入社した頃は

 

入社面談

新卒内定者研修

新卒研修

 

これらすべてを

人事部が仕切っていた。

 

そして僕が教室長の後期から

エリアマネジャーの頃

 

「シュガー社員問題」

 

これが社内では

大きな問題になっていた。


 

エリアマネジャー時代

様々なクレーム対処をしてきたが

事この「シュガー社員」の対処は

心身共に

やられることが多かった。

 

そして、採用、内定者研修

 

あるいは中途入社面談等

 

人事部だけでは厳しい

という事になり

各事業部も人事に介入し

 

「人事任せ」体質からの脱却の

大きな分岐点となった。

 

 

ところで「シュガー社員」とは

どういう社員の事か?

 

ビジネス用語に詳しい方なら

知っている方も多いかと思うが

 

社労士の田北百樹子 氏が提唱し

結構社会問題にもなった。

 

彼女が提唱した定義に沿えば

 

「新入社員や

社歴の浅い中途社員で

モラルに欠けている

にもかかわらず

自己正当化して

ふるまう人物」

 

という事になっている。

 

ちなみに彼女が提唱する

「シュガー社員」には

5つのタイプがある

 

①「ヘリ親依存型」

 

これはいわゆる過保護な親が

子供の上空でホバリングしながら

待機し、子供(社員)に何かあると

急降下して会社にクレームをつける

 

ヘリ親は勝ち組である自分の子供を

「万能だ」「特別な存在」だとして

1mmも疑わない。

 

 

この業界は完全な「夜型」だ

授業は21:45に終わるが

就業規則上22:30まで

となっている。

 

分かって入社してきたはずだが

この「ヘリ親」には

エリアマネジャー時代

結構やられた。

 

「何でうちの娘は

帰りがいつも

深夜なんだ!」

 

そう言うクレームが入ると

もはや教室長では

対処できない為

僕が出動する事になる

 

詳しく話を聞くと

 

毎日自宅に帰るのが

深夜0時を回るという。

 

結婚もしていない

まだ20代後半

こんな遅くまで

仕事をさせる会社は

頭がおかしい

責任者を出せ

 

という事だ。

 

出動要請が入り

社員の父親が待つ教室に

向かう途中

まずは言いたい放題言わせ

落着いたところを見計らって

順番に説明するしかない。

 

車の中で何度も想定問答を作り

シミュレーションする。

 

確かに自宅(実家)に帰るのは

深夜0時になることが多いようだ。

 

しかしよく聞くと

通勤時間に

片道1時間30分も

かかっている

速攻で帰っても

深夜0時は避けられない。

 

さてどう納得してもらおうか?

 

就業規則を見せ

規定の22:30には

きちんと帰らせている事

 

通勤時間上物理的に

11時台に帰るのは

不可能だ、と説明しても

全く受け入れない。

 

隣で父親が

がなり立てている一方

 

申し訳なさそうに

しぼんでいるならともかく

本人は他人事の

ような態度だ。

 

「どうしてくれるんだ?」

それはこっちのセリフだよ。

 

そう言いそうになるが

冷静に対処しなければ

ならない。

 

「〇〇先生の帰宅を

11時台にするには

通勤時間を短縮するしか

方法はありません。

 

一人暮らしは

検討できませんか?

 

勿論弊社では物件の紹介や

敷金礼金は全て会社がもち

 

30歳までは会社から

最大5万円の家賃補助も

出していますし、

引っ越し代も全額弊社が

負担します

 

流石に毎日片道1時間半は

厳しいのではないでしょうか」

 

「は?何を言っているんだ

一人暮らし?

まだ20代後半だぞ

あんたは上司として

そんなことも分からんのか!」

 

(20代後半なら、もう十分

身の回りの事は

自分でできるだろう)

 

「弊社では地方から

出てきている職員もいますし

20代で一人暮らしを

している社員の多くいます。

 

逆にお聞きしたいのですが

一人暮らしがダメな理由は

何でしょうか?

弊社としてご協力できることは

させて頂きます」

 

「あんたね?

まだ結婚もしていないんだよ

家事も炊事も掃除も

一切やらせたことなど

ないんだよ!

 

いきなり一人暮らし

なんてさせたら

死んでしまうだろうが!

そんな想像もできないのか」

 

(できねーよ。

っていうか、

あんたは自分で

自分の娘が無能だと

言っている事に

気づいているのか)

 

「では、

お父さまのご希望を

教えていただけますか?

 

弊社としてできる事は

させて頂きます」

 

「まずね、少なくとも

11時台には家に帰らせろ

話はそこからだ」

 

「今の通勤時間を考慮すると

物理的に無理です。

服務規程は

ご覧いただいているかと

思いますが

弊社の退勤時間は

22:30分です。

 

これは入社前の説明会から

お伝えしている通りです。

 

彼女だけ特別扱いは

できません」

 

「じゃあ、こんな

深夜労働させる会社など

やめさせる。

それでいいんだな?」

 

「〇〇先生

お父様はこう仰っているが

君自身はどう考えているか

聞かせてほしい。

 

子供じゃないんだ。

自分の意見を

きちんと言いなさい」

 

「私はどちらでもいいです」

 

「どちらでも、とは?」

 

「特に残業もありませんし

仕事に不満もありません。

一方で

父が心配している事も

分かっています。

 

一人暮らしでも

構いません」

 

「〇〇!お前は

何を言っているんだ!

洗脳されているのか!」

 

(だめだ、終わらん)

 

結局この職員は

そのまま退職となった。

 

しかも期の途中

この面談の翌日付だ。

 

教室には申し訳ない

すぐに人員の再配置を進めるが

2,3か月は本部の人員を回すので

何とかしのいでほしい」

 

こんな感じだ。

 

お読みいただいている方には

「あ~いるね、そう言う人」

と思う方もいれば

 

「は?何考えてるんだ?」

と頭をひねる方もいるだろう。

 

この「ヘリ親依存型」の対処は

100%折り合えない。

 

 

②「俺リスペクト型」

 

俺は凄い!

と公言するも、

あまり仕事がでいない。

厄介なのは

思っている事を

全て口に出す。

よって、周りと人間関係が

機能しない

 

 

③プリズンブレイク型

 

嫌なことからは

とことん逃げるタイプ

 

何か問題があると

「この仕事は自分に

向いていません」

と開き直る。

よって

短期間に転職を繰り返す

 

または仕事を頼まれると

「あ~無理っすね~」

となるか

ギリギリまでほおっておいて

「すいません、

出来ませんでした」

と周りを慌てさせる

2パターンあり。

 

④ワンルームキャパシティ型

 

その名の通り

キャパが狭く、

マニュアル通りにしか

仕事ができない。

 

マニュアル外の

事態が発生すると

パニックになり

周りが疲弊する。

 

物事をあまり深く考えず

判断基準も微妙

1から100まで

すべて指示をしないと

仕事が完成しない

 

⑤私生活延長型

 

ワークライフバランス

という言葉を盾に

私生活が最優先であり

その為なら

周りに迷惑がかかても

お構いなし。

ちょいちょい遅刻がある

 

 

さて問題は

「シュガー社員かどうかを

入社前に見極められるか?」

 

この1点で

各事業部幹部は

人事と連携を取りつつ

 

この難題に立ち向かう。

 

そして

「履歴書で7割の確率で

見極められる」

 

いくつかの傾向を

学ぶことになる