きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーー


悲鳴をあげたのは鈴の真後ろにいた女子、つまり龍也の正面である。

龍也と目が合った瞬間恐怖におののき、悲鳴をあげながら膝からくずれ落ちた。

それと同時にその女子より近くにいた鈴は何かから逃げるように後ろに跳び下がった。


龍也「どうした?もう殴らないのか?」

龍也が平然と放ったその言葉に周りは同様の気持ちを抱きそれを鈴が代弁した。

鈴「痛みを感じないのか。」

鈴はクールに放ったが周りは決して冷静ではなかった。

睨み合いが続く中、龍也が一歩一歩鈴に近づいていく・・・・


そんな中携帯をいじっていた愛璃花は教室に入ってくる男に気がついた。

男は一直線に2人の元へ向かって間に割って入った

それと同時に始業のチャイムが鳴った


授業だ、さっさと席に着いて準備をしろ


鈴は何も言わず素直に従い席に着いた。それを見て少し笑い、次に男をみた。

龍也「何だ数学教師だったのかあんた。」


そう、この男は円城寺翔、数学教師である。柾樹とは幼馴染で同じ高校出身であるが、大学は東大出身のエリートである。


翔は皆を席に着かせ授業を始めた。始めは先程の龍也と鈴が見せた光景にショックを受けてオドオドしていた生徒たちだが、時間が経ち冷静さを取り戻していった。


さっきの凄かったなー


誰かが前の席の人に話しかけた瞬間、男のおでこに激痛が走った。翔がチョークを投げたのである。


痛って~!


翔「授業中だ。喋るな」


それだけ言い授業を続けた。ほかの先生たちの授業は1回目ということもあって、これからどういうことを学ぶのかとかカリュキュラムをやんわりと説明しただけであり、フランクな感じであったが、翔の場合いきなり教科書を次々と進め始めた。集中力がない者はどんどん注意されていき、中でも隼人は何度も何度も注意されていた。


授業が終わり昼休みに入った。そこで龍也は鈴のもとへと向かった



鈴は、声が聞こえたほうを振り向いた。


顔を前髪で隠し、不気味なオーラを発する龍也に鈴を取り囲むハイエナたちは龍也から距離を置こうと後ろにたじろぐ中、鈴だけが前に進んだ。


鈴「一応確認しておこう、私に言っているのか?」

龍也「ふっw くたばれゴミ虫。」

鈴は龍也の胸ぐらを掴み上にあげた。その細身の体からは想像できないほどの怪力である。

穂乃花「あっ!」

朱莉「なに?!どうかした!?」

朱莉は、穂乃花の声に心配して、穂乃花を見、そしてその視線の先を睨んだ

そこには、鈴が龍也を教室の一番後ろから前まで投げ飛ばしたシーンが映されていた。


何?今の物音? 今投げ飛ばされたよ! あの転校生の子が例の男を。 すげぇ力・・・なんであんな飛ぶんだ? こわ!


ざわめくクラス そして思いっきり投げ飛ばされた龍也の安否を皆が気にしていた。

龍也は起き上がり何事もなかったかのように鈴に近づいた

龍也「消え失せろ アバズレ女。」

龍也の顔はまったく見えないが、痛がっている様子や鈴の怪力に臆していることがまったくみられないのを周りは感じていた。

鈴は龍也の頬を思いっきり殴りそれだけにとどまらず蹴りをいれたり何発も繰り返し龍也を暴行した。


おい・・・やばいって! 誰かとめなよ! 誰が止めるんだよ! あんたいきなさいよ!男でしょ!  とりあえず先生呼んだほうがいいって!


朱莉「すごい・・・・何あの子・・・・・」

格闘一家に育った朱莉は幼い頃から格闘技やスポーツばかり習わされ、そちらの方面に関してはかなり精通していた。

素人目にみても鈴がとてつもなく強いことはよく分かった。そして誰しもがこのままでは龍也が殺されると感じていたが・・・・・

周りがだんだんその異変に気がついてきた。

面白そうだな   アイツとなら・・・・・




1限目は江木の指導のもと それぞれの係や委員会等が決められ授業が終わった。


授業後、鈴の周りには人が集まっていた。


りんちゃんっていうんだーw かわいいよねーw 友達探してるの?


鈴「ああ、お父様の言いつけ通り友達を作らなければいけない。なってくれるか?」

さっさと友達を作り、事を終わらせ父のもとへいきたい鈴にとって友達(仮)は誰でもよかった。


いいよーwなってあげる! 私も私も!


鈴ではなくその後ろを見ていたことは鈴には分かっていたが、それも承知の上で鈴は学校生活を送ろうと考えていた。今までと同じように・・・・

高校生活3年間は長いように感じるが、8歳のときから親の愛情を受けてこなかった鈴にとって、これは最後の試練だと考えており、これが終われば、ようやく父のもとへいけると考えていた。




それは、お昼前の最後の授業が始まる前の休みの間だった



朱莉「ちょっとあんた近づかないでよ!気持ち悪いのよ!!」

穂乃花が朱莉の方へ向かう途中クラスの男子とぶつかりそうになったのをみて、男に向かって怒鳴った

男は朱莉を睨めつけ不満そうな顔を浮かべたが、朱莉の背の高さや威圧感に圧倒され、何も言わずその場を立ち去った。

朱莉は、自分の席に穂乃花を座らせ、隣に男子が通ろうとすると近づけないようにしていた。

そう穂乃花は男性恐怖症で男と上手く会話出来ないどころか接触しただけで怯えてしまう。

朱莉「んー それにしても意外と退屈ね高校の授業」

愛璃花「それはあんたが馬鹿だからよ」

携帯をイジりながら答える。暇さえあればイジっているようだ

朱莉「はぁ~?!あんたにだけは言われたくないわ・・・授業まったく聞いてなかったでしょ!」

愛璃花「授業ちゃんと聞いてても私と成績変わんないのねw」

朱莉「はぁ!?・・・・・・・あーだめだまたイラついてきた・・・・」

愛璃花「あんたしょっちゅうイラついてんじゃない」

朱莉「うるさいわね!あ゛ー腹立つ・・・・ん?あんたまたボッーとして、どこみてんの?」

穂乃花「・・・・・・」

朱莉「あーあの子ね、お嬢様。人気あるわね まあ金に群がってるんだろうけど、それにしても珍しいわねあんたが近づかないなんて」

愛璃花に向かって言う

愛璃花「・・・・・・・・」

朱莉「・・・・・もういいわ あんたとは喋んない・・・」



ねぇやっぱり鈴ちゃんの家大きいの~?w そーいえばさっき大きな黒い車みえたんだけど鈴ちゃんのところの車なの~?w へぇ~すごいな~やっぱり金持ちは! うらやまし~w


そんな声々に鈴はテキトーに返事をしていた中、1つの声を微かにしかしはっきりと聞いた



金に群がる哀れなハイエナたちだな だが一番哀れなのは金しか無い気の毒なお嬢様か?w