保護者の方々は

「負けず嫌いな子」に対して、
どんな印象を
持っているだろうか?
 

勉強でもゲームでも、

負けるのが嫌で、

「ズル」してまで

勝とうとするような子もいる

 

将棋や囲碁で負けそうになったら、

盤面をひっくり返したり、

テストでも

どうしてもいい点を取りたくて

カンニングしたり……。

 

もちろん、嘘をついたり、

ズルをするのはよくないが、

そういう子に対して

「この子はダメだ」と

レッテルを貼ってしまうのは

もったいない

 

実は負けず嫌いなのは、

とてもいい傾向なのだ。

 

今回は、

「負けず嫌いな子の成績の伸ばし方」

について過去の経験や子育てを通じて

学んだことをお伝えしたい

 

以外に思われるかもしれないが

 

「勉強と怒りの親和性が高い」

 

できないところが

できるようになるのが勉強であり、

できないところに対して

ちゃんと怒れる人のほうが、

成績を上げやすい

 

ただ、もしかしたら

保護者の中には

こう思う人もいるかもしれない

 

「勉強に対して

『負けず嫌い』を

発揮してくれたらいいけれど、

うちの子はそれ以外の面でも

『負けず嫌い』なんだよな」

 

「勉強以外のもの、

ゲームとかスポーツでも

『負けず嫌い』な場合もあるから、

一概に『負けず嫌い』のほうが

いいってことはないんじゃない?」

 

しかし実は、東大に合格する生徒は

その多くが勉強以外の面も含めて

「負けず嫌い」だと言われている

 

勉強以外の物事も含めて、

些細なことから、

さまざまな勝負事に対して

負けず嫌いで、向上心が高い

 

塾のテストで点数を気にする、

入試のときの点数を話す、

といった学力面においてだけ

ではない。

 

学校のスポーツ大会や、

部活、文化祭など、

勉強以外のちょっとした行事でも

本気で勝負する傾向がある

 

「頭いいんだから、

別に勉強以外のところで

そんなに熱くなること

ないんじゃない?」

 

と思うかもしれないが、

スポーツだろうが

なんだろうが、

本気で彼ら・彼女らは悔しがる

 

こんな話がある

 

東大合格者の多い

開成高校や麻布高校などの

超有名進学校は、

どこも運動会が大人気で、

受験を控えた高校3年生でも

気合十分で運動会に挑み、

本気で喜んだり

本気で泣いたりするのだそうだ

 

そうした高校の先生曰く、

「本気で勝ち負けに

こだわっている高校3年生ほど、

受験で東大をはじめとする

名門大学に合格できる場合が多い」

のだそうだ

 

どんな勝負でも、全力を出す。

勝ったら本気で喜び、

負けたら本気で悲しむ。

 

そういう生徒にとっては、

勉強か勉強以外か

といった垣根なんてないのだ

 

むしろ、

「勉強は全力を出せ、

勉強以外は全力を出すな」

 

というような指導は、

子どもにとっては

息苦しいものであり

親から管理されている感覚に

なってしまう

 

これを続けていると、

負けず嫌いの子のよさが潰され、

結局勉強でも全力を出せない

子になってしまう

 

「ゲームでもスポーツでも

本気で挑むように」

 

と指導したうえで、

 

「なぜゲームやスポーツと違って、

勉強では本気を出さないのか」と

指摘したほうが、

子どもにとっては響く場合が多い

 

保護者や先生にお願いしたいのは、

きちんと子どもに

「どんな勝負に対しても、

全力を出す心」を

持たせてあげることだ

 

そのためには、

一緒にゲームや遊ぶときでも、

子どもだからといって

手を抜かないことが大事だ

 

よく、子どもが

異常なまでに負けず嫌いだと

「そんなに悔しがるな」と

言う保護者や先生がいるが、

そうではなくて、

向き合ってあげることが

必要だと思ってきた

 

親から見て、

「そんなくだらないことで悔しがるの?」

というようなことがあっても、

「くだらないことでそんなに執着しないの!」

とは言わず

 

「悔しいね。

次はどうすれば勝てるかな?」と

相談に乗ってあげることが重要だ

 

こうした姿勢を持っている大人が

周りにいるかどうかは、

子どもの成長にも

大きく関わってくる

 

大手学習塾勤務時代

担当した生徒で、

授業中に踊り出す子がいた

 

「なんで踊ってるんだ?」

と聞いたら、

「正解したことが嬉しくて!」

と言っていた。

 

周りは大爆笑だったが

それくらい感情豊かで、

勝ったときには喜んで、

負けたときには

泣くほど悔しがる子というのは、

成績が伸びやすい

 

実際、踊り出したその子は

その後、横浜国立大学に

合格した

 

また、塾で

多くの生徒を見ていると、

毎年一定数、

「こちらを言い負かそう」

としてくる生徒がいる

 

「先生はこう言っていましたけど、

こうなんじゃないですか?」と

聞いてくるような、

一般的には「生意気」と

呼ばれる生徒だ

 

意外に感じるかもしれないが、

こういう生徒の成績は

かなり伸びる場合が多い。

 

先生に対しても

しっかり勝負を挑み、

先生も全力でぶつかると、

生徒は大きく

レベルアップすることがある

 

当時僕は毎年、

そういう生徒がいると

「お!今年も来たな!」と

なんとなく嬉しく感じていた

 

どんな「負けず嫌い」も

受け入れてあげることが、

その子の成長につながる

 

そういう目で子供を見てくれる

大人がひとりでも多くいれば

その子は限界を突破して

ぐんぐん伸びる事を

知ってほしい