ランカウイ旅行記4ーカヤックdeジャングル | はんなり時間

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本と、京都と、食と、cafeと、海と、旅と、沖縄と、家族とかについて。


長いですこの回。
思い入れ強くて。。。すみません。


旅行でいわゆる「アクティビティー」というものに
ほとんど全く全然参加しない私ですが。
今回は意を決して(?)参加。
念入りに念入りに下調べ。
これもめずらしい。


なぜか。。。
なぜか、調べているうちに、
ランカウイという島、その自然につよーーく惹かれるようになり。
きちんと自然に触れたいなぁと。
そのためには素人の個人手配じゃきっと限界があるなーと。


で、マングローブの森をカヤックで探索するツアーに参加。
お世話になったのは「ランカウイ倶楽部」さん。


これがね、ほんとうにすばらしかった。
すばらしい体験でした。
オットもあたしもなんかもう半泣き。
(というかあたしは実際こっそり泣いた)


15時。小さな船着き場に集合して、そこからボートで移動。
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途中でおさるさん発見。
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マングローブに浮かぶいかだのような、小さな食堂兼休憩所で、着替え&カヤックの練習。
この日は4組8名の参加者に、コンダクターのゆーすけさん。


カヤックは2人乗り!
と、聞いてあたしは心の中でガッツポーズ。
やった、漕ぐのはオットにまかせよう。


むかーし、西表島でもマングローブのカヤックツアーに参加したことがあるのですが
(やってるやんアクティビティー。)
この時は一人乗りのカヤックやったため、
それはそれは苦労した覚えが。。。


あたしだめです、運転といふものが。
もうなんでも。
車はもちろんのこと(どこへいったあたしの免許)
自転車もじゃっかん心もとない、
マリオカートだって弱いときた。
なんなんやろう、平衡感覚がないのか?
わからん、わからんけど運転ができひん。まじで。


てなわけで、カヤックの講習も適当に受け(さいてー)
ゆーすけさんの
「乗ってみればなんとかなるから!
カヤックの運転でなくて、
自然を感じることに集中してください。
なにも考えないで、感じてください。
普段パソコンに向かって細かい作業をしている人は、
今日はもっと広い視野で自然を見てください。」
というすばらしい言葉をまんま実践することに。


着替えをすませていざしゅっぱーつ!
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ゆーっくり、ゆーっくりとカヤックを進めていく。
最初の10分~15分くらいはがんばりました、こぐの。
とってもうまかったと思います。
とっても。


でもすぐ疲れまして。。。
腕がね。。。
うまくこげばつかれないよってゆーすけさんが言ってたので、
あたしはうまくこげてなかったんでしょう!やっぱり。


で、予想どーりほぼオットがこいでくれました。
いやーオットはあたしと正反対であらゆる運転というものがうまい。
車はもちろんのこと、
自転車も
マリオカートも。
なんで?なにがちがうの?
で、カヤックもべらぼーにうまかった。
初めてとは思えん。
あ、初めてじゃないんやった。
高校のとき地元の球磨川でカヤックやってたんやった。
さすが熊本の自然力おそるべし。


で、そんなオットに全てまかせ、
あたしは
「あ!そこ右!」「ひだりひだり!」
「あそこ大トカゲの近くまで!(まじでいた。大トカゲ。)」
と、エセ隊長と化す。
さすがに途中で申し訳なくなって、
「。。。ごめん、いい加減こいだ方がいい?」と聞くと、
「いいよ、最初っからまいちゃん戦力とみなしてないから。」
と言い放たれました。
ありがとう。


あたしはしまいに調子にのって、
てカヤックに寝転んだりしてました。
きもちーーーの!
マングローブをぷかぷかうかぶカヤックに寝転ぶの。
水との距離がむちゃくちゃ近いから、自然にすいこまれていく感じがする。
自然と一体化する感じがする。
途中何回もスコールがあったんやけど、
スコールも寝転びながら浴びたりして
それがまたきもちよくて。
マイナスイオンあびまくり。


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マングローブの森をゆっくりゆっくり進みながら、
たくさんの植物や動物に触れる。
スコールがあがると、すぐに水が蒸発して、けむりのような霧のような、
幻想的な景色がいっきに広がる。
カヌーなのでモーター音とか一切なく、すごくすごく静か。
鳥のさえずり、猿が鳴く声。
自然の音だけが聞こえて、しばしみんな無言になる。


細い川に入って、こうもりの洞窟へ。
足場が悪い中、四つん這いになって洞窟を進む。
そんなこと一つとっても、小さいときに戻ったみたいで楽しかった。


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こうもりがいっぱい!
思ったより小さくて、
とってもプリティーでした。


そして。
このこうもりの洞窟を出て、
細い川を進み。。。

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大きな流れに出た瞬間。
これがこの日一番の感動でした。


写真が残ってなくて残念やけど。。。でもきっと、目で見た景色にはどんな写真もかなわない。
洞窟に行くまでに降っていたスコールはいつのまにかやんでいて。
うっすらと赤くなり始めた空と
深い緑の間に、
スコールが蒸発して霧がかかっていた。


曇り空の下ぼやけたその景色は、
本当に幻想的で、あたしはなんでか泣きました。


昔おかーさんと一緒に観た、
古い中国の映画を思い出した。
その景色をみていたら、
ずっと続くその川の向こうに、
おかーさんがいるんじゃないかって思った。


でも、その霧もやの向こうに、
ほんとうに幻想の世界が広がっていたとしても。
もちろんそこに母はいない。
ずっとカヌーをこいでいればたどり着きそうやのに
やっぱり会えへん。


それでも。
雄大な自然は、おかーさんも自分も含んでくれてる気もした。
二度と会えへんけど、一緒に含まれてる。
そんな気がした。


目の前に広がる自然に感動して泣いたのって
いつぶりやろう。
心のどこかにいっつもおかーさんがいるから、
この景色を見た瞬間
心と景色がつながった。


前に西表島へ行ったときは、
あまりに自然の力が強くて強すぎて、
跳ね返された感じがした。
含まれてない、かなわへんって思った。
畏怖の念を感じた。


でもランカウイは、力強くて優しかった。
「おじゃまします」っていう気持ちで
ゆっくりゆっくり入っていって、
中まで入っていったからかな、
「含まれてる」っていう感じがした。
自分は今ちっぽけやけど、それでも生きていること。
そして必ず、死んでいくこと、
それはもしかすると、自然に還るということ。
なんとなくわかった気がした。
だからかな、おかーさんはこの現実にいーひんって感じると同時に、
自然に一緒に含まれてるって感じることができた。


この景色を見られただけでも、
ランカウイに来てよかったってほんとに思った。
町の灯りも電球もなんにもない。
ただ、夕焼け空と霧もやと深い森。
そしてそれをうつし出す川。
それだけがものすごく人の心を打つ。
自然ってすごいな。ほんとにすごい。
かなわへん。
でも、含んでくれてありがとう。


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この景色の中、ちょっとティータイム。
甘い紅茶と、ランカウイのお菓子をいただく。
めちゃめちゃ甘かったけど、
疲れてたのでおいしかったです。
甘かったけど。
なんかもう、胸いっぱいでありました。


このあたりで名残惜しいけど、カヤックとはお別れ。
迎えにきてくれたボートに乗り込む。
ボートから見た夕焼けがとってもきれい。

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ボートで受ける風が気持ちいい。
この顔!スコールと泣いたのでお化粧ぜんぶ落ちてすっぴんですが、
なんかとっても満足そうじゃないですか?
解放されまくってます。
解き放たれてますわたし。
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あたりが薄暗くなってきたところで、ボートがとまり。
ゆーすけさんが、
「このあたりでマングローブに飛び込もう!」と言います。


で、まじでみんなとびこんだ。
あたしはびびりなのでぼちゃんと落ちました。ぼちゃん。
ライフジャケットをつけていたので、自然に浮かびます。
これがもう。
もうもうもう。
むちゃくちゃ気もちいい。
生温いマングローブの温度も、スコールで冷えた体にとってもきもちいい。


手も足も広げて大の字でぷかぷか浮かぶ。
無音。なんにもきこえへん。
自然に抱かれる。ただただ含まれる。
「おかーさん」って呼んでみる。
自分の声だけがひびいて、
ここでも、いいひんねんやってすごくわかる。
大好きなおかーさんはもうこの世界にいーひん。
完全な無の中、そう悟る。
それでも矛盾してるけど、
ここでもあたしは、マングローブの水におかーさんと一緒に抱かれてる気がした。
そんであたしはまた泣きました。
いっぱい泣いた。
涙があふれて、その涙もまた、マングローブに流れた。
全部含まれてる。きっと含まれてる。


やーマザコンですねわたし。


再びボートに乗り込んで、ボートはマングローブの茂みの中へ。
ゆーすけさんのアドバイスに従って、手で水をはねてみると!
水がきらきらするの!
夜光虫です。初めて見たー。
きれい。すっごいきれい。
手からキラキラ水がこぼれていく。
自然ってすごいなーほんとに。


自然を大切にする心を育てるためには、
美しい自然を伝えるのが何よりきくね。
宮古島行くときにもいつも思う。


ボートはまた最初の小屋に戻って、ここでマレーシアのお母さんたちが料理を作って待ってくれています。
女の子はみんな一緒に着替え。
女の子の着替え部屋ってなんか楽しいよねー。
楽しくないですか?
高校が女子高やったのでこうゆう女子空間だいすき。
しかも今日会ったばかりの人たちねんけどね。
今日のお話しながら楽しくお着替え。


お食事のヒトコマ。ザッツぶれぶれ。
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疲れていたのもあって、
ごはんがほんとにほんとにまじでおいしかった!
この旅一番おいしかったかも。
(あんないいホテルとまっておいて。。。)
マングローブの炭で焼いた焼き魚、激旨。
炭火はおいしーね。自然はすごいね。


ナシゴレンの田舎風、ミーゴレン、鶏の唐揚げ、
お野菜の卵とじ、キャベツみたいなお野菜のオイスター炒め、ご飯にかけるいろんなソース。
あとはフルーツ!
どれもこれもほんっとおいしかった!
あとタイガービール2本。あたしほんと今回ビールよく飲むなー。


ゆーすけさんのランカウイにまつわるいろんなお話を聞きながら食事はすすんで、ごちそうさま。
ボートで船着き場に戻って夜10時に解散。
ほんとにほんとに楽しいツアーでした。


このツアーにどんな工夫があるのか、
どれだけ考え込まれているのか、
きっとたくさんの人の力ももちろんあるのだろうけど、
やっぱり何よりも、
この体験はこの自然の力がなせる技なんやろうと思う。
自然のおかげ。
感謝。


「自然を大切にしよう」って言葉自体を
大々的に掲げたツアーなんかじゃないけど、
(もちろん主催者の想いにはあるんやろうけど)
この自然を人間の手でむやみに壊しちゃいけないって
素直に思った。
とてもとてもいい体験でした。


この機会を与えてくれた全ての人
案内してくれたゆーすけさんと
一緒に回ったみなさんと
カヌーこぎ続けてくれて一緒に感動できたオットと
いつも心にいる母と
そして雄大な自然に感謝を。


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