ドラゴンボールGT(偽) 第三話 惑星M2の悪魔達


惑星M2、ここはマシンミュータントが多く存在する星である。

その為、星の文明は高度であり、惑星ベジータや、地球と比べても、一線を画すであろう程の機械文明が星中に広まっていた。

例えば、地球の人類は未だにロボットの人工知能は単純な物しか作れてはいないが、M2に存在するマシンミュータントは、喜怒哀楽の感情までも備え付けられていた。

正に、惑星そのものがマシンであると言っても過言ではないこの星で、一人の科学者が、自分の研究所に、戦士達を集め出した。


「先刻、サイヤ人の王子、ベジータに対し、戦闘の意志を見せた。我々のサイヤ人に対する恨みを今こそ晴らすのだ!」


この惑星M2の主、Drミューが声を張り上げ、拳を固く握りしめて叫んだ。

彼の眼は、憎悪がそのまま宿り、どこまでも黒い闇に彩られていた。

彼の前に立つ数人の戦士達もDrミューの言葉に頷く様に足を前に出す。彼等の眼にはまるで炎が焼き付いているという風に闘志で燃えたぎっていた。


「いやぁ~~、長かったな~~~、いよいよ以てサイヤ人共をぶち殺せるんだな。この手でよォ~~~」


肩まで掛かるくらいに黒い髪を伸ばした男が恍惚の笑みを浮かべる。嬉しくて仕方が無い。そんな眼をしている。


「私達ツフル人を根絶やしにされた恨みは必ず晴らさなきゃあ、ついでに私の性奴隷にもなってもらおうかしら」


赤い髪の女性が顔にファンデーションを付けながら手鏡を見ている。最後に口紅を塗って化粧を完了させる。


「よ~し、やっと事態が好転したな。そうそう、こうやってちゃあんと行動しないと駄目なんだよ。止まったら苔が生えて死んじまうんだ。俺は常に動いている者でありたいんだ」


赤と青のオッドアイの青年がカッカと笑いながら煙草にマッチで火を付ける。ちなみに余談であるが、彼は煙草愛好家である。

と、いうのもライターには硫黄やガスの水分が含まれており、ガス臭さや湿っぽさが残る。しかし、マッチで火を付ける場合、それが無く、おいしいと彼は思っている。

Drミューは既にスカウターの通信によって戦闘の意志を明確に示している。先刻地球で殺された元フリーザ軍の残党は、宣戦布告の為の先兵である。彼等にとってみれば、地球に送った宇宙人など、歩く通信機器としか思ってはいないのだ。

一方、地球でも既にこれからの戦いに対しての準備が為されていた。


「界王様! それじゃあそのM2っちゅう星はナメック星に近いのか?」


悟空はあの世にある界王星に住む神、界王と話をしていた。

悟空は相手の気を探り、気の方向に一瞬で移動出来る瞬間移動という特殊技能を体得していた。

この能力で、界王星までも、気配さえ察知できれば飛ぶ事が出来るのだ。


「うむ、だが気を付けろよ悟空。今度の敵は少しばかり厄介じゃぞ?」

「ああ、分かった。けどよ、オラワクワクしてんだ。久しぶりに強え奴等と闘えそうだからな」


悟空はどんなに困難な敵が現れても、知らず知らず、笑みを浮かべる。サイヤ人特有の戦闘欲求が自分の中で燃え広がる事が分かる。

強い敵と闘えるだけで、戦闘民族サイヤ人にとってこれ程嬉しい事は無い。


「それじゃあ惑星M2の位置を地球に伝えるぞ~」


界王は悟空に、自分の背中に手を当てる様に促し、悟空も頷いて手を当てる。

この、界王の能力によって地球に情報を伝える事が出来るのだ。


サイヤ人とツフル人。互いの存亡を懸けた決戦の火蓋が切って落とされようとしていた。

恋愛経験が毛ほども無いお子様に恋愛小説なんて書けるかどうか分かりませんが頑張ります。

とりあえず次回を書くまでの繋ぎです。



悪者になるくらいの器量


俺って未練がましい男だな。こんな状況に陥ってから、俺の脳内に押し寄せるのは後悔ばかりだ。

どうしてこんな事になっちまったんだろうな。そんな風に言って、一人きりになって、やけに風通しの良い部屋で俺は寝そべった。

馬鹿だったな、俺達。互いにさ。怖いものなんか何も無いと思ってたんだよなあの頃は。

こんなはずじゃなかったのに、なんて、人生で俺が使いたくない言葉ベスト3に入ってるぜ。だが、思わずそう言わずにいられなかった。

気付けばもう太陽が東に沈む様な時間になっていたんだな。血が大地に広まるかのように赤いその情景は、空虚な俺の心にも少しだけ温かみを感じさせてくれた。

そう言えばさ、俺達が同棲を始めた日。引越しの作業なんかもあらかた終わって一息ついてた頃にはこんな感じで綺麗な夕焼けが窓から見えていたよな。

俺達あの時まだ十代だぜ? 親の反対も押し切って、俺達二人で暮らすんだってな。

そんなこと言ったは良いが、いざ新生活を始めようとしても、あの時俺達が持ってたのは、中古ショップで安く買った冷蔵庫とブラウン管のテレビだけ。

二人で暮らすにしてもちょいとばかり広い間取りのこの部屋で、家具もそれだけしかなかった。

布団なんてよ、シーツも付いて無かったしよ。枕は一つしか無いからいつも俺は敷布団にそのまま頭を乗せてた。

本当に何も無い暮らしだったけどさ、夢だけはあったよな。いつか金貯めて、庭付き一戸建てのマイホーム買って。お前はその庭でガーデニングをしたいな。とか言ってたっけ。

お互い無計画で、何にも頼れる人がいなくて。それでも隣にお前がいてくれたから、あの頃の俺は笑顔が絶えなかったんだ。

いつからだったんだろうな。俺達が二人とも働き始めた頃からか。

俺達、いつも帰る時間はバラバラでよ。俺が夜勤から帰って来た時には、お前はもう夢の中にすっかり入りこんでた。

いつの間にか俺達はすれ違いを重ね続けて、その度に俺はお前に辛い思いをさせて来たんだろうな。

だから、ある夜にお前が香水の匂いを部屋中に撒き散らして帰って来た時も俺は何も言わなかった。いや、言えなかった。

多分、あの時からお前は他の男と遊び始めたんだろうな。俺が話しかけるたびに、バツが悪いって顔してたっけ。

憤りを感じなかったと言えば嘘になるよな。けど、俺も知らずにお前に迷惑を掛けて来たんだ。なのに俺に対して全く怒らなかった。

お互いに、そんな暮らしが苦しくなって、俺達も終わりだなって思っちまったんだな。

最後に俺に対して不平不満を全部ぶつけてくれって言ったら、お前は苦い顔をしながら一言『馬鹿!』って言ったよな。でも、言ってくれて良かったよ。こんな俺に今までずっと付いてきてくれたんだ。別れる時ぐらい…男が悪者になるくらいの優しさは見せたかったしさ。ま、これも俺の自己満足なんだな。


昨日まで二人で寝てた寝室には、一人用の敷布団しか敷かれていない。

黒い鴉が鳴きながら羽ばたき、太陽が沈んでいく様子を、俺はマッチで煙草に火を付け、それを加えながら見ていた。


徐々に暗くなり、三日月が照らし出すこの静寂な夜空を見ながら、アパートから顔を出す男の頬に、一筋の雫が零れ落ちていた。


ドラゴンボールGT(偽)第二話 ベジータの弟?


ミスターサタン主催の元始まったパーティは中々の盛り上がりを見せていた。

その中でも目立っているものはやはり空になっている茶碗と皿の数だろう。

サイヤ人と、その血族の持つ食欲は常人の理解など遥かに超えている。

一向に橋の止まる気配の無い彼等を見て、戦闘民族の妻たちは揃って溜め息を吐くしかない。


「ブルマさんのとこも、毎回ああだべか?」

「ええ、そうよ。全く、会社の稼ぎも根こそぎ食いつぶす様な勢いなんだから」


チチがベジータに対して視線を流し、ブルマが冷や汗を掻いて答える。

よくここまで夫婦関係が続いたものだと我ながらに思っていたところだった。

そんな中、空気を切る様な鋭い音が遥か遠方より聞こえてくる事を察知した者がいた。ピッコロである。

彼はナメック星人と呼ばれる異星人であり、元来、食事をしなくとも生きて行ける体質を持つ。

故に彼は今日のパーティでも米粒の一粒ですら口にしてはいなかった。

だが、特筆すべきはナメック星人特有の異常聴覚である。

彼の聴覚ならば、千キロ離れた野原でコオロギが鳴く声も、その気になれば聞こえるだろう。


『何だこの音は、それに、強い気を感じる』


ピッコロが察知した『何か』から流れ出る強い気配を、悟空を始めとして戦士が気付き始める。

その中、ベジータの表情は一人だけ険しかった。


『この気は…まさか、な…』


その物体は恐ろしいスピードで飛び、花や大木が横殴りに倒れそうになる程の衝撃を生み出した。


「く、来るぞ…」


クリリンが警戒するようにファイティングポーズをとる。流石に、彼も幾多の修羅場を潜り抜けてきた生粋の武道家である。油断する事はあり得ない。

物体は墜落する様な形で悟空達の眼の前に降りてきた。その際に撒き上がった砂埃でブルマが咳込んでしまう。

ふと、物体の、恐らく出入り口の部分であろう扉が開き、中から一人の男が出てきた。

その男は地球人にも見えるが、地球人には決して無い者が一つあった。恐ろしく発達している尾骶骨。獣の様に伸びている毛。尻尾である。

この猿の様な尻尾はサイヤ人特有の体質なのだ。つまり、彼もサイヤ人の生き残りだ。


「あ、あいつサイヤ人だぞ。スカウタ―も持ってる」


クリリンが、少々声を震わせてその言葉を口にした。

スカウタ―とは、戦士の力量を図る装置の様な物で、対象となった相手の位置も調べる事が出来る。

侵略者にとって欠かせない代物である。

その場にいた者達が固唾を飲んでいたその時、後方より怒声が走った。


「ターブル、貴様地球へ何をしに来た!? 貴様は戦闘の素質が無いから親父に辺境の星に送り込まれたハズだが?」

「ベジータ、おめえあいつが誰だか知ってんか?」


悟空がベジータに顔を近付けて問う。


「フン、知っているも何も、アイツは俺様の弟だ」


ベジータのその発言に、その場にいた誰もが凍りついた。

まさかあのベジータの血縁者がまだ生きているとは思っていなかったからだ。と、言うよりもベジータに弟がいる事など予想だにしていなかったからという衝撃が大きい。


「兄さん、大変なんだ! フリーザ軍の残党が僕を襲って来たんだ!」


ターブルの発言に合わせるかのように丸い宇宙船が落ちて来る。


「ベジータの弟~~~、テメーに恨みなんざァ無えけどよォ~~~、俺が成り上がる為だ。ぶち殺してやるぜ~~~~!!!」


と、叫びながら船を下り、周りに唾液を飛ばしながら宇宙人がターブルに顔を近付け、拳を振り上げる。


「う、うわあ!!」

「脳ミソぶちまけろや~~~~!! ギャハハハハハ!!!」


満面の笑みを浮かべてその拳を彼の顔面目掛けて突くが、その拳がターブルに届く事は無かった。

何故なら彼は、ターブルに拳を突く前に第三者によって殴り飛ばされたからだ。


「フン、だらしが無いぞターブル。こんな下種にいつまでも怯えた行動を取るな! サイヤ人の誇りを捨てるのか?」


何よりもサイヤ人の誇りを重んじるサイヤ人の王子、ベジータは身内のひ弱な態度に呆れ果てていた。出来れば引っ叩いてやろうとも思ったがまずはこの宇宙人の始末を先にしなければならない。


「ベジータ! そいつを殺すなよ!」

「貴様に言われんでも分かっている! 本当なら殺してやりたいところだが、コイツの裏に誰がいるのか気になるからな」


ベジータが宇宙人の顔面を掴み上げた瞬間、宇宙人の持っていたスカウターから声が聞こえた。


『ククク、まだサイヤ人の生き残りがこんなに生きていたのか』

「だ、誰だ!!」


悟飯がスカウターの声の主に叫ぶ。


『ワシの事が知りたければ惑星M2に来い。貴様等サイヤ人を根絶やしにしてやるぞ。来なければ貴様等が今住んでいる星の安否の保障はしない。いいな?』


声の主はスカウターの通信を切る。ベジータは額に血管を浮き上がらせて、更に宇宙人の顔面を握っていた掌を輝かせた。輝いた掌から気弾が放たれ、宇宙人の首から上は消滅した。


「クソッタレめ! どこのどなたか存じ上げないが、俺様に対する宣戦布告と受け取るぜ」


ベジータは首の無くなった宇宙人の死体を蹴り飛ばし、パーティ会場に戻っていった。