ぴのこ日記

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「翔子、悪いけど飲んでるわよ、いい、あんたはいつもいい子ぶりっ子だった。学校で何があっても家帰ると何もしない普通の女の子だった。あんたのそういう変わりっぷりが何だかおかしいって思ってさ、もちろん今じゃない、高校時代の頃の話。それ話してよ」姉

 

「ヤだな、姉さん誤解してる。高校時代も私って結構生意気だったよ。お母さんにも姉さんにも嫌なこと言ったし、それ今思い出すと後悔してる。私の最愛の母と姉に何でこんなこと言ったんだろうって」私

 

「だからどんなこと言ってた?」姉

 

「例えばご飯の時お母さんがご飯だって言っても要らないって言って部屋に閉じこもったし、姉さんの時だって翔子、あそこ行こうって言ってくれたのに疲れたとか言って行かなかったり。それの繰り返しだったよ。私は姉さんが好き。お母さんもお父さんも好き。ウチの家族はみんな好き。みんな一緒だもん。誰が何してようが心は一つだよ。だから今姉さんといるのが嬉しいし楽しい」私

 

「あんたって昔から強情だったからねぇ」姉

 

「別に私は自分が強情っては思ってない。強情なのは姉さんでしょ?」私

 

「私が強情?よく言うよ、あんたの方がずっと強情」姉

 

「まぁまぁ、強情もいいですけど、飲みましょうよ、嫌なこと忘れましょう。兄貴もさぁ」拓実君

 

「拓実、俺は酔ってない。強情って言うけどさ、沙織の方が強情って思う。だってこいつって怒ったら口利かないからよ、なぁ、沙織」裕輔さん

 

「よく言うよ、怒ったら怖いのはあんたじゃない。あんたこそ黙ったままで全然喋らないじゃない」姉

「今のお前はまだ怒ってないから喋るんだよな。翔子ちゃん、実際こいつの怒ったとこ経験してるだろ?怒ったら何も言わなくなるの?」裕輔さん。そういえば過去何度かそういう経験したな。もっとも姉が怒ったときは適当に無視してたな。そしたら翌日にはケロッとしてたな。懐かしいな、ホント。

 

「裕輔さん、怒ったら誰でも黙ってますよ。私だってそんなことした覚えあるし。でもそんなときには相手にせずでおしまいでした。姉も怒ったことありましたけど、そのときは相手にしなかったですね。で、翌日になったらケロッとしてたもんね、姉さん」私

 

「翔子、あー、あんたって薄情だね、物凄く」姉

 

「薄情?どこが?私くらい姉さんのこと心配してる人っていないよ。姉さんだって本当は私とかお母さんに甘えたかったんでしょ?」私

 

「甘える?私があんたに?あー、わかったわかった。裕輔、と拓実君、もうこんなのほっとこう。3人で話そ」姉。姉も遂にビールお替りする。2杯目だ。何か凄い。私と拓実君はとっくにお替りしてたけど。裕輔さんもお替りした。姉はわかってたけど裕輔さんはお酒弱いんだ。そんな中で私と拓実君は3杯目注文する。酔ったと思うけどまだまだこれからだ。ついでにおでんもお替りしに席外す。また姉と裕輔さんのもついで行こう。適当におでん取る。

 

「はい、姉さんに裕輔さん」と言っておでんのお皿渡す。「でも姉さん、凄いね。ビール2杯目飲めるなんてびっくりだな。もっとも私と拓実君は3杯目。お酒ってそんなに好きでもなかったけど拓実君に鍛えられたな。私たちのデートの場がほとんど居酒屋だったのが大きかったのかな?」私

 

「翔子ってお酒強いんだ。私はダメだね、弱い。ほっとこうなんて言ったりして悪かったよ、大好きな翔子ちゃんを蔑ろにするなんてね、あー私ぁバカだ、バカバカバカだな、全く」姉。かなり酔ってる。もうお酒はいっか。

 

「止めてよ、沙織ちゃん。愛しの沙織ちゃんが自分のことバカなんて言うこと自体おかしいよ。私よりもずっとずっと頭のいい沙織ちゃんじゃない、自分のこと卑下するなんておかしい。前言撤回して」私

 

「バカなのは生まれつきのことだから変えようがない。翔子、あんたが羨ましい。私よか全然光ってる、輝いてる」姉