大映の怪猫シリーズ第5作。
鶴屋南北の「独道中五十三駅」を元にしたらしい。
岡崎藩の藩主本多三河守が老中に任ぜられ将軍家に御礼
の品を献上する、ということで本多家秘蔵の墨染茶碗を
国許より取り寄せることになり、 家老鳴海十兵衛の娘、
浪路と婚約者で藩随一の遣い手、南三次郎を抜擢した。
この浪路、すずという黒猫を大切に飼っていた。
一方その場で不正を暴かれ、留守居役を解かれ謹慎処分
となった大高伝蔵は、不正を摘発した鳴海十兵衛に対し
返報すべく、江戸への道中で墨染茶碗を強奪することに。
まんまと二人は茶碗を奪われ浪路は惨殺、その通夜の晩、
目を離した隙に遺骸は消え、代わりにすずが座っていた。