をどのように勉強すべきかを示し、

採点をする。

 

そして、ChatGPTの使い方を

教えるということが

中心になるだろう。

 

これらは、

現在の教師の役割とは

かなり違ったものになる。

 

こうした変化に

対応できるかどうかが

重要な課題だ。