元はんこ屋の豆知識・動物質印材について | ガネーシャJr.の印西暮らし

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2015年迄印西市ではんこ屋を営んでいたガネーシャJr.と申します。角膜と硝子体の目の病気ではんこ屋を閉店しました。
里山と近郊都市の両立する印西市が大好きで、市内を散歩しながら見た事や行政に感じる事を個人的見解で書いています。どうぞ宜しくお願い致します。

こんにちは、ガネーシャJr.です。

元はんこ屋の豆知識を書こうと思っていましたが、たった5年間でこんなにうろ覚えになるとは自分でも驚きました。
それと5年間で印鑑業も進化したでしょう。
間違ったり、変わっているかもしれません。


印鑑の印章材料、印材について
①動物質 : 実印用で一番売られています。
②植物質 : 一番多く使われていると思います。
③鉱物質 : 石材や金属が使われています。
④その他 : 人工素材で安価の認印に多いです。

今回は①の動物質です。
大きくは2種類に別れます。

骨の素材は印鑑としては半永久的な丈夫で
高級な素材です。
「象牙」の他に「マンモスの牙」の牙類と、「河馬(カバ)の歯」「鯨(マッコウクジラ)の歯」の歯類の素材があります。

全て色は白か象牙色(薄いアイボリー)です。
完全な白色は漂白されています。
象牙は印材の採れる場所が異なると、薄い模様が異なり価格が変わります。
(日輪横目芯持は象牙の最高級印材です)

河馬や鯨は中々手に入り難い印材です。価格も高くて在庫を持つ店は少ないみたいです。
もし、持っていたら自慢して下さい。
マンモスは現存してなく、ロシア政府の放出次第です。

象牙も取引禁止で、過去に採られた象牙が流通しています。正規の流通品には象牙シールが発行されています。
ガネーシャJr.の店も毎年、面倒でしたが仕入数と販売数を申告していました。


動物の角はたんぱく質の固まりで寿命があり、長年使うと劣化して朽ち果てます(100年以下)。また衣類を食べる虫等に噛られる事があるそうです。
「黒水牛の角」「黒水牛以外の牛の角」「羊の角」が使われます。
(右:黒水牛、中:牛の角、左:羊の角)

「黒水牛の角」はそのままでは、下地は黒色ですが、白色が混じっています。一般的な多くの印材は黒く染められています。
染めなくても、黒色に近かったり白色が綺麗に混じっている印材は「天然(ナチュラル)黒水牛」として売られています。
最近は黒水牛の角の端材を集め、樹脂で固めた印材もあるみたいです。

「黒水牛以外の牛の角」は一般的に「牛の角」「オランダ水牛」で売られています。
色はアイボリーの下地が多く、白や黒色が混じっています。白色から黒色まであり、一般的に柄の模様で価格に差があります。
(この様に色柄が異なる個性のある印鑑です)

「羊の角」「シープホーン」等の名で売られています。赤系の飴色で綺麗ですが、動物質印材の中では一番柔らかいと思います。

あったらいいと思う素材ですが、「犀の角」は高級過ぎ、「鼈甲」は柔らか過ぎるのか、印鑑に使われていません。「鹿の角」も印鑑には柔らかいと思います。


以上が一般的な動物質の印材だと思います。
象牙は勿論、黒水牛も確保が難しくなっていて、いずれは貴重品になるかも。
(動物愛護精神からも拒否されているみたい)
動物質の印材は高級感と丈夫さで、実印や銀行印に使われてる事が多いです。

ただ骨系の印材で印章自体は丈夫でも、文字の部分は欠ける事があります。
文字や印材が欠けた場合です。
前にも述べた様に、登録された印影は画像として登録されています。
欠けた印影でも、80%の印影が一致すれば問題なく使用できるはずです。
後は欠けた印鑑と言う気持ちの問題だけです。
印鑑は偽造は難しく、破損は大丈夫です。
(こんな印影も作っていました)

次は植物質の印材を語りたいと思っている、元はんこ屋のガネーシャJr.でした。