かゆうま! -22ページ目

('A`)ドクオは□□□□□マンになったようです

作者:ID:naSOCKpsO


お題
・アイスクリームマシン
・うんこ
・黒くて硬くててらてら光ってて暗くて狭くて湿ったところが好きなわりに速い生物
・('A`)「聞いてろよ。もう捉えたと言ったろう?」
・コードネーム「台所の黒光り」



 男なら、誰だって憧れるもんだろ?
 その……正義の味方ってやつによ。



 俺は今、魔境にいる。

 辺りを見回せば、どこもかしこもコンビを組んだ魔物だらけ。
 数組の奴らは手を繋ぎ、頬を若干赤く染めながら親しげに歩いている。
 嗚呼、気持ち悪い。

('A`)「畜生、何て羨ま……いや、憎々しいんだ」

 俺は目の前の現実から逃げ出そうと視線を逸らす。
 右を見れば、お化け屋敷。
 左を見れば、ジェットコースター。
 共通点は、怖かったぁなどとほざきながら男に抱き付くスイーツどもが居た事。

(#'A`)「うぁぁぁ、俺もされてぇぇぇっ!」

 一刻も早く、この場から遠ざかりたい。
 俺のデリケイトな精神ライフはもうゼロだ!
 ……その時だった。



ノパ⊿゚)「待たせたなドクオォオオオ!」

 俺の名前が、大声で叫ばれたのは。

(;'A`)「あの馬鹿、またやりやがった……」

 痛む頭を押さえながら、声のした方を見る。
 一人の少女が、俺に向かって近付いていた。
 容姿だけは抜群にいい、俺とは不釣り合いな女の子。


 え?
 そんな子と一緒に来ていながら、何故周りのカップルをやっかんでるんだだって?

 簡単なことさ、俺は彼女をそんな恋の対象としては見れない。
 何故ならコイツはゴキブ――


ノパ⊿゚)「すまぁん、選ぶのに迷って遅くなったあああ!」

∑(;'A`)「リ女ぁっ! うわびっくりした!」

 気付けば目の前に彼女がいた。
 その可愛らしい顔を目にした途端、俺の中から怒りが湧き上がってくる。



(#'A`)「てめぇ、外で俺の名前を叫ぶなってあれ程言っただろ!」

 コイツは気にしていないようだが、あの大声が響いてから周囲に少し変化が起きたのだ。
 ……それは、押し殺した笑い声。
 嗚呼、恥ずかしい。

ノパ⊿゚)「癖なんだ! 気にするな!」

(#'A`)「癖で済むかぁっ!」

ノパ⊿゚)「まあほら、甘いモノでも食って元気出せえええ!」

(#'A`)「何だと……むぐっ」

 ひやぁん、冷たいっ!

 俺の唇には、アイスクリームが押しつけられていた。

ノパ⊿゚)「私とお揃いのチョコだあああ!」

 そう言って、少女は自分のアイスを舐めた。
 仕方がないのでアイスを受け取る。

('A`)「……俺のも買ったの?」

ノパ⊿゚)「当然!」

('A`)「……」


 少女は、俺のポケットから財布を奪い、勝手にアイスを買いに走り去ったんだけれども。
 俺の分も買ってくれた、という事実がちょっとだけ嬉しかった。

ノパ⊿゚)「とりあえず座ろうか! 走って疲れた!」

(;'A`)「お前なぁ……」

 すっかり冷めた俺は、溜め息を漏らしながら近くのベンチに腰掛けた。

('A`)「で、怪人とやらの反応はあったのか?」

 ――怪人。
 それが、俺たちの目的だった。
 そして、俺がわざわざ遊園地まで足を運んだ理由でもある。

ノパ⊿゚)「おぉ、そう言えばあったぞ」

('A`)「だよなぁ、そんなに早く見つかるわけが……え?」

ノパ⊿゚)「アイス屋の近くに居た」

('A`)「……」



 唖然とした。

(#'A`)「のんびりアイス食ってる場合じゃねぇぇぇっ!」

ノパ⊿゚)「馬鹿野郎! 腹が減っては戦ができぬだろおおおっ!」

(#'A`)「馬鹿はお前だぁぁぁっ!」

 アイスを持ったまま駆け出す。

ノハ#゚⊿゚)「まだ私は食べ終わってないぞおおおっ!」

(#'A`)「俺だって食べ終わってねぇよっ!」

 叫ぶ彼女を残して、俺はアイス屋の方向へと急いだ。




(;'A`)「アイツ……本当に食い終わるまで来ない気かよ」

 呆れながらも、俺は周囲を見渡す。
 それらしい人影は、無い。

('A`)「……そういや、俺一人じゃ意味ねぇじゃん」

 とにかく怪しい奴が怪人だあ、と言われたものの。
 正確な位置を把握できるのは少女だけだ。

('A`)「はぁ、走り損だ」

 仕方がない、しばらく待つか。
 そう思って歩き出すと。

「ソフトー、ソフトクリームはいかがですかおー?」

 間の抜けた声が辺りに響く。
 先程までは無かった声だ。

('A`)「あぁ、アイス屋の店員さん交替したんだな」

 ふと、アイス屋を見てみる。



ξ^ω^)ξ


 頭にソフトクリームを付けた男がいた。
 いや、それだけじゃない。
 奴は身体にもソフトクリームを付けていたのだ。

 ソフトクリームを全て舐め取ってしまったら、きっと彼は産まれたままの姿を晒してしまうのだろう。


('A`)「……冷たそう」

 刹那の時間停止後、ようやく絞り出した言葉だった。
 何という阿呆な感想、だが俺は確信していた。
 間違いない、奴こそが。


ノパ⊿゚)「怪人だああああああっ!」


 俺の耳を劈いたのは、ようやく追いついた少女の叫び声だった。



ノパ⊿゚)「貴様ぁっ、怪人かあああ!?」

 アイス屋に向かって指を突き付けながら、少女は単刀直入に切り出す。

ξ^ω^)ξ「怪人? 違うお」

ノハ#゚⊿゚)「嘘を吐くなあああ! 頭のアレが何よりの証拠だ!」

('A`)「身体の方が何よりヤバいだろ」

ξ^ω^)ξ「頭のこれはうんこじゃないお!」

(#'A`)「言ってねぇ!」

ξ^ω^)ξ「その腐った耳をかっぽじってよく聞くお! 僕の名は」

('A`)「腐ってんのはお前の耳だ」

ξ#^ω^)ξ「名乗りを邪魔すんなお!」

('A`)「めんご」

ξ^ω^)ξ「僕の名前は! ソフトウホライゾン! 略してブーン!」

ξ^ω^)ξ「皆にソフトクリームをあげるんだお! そんで……」

 ごくりと唾を飲む。



ξ^ω^)ξ「以上だお」

 な、何だって……あれ?

('A`)「それだけ?」

ξ^ω^)ξ「だお、勿論無料だお!」

('A`)「……実は、いい奴? 変態だけど」

ノハ#゚⊿゚)「ドクオ! 油断するなあああ!」

('A`)「だってお前、怪人は悪い変態だって言ってたじゃ」

ξ^ω^)ξ「わかってくれて嬉しいお! さぁ、まずは君から僕と同じ姿に」

('A`)「前言撤回」

 こんな変態、のさばらせておく訳にはいかない!

ノパ⊿゚)「さぁドクオ! 変身だあああ!」



('A`)「言われずとも」

 俺は右手を掲げ、意識を集中させる。


('A`)「変身!」


 高らかに言い放つと、俺の周りをきらびやかな光が包んだ。

ξ^ω^)ξ「うおっ、まぶし」

ノパ⊿゚)「ふふふ、見て驚けえええ!」


 数秒の後、現れたのは。


\ /
('A`)「コードネーム『台所の黒光り』、カルーチャマン見参!」


 巨大な人面ゴキブリとなった、俺。



ξ^ω^)ξ「ぶっひゃひゃひゃひゃひゃひゃwww」

 静寂を破ったのは、怪人の方だった。
 そしてその声を皮きりに、周囲は阿鼻叫喚の地獄絵図となった。

(;゚ー゚)「いやぁぁぁっ!」

(;,,゚Д゚)「ぎゃぁぁぁっ!」

(;´・ω・`)「うほぉぉぉっ!」

 叫び声が、耳に痛い。
 まぁ確かに、巨大ゴキブリが現れたら俺だって両手を上げて逃げ出すが。

ξ^ω^)ξ「よりによってゴキブリっておま、きんもー☆」

,\ /
(#'A`)「うるせぇ! 全裸ソフトクリームに言われたかねぇよ!」

ξ^ω^)ξ「これはやられたおwww死wwwぬwwwwww」

 いつの間にか、辺りから人が消えていた。



ノパ⊿゚)「諦めろドクオ、キモいのは事実だあああ!」

,\ /
(#'A`)「誰のせいだと思ってんだぁぁぁ!」

ξ^ω^)ξ「え、何、エピソードあんの? 是非聞きたいおwww」

,\ /
(#'A`)「聞くなぁぁぁ!」

ノパ⊿゚)「あれは先週のことだったあああ!」

,\ /
(#'A`)「話すなぁぁぁ!」




 そう、あれは先週のことだった。

 台所に立ち寄った俺は、偶然にも奴と邂逅してしまったのだ。
 黒くて硬くててらてら光ってて、暗くて狭くて湿ったところが好きなわりに速い生物。

 ゴキブリ。

('A`)「捉えた」

 標的を目視した途端、俺の右手は既にヤカンの取っ手を掴んでいた。
 感付いたのか、奴がピクリと蠢く。
 逃げ出そうとしているのだろう、だがもう遅い。

('A`)「聞いてろよ。もう捉えたと言ったろう?」

 俺は床がビチャビチャになることも気にせず、お湯を振り撒いた。

(;'A`)「なにぃっ!?」

 だが、奴は怯みもせずに俺の足下に走り寄った。
 そして、何と、俺の足を、優しく――

(;'A`)「ギャアアア、バッチィッ!」


 噛みやがった。
 俺の足を、噛みやがったのだコイツは!
 ……病気とか、大丈夫かな?

(;'A`)「おのれぇ、もう許さん!」

 俺は、足下に一酸化二水素式液体爆弾を落とした。
 火傷? 知るかボケェッ!


(;'A`)「「あっちぃっ!」」ノハ;゚⊿゚)


 ……あれれー?
 声がもう一つ増えたよー?

 ……あれれー?
 俺の足に、ふにゃりとしたものが当たってるよぉ?


ノハ#゚⊿゚)「いきなり何をするんだあああ!」

(;'A`)「……え?」



 目の前には、素っ裸の少女が居た。
 それもかなり可愛い。

ノパ⊿゚)「はっ!? やっ、やったぞ元に戻ったあああ!」

 少女は立ち上がり、喜びの奇声を上げる。

('A`)「……」

 ヤバいヤバいヤバい。
 まる見え! 少女の世界まる見え不思議発見!
 白状しよう、俺の息子はいつの間にかパンパンだ。

(*'A`)「ゴキブリ女におっきおっきしちゃったよぉっ!」

 正直童貞にはキツすぎる光景だぜヒャッハァ!
 だが、それを聞いた少女が顔を真っ赤にしながら叫ぶ。

ノハ#゚⊿゚)「やめろおおお! 私はゴキブリ女じゃなあああい!」

 そして、彼女は両手を構えて言い放った。

ノハ#゚⊿゚)「私は! 熱血魔法少女ヒート様だあああ!」

(;'A`)「ま、魔法少女のゴキブリー!?」

ノハ#゚⊿゚)「違あああう! ゴキブリ怪人に呪いをかけられただけだあああ!」


('A`)「ゴキブリ怪人ってwwwねぇよwwwwww」

 俺は腹を抱えて笑った。
 この有り得ない現実を、笑わずしてどうするというのだ。
 そんな俺を慰めるかの様に、腹部に置かれた腕を更に四本の黒い足が包み込……え?

 全身を、確認する。


\ /
('A`)「……」


ノパ⊿゚)「はっ、貴様その姿は!」

 言うの遅えよ。



 その後、俺はヒートから様々な説明を受けた。
 恐らく、噛んだことによって呪いが移ってしまった事。
 そして、呪いが変質してしまった事。
 多分、俺とゴキブリ怪人の相性が良かったのだろうという事。
 よって、俺はゴキブリ怪人と同等の力を得た事。

ノパ⊿゚)「変化してしまったその呪いを解くには、もうゴキブリ怪人を倒すしかなあああい!」

 こうして、俺はゴキブリ怪人を倒す為に、手当たり次第怪人を探し出す「正義の味方」になったのだー。
 わー、ぱちぱち。


 え、ヒートのこと?
 いや何か、こっちの世界に逃げ込んだ怪人たちを追っかけて、異世界からやって来たらしいよ?
 ごめん、面倒臭くなってきた。



ノパ⊿゚)「と言う訳で、カルーチャマンが誕生したのだあああ!」

ξ^ω^)ξ「……」

 話を終え、満足そうな少女とは対象的に。
 怪人は、無言だった。

,\ /
(;'A`)「当然だよなぁ」

 まぁ聞きたいと言ったのはコイツだから、自業自得である。

\ /
('A`)「もう攻撃しちっていいかなぁ」

ノパ⊿゚)「待て、まだ感想を聞いてない!」

,\ /
(;'A`)「どうでもいいわっ!」

ξ^ω^)ξ「……許せないお」


\ /
('A`)「え?」

 俺は耳を疑った。

ξ#゜ω゜)ξ「許せないお! 許せないお!」

 見れば怪人は、地団駄を踏みながらこちらを睨んでいる。

,\ /
(;'A`)「え、羨ましいの? これ……」

 流石変態なだけある、むしろ代わってあげたいくらいなんだが。

ξ#゜ω゜)ξ「これを喰らうおおお!」

,\ /
(;'A`)「うわっ、不意打ちとは卑怯なり!」

 だが、怒りに我を忘れた奴に俺の声は届かない。
 奴の手から離れた禍々しい光球が、今、無防備な俺を貫こうと――


ノパ⊿゚)「え?」

 ――していなかった。

 何と、奴はヒートを狙っていたのだ。

ノハ;゚⊿゚)「うわああああああっ!」

,\ /
(;'A`)「ヒィィィトォォォッ!」

 畜生、俺は守れなかった。
 少女一人、守ることができずに、何が正義の味方だっ……!


ノハ#゚⊿゚)「冷たあああ!?」

,\ /
(;'A`)「あれ?」

 しまった、間違えた。
 今はまだ孤独なヒーローのシチュエーションじゃなかった。

ノハ#゚⊿゚)「冷たいのはやめろおおお! これじゃヒートじゃなくてクールだあああ!」

 急いで叫ぶ少女を見やると。



 ヒートは、あの変態怪人と同様、全裸にソフトクリームだけを身に着けていた。


\ /
('A`)「……」

 俺の股間が、盛り上がる。


ξ*^ω^)ξ「フヒヒ、お前だけカワイコちゃんの裸を見るなんて狡いんだお!」

,\ /
(*'A`)「GJ!」



ノハ#゚⊿゚)「ドクオ貴様あああ!」

,\ /
(;'A`)「はっ!? す、すまん、口が勝手に」

 慌てて、怪人に向き直る。

,\ /
(#'A`)「てめぇっ、よくもヒートを! ていうか許せないってそっちかよ!」

ξ^ω^)ξ「口ではそう言っても体は正直だお」

,\ /
(*'A`)「らめぇっ、言わないでぇっ!」

ノハ# ⊿ )「……」

 あ、ヤバい。
 今の殺気は、ヤバかった。

,\ /
(;'A`)「い、行くぞぉっ!」

 俺は駆け出した。



 ――その速さ、正に神速。
 伊達にゴキブリの姿をしている訳ではないのだ。
 俺は空気を切り裂きながら、圧倒的なスピードで怪人の間合いに踏み込んだ。

ξ^ω^)ξ「何のぉ!」

 そこで奴は、何かを取り出そうとした。
 だが、遅い。


,\ /
(#'A`)「喰らえぇぇぇっ!」


 俺のパンチが、ソフトクリームを潰しながら奴の頬に当たる。

ξ;゜ω゜)ξ「ぐぼぉっ!」

 奴はそのまま後方へ吹っ飛ぶと、頭部を床に打ち付けた。
 武器だったのだろうか、構えていたアイスクリームマシンが妙に痛々しい。



 なかなかいい出だしだ。
 俺は人差し指をちょいちょいと振りながら、横たわる奴を挑発する。

\ /
('A`)「来いよ、まだ終わりじゃないんだろ?」


ξ ω )ξ「……」

 怪人は動かない。

\ /
('A`)「何だ、油断させようってのか?」

 俺は慎重に、奴の元へと近付いた。




\ /
('A`)「……」

ξ ω )ξ「……」

,\ /
(;'A`)「……え?」

 白目を剥いて、完全に気絶している。

,\ /
(;'A`)「……嘘だろ?」

 何と、俺の初撃は奴をノックアウトしていたのだった。
,\ /
(;'A`)「雑魚ってレベルじゃねぇぞ……」


 拍子抜けしながらも、俺はヒートの元へと戻った。



\ /
('A`)「おーい、倒したぞぉ」

ノハ;゚⊿゚)「はぁっ、はぁっ、あー冷たかったあああ!」

\ /
('A`)「……」

ノパ⊿゚)「ん?」

 体のソフトクリームをすっかり落とし切っていたヒートは、完全な裸になっていた。

 俺の股間、再び元気。


 ――こうして、今回の戦いは幕を閉じた。
 だが、世界を脅かす怪人たちはまだ沢山いる。
 次はきっと強い怪人が出て来るに違いない。
 戦えカルーチャマン!
 貴様の戦いはまだ終わらなああああああい!

,\ /
(;'A`)「ナレーションお前かよ!」

ノハ*゚⊿゚)「一度やってみたかったんだあああ!」


[('A`)ドクオは□□□□□マンになったようです改め('A`)ドクオはカルチャマンになったようです]
THE END.


作者のあとがき

いや、何か、本当もう、色々とすいませんでした
タイトルに数字付けとけばよかったね、うん


あ、支援ありがとうございました