「試験までは死ぬ気で頑張る」

そう言ったので

もう2週間延長するため

入学手続きを取った。

 

塾は原則火木土の3回

しかしテスト対策の一環として

日曜日も行っている。

 

日曜日は

10:00から20:00まで

普段なら嫌そうに思うが

 

めったにない家内のお弁当を

持っていける事もあり

本人は嬉しそうだ。

 

よく月曜日

「おとた、おとた!テスト範囲出たよっ!」

 

「なぜにそんなに興奮してるの?」

 

「見てよ!教科書とワーク以外からも

今回出題されるよ!

とうとう応用問題が出るよ!」

 

娘から試験範囲表を見せてもらう

 

確かに

 

「教科書、ワークを

しっかりやるだけでなく

 

そこで学んだ知識を活かした

応用問題も出します。

しっかり準備しましょう」

 

と、どの教科にも書いてある。

 

(よかった・・。

3年間教科書とワークなら

入試に対応出来ない・・)

 

「力試しの問題が出るのは良い事だ。

成京学院での勉強が

活かせるといいね」

 

「50M走に例えれば

あいつらもゴールラインの先5Mに

自分のゴールラインを

引いてるだろうからね、

 

あたしは更にその先の50M先に

ゴールラインを引くよ」

 

(それはあくまで「例え」の話であって

ゴールラインを伸ばせばいいと

いうものじゃない・・・。

っていうか、100M走じゃん

競技自体が変わってるよ・・・。)

 

「ところでさ、日曜日は

分かるんだけど

月水金も毎日来てね、

って話になって

全く家で勉強できない」

 

「補習でしょ?

前も言ったけど

そこは自分で言いなさい」

 

「自分でやります、って言っても

一緒にやろうって言って

断っても断っても

粘ってくるんだよ。

 

どんだけあたしは

ヤバいと思われているんかね?」

 

(いや、月末退学を全力で阻止する

それが狙いだ。

 

ましてや特進クラスから

退学者が出れば

上から相当怒られるだろう

 

向こうも本気を出してきたか…)

 

とは言えない。

 

「はーちゃんらしくないね。

無理です!って言えば

いいだけでしょ?」

 

「だってさ、

すごく丁寧にマンツーマンで

見てくれるんだよ。

 

他の子も一緒なら

断りやすいんだけど

さすがに言いづらいよ・・・」

 

(あなたもそう言う空気

読めるようになったんだ・・・)

 

「いずれにせよ

 

塾に頼るのではなく

塾を利用する

 

それが本来の

あなたの信念な訳だから

言うべきは言う。

 

むしろあなたに

こんなアドバイスを

する日が来るとは

夢にも思わなかった

 

いずれにせよ

どうしたいか?

お父さんがどうこう言う事じゃない」

 

「大人の綱引きに」翻弄されつつも

自分なりには精一杯頑張った

そんな1か月だった。

 

そして試験が終わり

結果が返ってくる

 

英語:94点

数学:98点

国語:92点

理科:97点

社会:96点

 

問題を見る限り

理科と社会は

多少細かい知識や

キーワード説明の問題もあったが

教科書、ワークが完璧なら

取りこぼすような問題はない。

 

そして、さすがトップ2だ。

 

彼らは当然どちらもここは

取りこぼしていない。

きっちり満点を取っている。

 

英語は平均が40点を切っていたが

その背景はおそらく長文読解と

10分にわたるリスニングだろう。

 

聞かされている時間が長い

これだけ長いとあらかじめ

問題を頭に入れておき

 

今どの問題の話をしているのか?

聞き逃したら取り返せない。

 

ここは成京さんの

「英語による英語の授業」

このおかげだ。

 

数学も平気点が5割を切っている

最大の難所は

比例の動点の問題が

勝敗を分けただろう。

 

教科書やワークでは

底辺部分しか移動しないが

テストでは

 

四角形ABCDのA点から出発し

A点まで戻ってくる。

 

ABの長さに対し動点Pの

移動により図形の変化と面積の変化

を変域を区分けしながら

それぞれの式と面積の変化を求める。

 

 

BC間は三角形

これはワークでやっている。

 

CD間は面積一定に気付けたか?

 

DA間も落ち着いて取り組めば

イメージできたはず

 

さらに言えば

 

AB間は図形にならない

 

AB間をどう処理するか?

多くの生徒が悩んだだろう。

 

そこまで想定して対策している

 

国語は初めて「論文」が出た。

テーマは「協力」

指定キーワードが10個

参考資料がA4 で1枚

 

娘の解答を読む限り

20点満点でもおかしくない

ように思ったが、

実際は16点だ。

(字が汚いからか?)
 

ここは先生の模範解答を

見ないと何とも言えん。

 

聞き取りテストも10分超

集中力も大事だが

キーワードを聞き逃さず

きちんとメモできたか?

 

そこも差になっているだろう。

 

いずれにせよ

理科社会は範囲が広いという

問題はあったが

難易度は普通

 

英語、数学は

入試問題を意識した

なかなか手ごたえのある問題だ

 

国語も論文と聞き取りテストは

差がついた部分だろう。

 

しかし、成京学院は

この論文対策も

聞き取りテスト対策もしていた。

 

僕の感想としては

多分成京学院のテスト対策を

受けていないと

ここまでは拾いきれて

いなかっただろう。

よく学校を分析している。

 

結果クラス1位

224人中、学年4位

 

 

そしてやはりトップ2は

例の900点満点の子だった。

 

残念ながら

1か月程度の特訓では

やはり彼らには

追い付けなかった。

 

僕は敢えてそこには触れず

 

「なかなかの手ごたえのある

問題だ。

教科書、ワークだけなら

理科社会以外は80点台でも

善戦だ。

よく頑張ったね」

 

といったが

目を真っ赤にして

涙を流す

 

「今回も勝てなかった・・。

過去最高に頑張ったのに

あの化け物コンビ、

どんな頭の構造なんだよ!

 

あいつら宇宙から来たんだよ

人間の姿をしているだけだ!

侵略するんだよ

みんなあいつらに

やられるんだよ!」

 

(侵略するのに塾に通って

勉強するんかい・・・)

 

 

因みにトップ2は

1人が496点

もう一人が492点

 

どちらも数理社3教科は満点だ。

 

長女との差は決して小さくない。

 

今回の対策により

長女の力でも十分

数、理、社は満点が取れる

 

実際合計ではクラストップだが

理社の満点はそれぞれ1名いたようだ。

 

仮に数理社での取りこぼしが

なくても、全く変わらない。

 

というより彼らは

絶対取りこぼさない

 

点数の差ではなく

ここの差の方が大きいかもしれない。

 

(それ以前に移項の

項の字を間違えて98は痛い...

この問題、落とした生徒

長女以外いるのか?

 

敢えて突っ込まなかったが

問1の(1)でいきなりミス

長女らしい....)

 

彼らに追いつくにはどうしても

複数満点が必要だ。

 

点数以上に

彼らと長女には

まだまだ大きな壁がある。

 

「はーちゃん。

目標を持って頑張る事は

とても大事だ。

 

そしてあの厳しい特進クラスで

1か月間よく頑張った。

 

さすが近隣の教室から

精鋭が集まった

クラスだけはある。

そして先生の質も高い。

 

そしてなにより

どんな点であれ

「悔しい」と思う気持ちは大切だ。

次に向けての大きな糧となる。

その気持ちは忘れない様にしよう。

 

敢えて聞きたいのだけど

例のトップ2の子と

はーちゃんを比べたとき

どこに「差」が出たと思う?」

 

「そりゃあ点数でしょ?」

 

「それは結果論だ。

そこじゃないよ

 

もっと大事な部分で

まだまだ彼らとの

圧倒的な「差」がある。

 

それが何か教えよう。